2014年01月05日公開|MG
こちらのお客様もご近所さん、同一町内のご新規のお客様です!
そもそもこのMGFなる車が存在していたこと自体まったく知りませんでしたが、そのレアなお車がこの辺鄙な町内に存在しているとはビックリです。
というのも、この町内なぜか昔からあまり車趣味人は少ない・・・
今まで私か知る限り、一番レアな車は私の後輩が所有していた、
デ・トマソ・パンテーラGT5ですが、この車も事故→放置→売却といなくなってしまいました・・・
私が欲しかったのにー
現在でも、ポルシェが数台生息している位で、
フェラーリなど過去現在1台も生息していなかったのでは?
これが隣町となると、輸入車ならフェラーリすら5台ほど生息していますし、その他レアな車もかなり存在しています。
KP110GT-Rすら数台生息していますし、人口もさほど違いがないのにこの違いはどうしてなのでしょう?
このような地域性ですから、なかなか高額車や変わった車を所有することは勇気がいります。
バカ息子!
道楽者!
目立ちたがり屋!
等、格好の非難ターゲットとなってしまいます・・・
しかるに私など、バカ息子・道楽者・目立ちたがり屋の、町内1の馬鹿野郎と思われているのでしょう!
今更そんなこと気にしていませんが、先日古い友人と飲みに行ったとき、車道楽をけちょんけちょんに非難された時は結構めげました・・・
同年代さえ、ここまで保守的な考え方とは?
さてこのMGという英国由来のメーカーですが、歴史は非常に古く1910年に創業されていますから、アストンマーティンと並ぶ老舗ブランドです。
ただし、アストンマーティンは高級スポーツカーに徹しましたが、MGは小型スポーツカーに特化することで棲み分けをしていていたようですが、BMW傘下になったりの変遷を繰り返し一度は倒産しましたが、
現在は中国の上海汽車によりブランド復活し英国工場で生産を行っているそうですが、幾らMGの名を冠し英国で生産されていても、
その実は中国製ではすでにMGとしての価値は認めるべきものは無いでしょう・・・
MGに限らず、すでに歴史ある多くの英国ブランドは単独企業として存続できているものはわずかで、現在ではモーガン・ジネッタ・マクラーレン位なものでしょう。
ジャガー・ベントレーなどはブランドは生き続けてはいますが、
もはや英国車というよりドイツ車みたいな車ですし、
ロールスロイス・アストンマーティンなどもそのうち後に続く事となるでしょう・・・
ロータス・ケータハムなどもここ数年で大分方向性や風向きが変わり始め、ロータスに至ってはすでに現生産車は私からすればコーリン・チャップマンの思想は断絶されたメーカーという印象です。
あーあーです・・・
このような英国車事情の中、
このMGFはまだ純粋な英国車として生産された最後の価値ある車の1台です。
一時は、トライアンフなどと並び小型スポーツカーの双璧をなしていましたが、新興勢力のハイパフォーマンスを誇るロータスやジネッタの登場により、
性能的にはかなりの苦戦を後半は強いられたようですが、
古き良き小型スポーツカーの伝統をきちんと継承した名車と言えます!
MGBの後継車種として登場したMGFですが、なんといってもこの車の最大のトピックはミッドシップレイアウトのエンジンマウント形式でしょう!
この当時すでにローバー傘下にありましたので、当然搭載エンジンは賛否両論ある18Kエンジンです。
この時代の小型英国車では定番エンジンですが、このエンジンの最大の武器は軽量であり、且つ重心高が低いことです。
そのためこのMGFはスチールボデイにも拘らず、1.070kgという軽量に仕上がっています!
ただし、18Kエンジンはそもそも小型大衆車用エンジンであるため非力なことがネックですが、MGFようにVVCによるチューニングが施されているため145psをたたき出しているため、かなりのハイパフォーマンス化をしていますので、ワインディングで出会ったときなど、
「たかがMGの旧車ジャン!」
などとなめてかかれば、国産のスポーツカー程度では軽くいなされてしまいますよー
これはトピックというより変わった構造と言ったほうが良いでしょう。
なんとボンネットオープナーはなぜかトランク内にある?
変わっていて面白いけど、使いにくさはそれを超えますねー
このような構造にした理由も、メリットもこれは理解不能・・・
いかにも英国車らしい優雅且つ機能的メーターです。
メーターパネルのお手本のようです!
ホワイトのメーターパネルベースも、
いかにも英国車らしい。
良いですねー
更にはセンターコンソールパネル上部に配置された補助メーターも、古き良き時代を感じさせます。
当然時計もアナログ時計ですよー
恐らくコンソールパネルのウッドは後付けアフター商品でしょうが、オリジナルでなくてもウッド自体が英国車の象徴的なものですので、違和感どころかオリジナルよりGOO!
選ばれたウッドもローズウッドでしょうか?
なんとなくジャガーぽくて高級感があり良いですねー
この内装はビックリです。
オーナーによるDIYレストアだそうです!
シート自体はレカロ製に換装、のちにサイド部分を合皮で、中央部分をアルカンターラでご自身で縫製されて取付されたそうです。
すごい!
これ以外にも、シフトノブブーツ・サイドブレーキブーツ・ドア内貼りなども、
同素材のアルカンターラで自作。
会社退職したらこれで食っていけますね!
フロアカーペットとフロアマットも新調されていますが、これはパテントを持つ会社が製作したいわば準純正品だそうです。
いいセンスでトータルモデファイ&レストアされていますので、
このような手法はオリジナルでなくてもOKでしょう。
これを見た弊社に屯するうるさ型のH君も、
「これゃー良いわー」
「これだけ手を入れてきれいにしていれば価値あるね!」
珍しく褒めました。
張替を行ったシートのサイドサポート部分かなり汚れてしまっています・・・
これが本革であれば、
「革シート使う資格ないですね・・・」
と、言いたくなるところですが、合皮ですので汚れのクリーニングも簡単だし、
革のように傷みませんからOK!
オープンカーですから汚れやすいですし=傷みやすいので、モデファイは合皮で!
と、いうのは正解ですね。
ここはまだ手つかず・・・
汚れと傷みでかなりひどい状態です。
春までには張替のご予定だそうですが、幌はなかなか高価ですので大変です。
当然張替えの幌は定番としては同色の黒ですが、内装と合わせてベージュもおしゃれですし、エンジや黄色・灰色なども面白いかも?
私的にはお勧めはエンジ!
ただし、保証はいたしませんが・・・
はっきり言ってかなり悲惨・・・
傷も当然相当のものですが、
すでに塗装のクリアーが劣化して曇ってしまっています。
この状態からですと、
果たしていくら"04スタンダード磨きコース"といえども回復できるのかは?
この膜厚はボンネットですが、塗り重ねがされているようで262μもありますが、逆に全くクリアー厚がどのくらい存在しているのかが判断できません・・・
然し、いかにせよこの状態からのリセットをかけるには相当の研磨厚は覚悟しなければいけませんから、正直博打みたいなものです。
予想としてはクリアー厚60μとして、15μ以内の研磨を想定します。
この段階以前、つまり施工前の診断段階において、磨き処理以前の問題個所があるパネルにつきましては、
「この状態で磨いてももったいないので、板金塗装をしましょう!」
ということになり、3パネルは板金塗装を行うことといたしました。
が・・・
塗装仕上がりしてみると、どうも色がおかしい・・・
このお車、ボデイのほぼ総てが何らかの補修を受けているため、
パネルごとに色やメタリック粒度密度が微妙に違うのですが、再塗装した2パネルに関しては隣接パネルとの意匠性の差がどうしても納得いきません。
どうしてこのようなことが起こったのか?
答えは簡単!
再塗装のための3パネル分の塗料を、補修しない1パネルに対して調色したため、もともと全体がばらばらの意匠性だった塗装ですから、
すべての再塗装パネルとの調色があってくるはずがない・・・
ということで、板金塗装工場の担当責任者を呼んで現状指摘をすると、
「これは仕方がない部分もありますが、1回調色としてもちょっと雑でした・・・」
「塗りなおします!」
とのことで、再度再塗装へGO。
当然無料です!
このようなことは実際頻繁に起こり得ることですが、
今回は弊社ご依頼での板金塗装でしたから、
このように磨き前に弊社交渉により無償で再塗装をして事なきを得ることができましたが、お客様がご自身で依頼をされ持込み後にこのようなことが発覚したとしても、弊社でご依頼なさった板金塗装工場と交渉することはできません・・・
仮にその板金塗装工場が、弊社知り合いだったとしても、
その作業については弊社は部外者ですのでお口添え等はできません。
変なマスキングの仕方でしょう?
マスキングテープがレーシングラインのようです。
これ、英国車はなぜか似合うのですよ!
このマスキングは、04磨きコース以上のペーパー施工のための保護追加マスキングです。
凹凸部にペーパーをかけてしまうと、その後の作業で凹凸部及びその付近には、
非常に膜厚低下や過度の過熱などのリスクが伴いますので、
それを防ぐためにマスキングにより保護をいたします。
こんな感じに保護マスキングを除去するとなります。
当然マスキングが追加されている部分にはペーパーが当たりませんが、その後の磨き処理によりグラデーションされますので、保護マスキングがあった部分との意匠性変化はほとんど起きませんのでご安心を!
これは04磨きコースでの状態ですが、05磨きコースとなるとまた方法がちょっと異なります。
これがまた結構面倒なのですよー
今回ご依頼いただいた"04スタンダード磨きコース"の#3.000のペーパー掛けが終了した状態ですが、きれいにまんべんなくペーパーがかかっています。
重度のダメージがあるお車の場合、ペーパーなら熱を入れずに研磨厚を稼げますので、塗装に足しての負荷が非常に軽減されます!
とはいえここの所大分04・05コースはご無沙汰だったので、ポリッシャーを使った磨きとは違う神経も使いますし、
体もなかなか付いて行きませんのでかなり疲れました・・・
ウールバフ磨き後の膜厚は256μですから、現段階での2工程の磨きで6μの研磨です。
然し、ボデイの約半分くらいのパネルでは、このようにウールバフに塗装色が溶け出してきます・・・
つまり補修塗装はメタリックにも拘らず、
クリアー練り込みで塗装されています。
正直この補修チョー手抜きといっていいでしょう・・・
更にはひどいぼかし痕まではっきりと露出してきます・・・
このぼかし痕、作業前の段階でも当然はっきり確認はできるレベルではありましたが、ウールバフ終了時点では、よりはっきりしてきてしまいました。
このぼかし痕も、この後の3工程の磨きで少しでもわからないように磨き上げなくてはいけませんが、この作業はかなり難易度は高いです。
かなりてこずりましたが、囲われている部分以外は、ほとんど確認でないレベルまでぼかし痕は処理できました!
然し、囲われている部分は、相当雑なぼかしが行われているため、
これ以上攻めてみても改善は望めません・・・
練り込みクリアーによる補修塗装もそうですが、このような雑なぼかし塗装をする塗装屋さんがいること自体ちょっと信じられません。
今まで私が見てきた補修塗装としては、ワースト1確実ですね・・・
↑の写真は完全に下地到達してしまっている傷の状態です。
ここまでの傷は本当は再塗装したいところですが、すでに3パネルはこの状態とは比較ならないくらいさらに最悪の状態ですので再塗装しますが、さすがにこのパネルまで追加するとなると、補修塗装費用は確実に20万円をオーバーして行ってしまいますので、今回は磨きでどこまで対応可能なのかを試してみます。
結果が↓の写真。
相当薄くなりましたが、いかにせよ下地が出てしまっている傷ですので、いかに04スタンダード磨きコースといえどもここが限界です・・・
オプションの"スポット磨き"を併用すればさらに改善は可能でしょうが、
さすがに100%とはいかないでしょう。
そもそもご予算は大幅にオーバーしていますので、この部分は妥協するしかないでしょう・・・
トランク下部のパネル中央部分、
磨き前から明らかにほかの部分とは違うクリアーの劣化状態でしたが、ペーパー・ウールと磨きが進行していくと、よりクリアーの劣化状態がはっきりしてきました・・・
この部分もやはり再塗装が行われているパネルです。
磨きが終了してみると、クリアーが無くなっている?
研磨によりクリアーが削られたというのではなく、剥げ落ちた・・・
と、いう感じです。
有色塗装に対してクリアーが密着していなかったような感じ?
つまり、有色塗装とクリアーの間に不純物が存在していたのか、クリアー自体に密着阻害するような何らかの成分混入していたと思われます。
この部分の補修塗装も最悪・・・
仮にいくら安い補修だったとしても、プロとしてこのようなでたらめな塗装して良いのでしょうねー
20μ以内の研磨厚を目標に磨きを行ってきましたが、結果総研磨厚は12μになりました。
↑の写真のようにまだ取り切れない傷は存在していますが、
これらの傷は後10μ研磨を追加したとしても全く状態変化は望めません・・・
改善されないものにただ研磨厚だけを増やしても意味がないのでこれで終了としました。
徹底的に追い込むことだけが良いことではありません!
改善可能なのか?
改善不能なのか?
どの程度に改善の標準を合わせるのか?
このような判断が、このお車のように低年式であったり、
ダメージレベルが大きい場合には重要となってきます。
当然、このお車のようにかなりのダメージレベルの場合は、
部分的には新車を超える!
と、いうことも可能ではありますが、
全体がトータルで新車を超えるということは残念ながら不可能です・・・
MG エムジー MGF Mk-1 コーティング終了
年末年始をかけ、特にお正月にコツコツ作業を行いましたが、新春のスタートを飾る会心の出来上がりです!
お引き取りにみえられたお客様も、工場内に一歩足を踏み入れ一見した第一声が、
「すごい!」
「こんなにきれいになるのなんですねー」
と驚かれ、最高の笑顔を見せていただけました。
英国車しかもスポーツカーということで、弊社お客様による春の京都ツーリングにもお誘いさせていただきましたが、
「お誘い頂いたことは大変うれしいのですが、HP見るとかなり過激ですよねー」
と、ちょっと躊躇されています。
「大丈夫ですよ、ちゃんと走りに応じてクラス分けして走りますから、無理はしなくても大丈夫です!」
とお答えすると、安心なされて参加を前向きにご検討いただけることとなりました。
過去ツーリングに御参加いただいたお客様でも、その過激さに躊躇されてしまい、
1回こっきりという方が多くいらっしゃいますが、過激だった常連参加者の方々も、年を重ねるにつれ流石に丸くなられてきましたので、
最近は結構観光的要素も加わり参加しやすくなっておりますので、過去参加経験者の方・参加未経験者の方ともに、弊社施工済みの方でしたらご参加可能ですので、ぜひご参加ください。
更には、このようにご感想のメールまで頂き感激です!
ご丁寧にありがとうございます。
この頂いた文章にあるお客様のブログ、URLを貼りつけしておきますので、下記をクリックして皆さんご覧ください!
人柄がにじむ素晴らしいブログです。
http://ameblo.jp/i-like-mg/entry-11743952708.html
更には、お客様の長崎のご友人が送って下さったという"活車海老"をわざわざ、雪が舞う夕方にお持ちいただきました!
活というだけあり、おがくずの中で生きています。
こんなの初めて見た!
珍しく夕食の支度を早い時間に済ませてしまっていたので、明日の夕食で頂こうと箱にふたを閉めてキッチンにおいてておくと、何やら"バシィ・バシィ"と音が聞こえてきます?
キッチンにおいた車海老が、箱のおがくずの中で暴れている音です。
そーっと箱を開けてみると、1匹がはねて飛び出してきます・・・
その一匹を試しにと生きたまま殻をむき、醤油など一切付けずにそのまま食すと、
メチャ甘い!
しかも体温の暖かさそのままですし、口の中で体が跳ねます。
最高の御馳走!
然し、それを見ていた娘、
「残酷すぎる・・・」
確かに残酷・・・
然しこの新鮮さは残酷だからこその得られる快感!
今夜の夕食は、当然活き作り&活網焼き&殻でだしを取った味噌汁で頂きます。
残酷と非難の目を向けていた娘も、間違いなくこの美味さには虜になるでしょうね!
今夜が楽しみ。
この度は、予定を遥かに超えた長期間のお預かりとなってしまい申し訳ございませんでした。
その甲斐あっての、板金塗装・磨き・コーティングともに最高の出来にできたと思います。
この希少なお車、今後も大事にかわいがって行き続けてください。
今年は雪が少ないとはいえ、乾燥路でもエンカルが舞っていますから、冬期間はドライブしたい気持ちを抑えてグッと我慢をなさってくださいね。
旧車英国車にとって錆は大敵ですので。
この度はご依頼いただきましてありがとうございました。
更には、ご感想メールまで頂き、お土産まで頂くという過分のお心遣い大変感謝いたしております。
今後も末永くお付き合いください。
PS:春ツーリングは、予定を調整して頂き、必ずご参加くださいねー
会員クラス:準会員登録
車両クラス:クラスSS
施工コース:
コーティングコース=G'ZOXハイドロフィニッシュ ガラスコーティング
磨きコース=04スタンダード磨きコース(#3.000による柚子肌を生かした超鏡面磨き)
オプション施工=板金塗装(フロント右フェインダー・リアトノカバーパネル・リアバンパー×外注)
物販=G'ZOXハイドロフィニッシュ専用メインテナンスBOX
施工料金:294.093円税込(代車使用無し割引-10%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨きランク2+15% 適応 板金塗装・物販含む)
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