2014年08月15日公開|ルノー
昨年施工させて頂いた東北の会員様のお車ですが、ちょっとした不注意での自爆事故です・・・
駐車状態から右に発進した際、そこにコンクリート縁石があり低速であるにもかかわらず、
右側面にかなりのダメージを受けてしまわれました。
限定車でありかつ逆輸入車であるため、修理はかなり困難が予想され、オーナー様から事前に頂いていた画像を弊社取引先であるルノーディーラーに見て頂いたところ、
「見た目で判断する限り修復は不能でしょう・・・」
とのこと。
然し、素人であるオーナー様から見ると走行に支障があるわけではないので、結構簡単に直るものと思われています。
車両保険使用での保険修理となりますので、お持込み前の保険会社との話し合いでも、保険会社側も実車を確認してるにも拘わらず、やはり結構簡単に考えています。
然し、弊社判断では直るとしても修理費用は100万は超えるでしょうし、
100%の修繕は不可能と判断しますので、
最悪予測修繕可能レベルが低い場合は全損扱いを前提としてほしい胸を保険会社にお伝えし、事前承認をお願いいたしました。
取扱い保険会社はJAでしたが、さすがにこのようなレアなお車については過去実績がないので、
「判断はお任せします、
直るのであれば修理費用は車両保険金額範囲内であれば幾らでも問題ありませんし、完全修復が難しいからという理由で、
オーナー様が全損扱いを希望されるならそれで構いません!」
とのこと。
よく巷では、
「JAは事故の際弱いので、いくら保険金額が安くても結果損する・・・」
等という事を耳にしますが、車両保険に加入している場合は、私の経験上一番誠意的対応をするのがJAか三井住友(通販タイプは判りませんが)です。
JAの場合は、修理査定が甘いのです!
三井住友場合は、お客様満足度にこだわります!
その他大手損保ならこのパターン必ずもめます・・・
いざオーナー様がお車をお持込み頂き拝見してみると、
確かにパッと見はたいしたことは無い様に見えますが、
よく見るとサイドロッカーも歪み上方に持ち上がっておりますので、
サイドメンバーに歪みが生じている可能性もありますし、一番問題なのはドアヒンジ部分を押していますので、Aピラーが歪みルーフにも歪みが生じている可能性があります・・・
つまり修復したとしても、修復数値が完全と言えるレベルに達するのかが?
です。
手を付けてしまってから、やはり直すのは難しいので全損扱いにする・・・
と、いうわけにはいきませんので、現時点で完全修復は難しいので全損扱いにするのか?
出来るとこまでの修理という博打にはなりますが、修理をするのか?
と、いう判断が必要となります。
数日お考えいただき出た結論は、修理をする!
どこまで修復可能かはやってみないとわかりませんが、予算は十分ですので、かなりきちんとしたことはできるでしょう。
全損扱いにしなかった最大の理由は?
すでにこの同じお車は新車としては無く、このお車にこだわられると中古車となってしまいます・・・
もうじき新型が発売になりますが、エンジンレイアウトから駆動方式までこのお車とは違ってしまいますので、
名前だけは同じでも全く別の車と言えるレベルですのでやはりこれもダメ・・・
と、いうわけです。
2か月半に及ぶ板金塗装修理から上がり、いよいよ弊社のコーティング補修及びペイントプロテクションフィルムの再施工となりますが、
通常ご予約でさえ期日仕上がりが出来ない状態に陥ってしまっいますので、
1か月近く弊社の車庫で眠ることなってしまいました・・・
お待たせするのは非常に申し訳ないのですが、施行期間が5日ほど必要なため致し方ありません。
今回板金塗装されたパネルは、右フロントフェインダー・右ドア・右リアクオーター・右サイドロッカーですので、隣接パネルとなるフロントバンパー・ボンネット・ルーフ・リアハッチ・リアバンパーの合計9パネルにも及びます!
事故の際、ホイルも多少の傷が入りましたので交換です!
ホイルは純正ですのでかなり高いのかな?
と思いきや、53.000円と意外とリーズナブルな価格でした。
此処も新車時コーティングを施していたので、
フルコートでの施工を行います。
其れとは別に、キャリパーもやはり新車時にコーティング処理しておりますが、なかなかここまで施工する方は少ないですが、1年経過後のカラーキャリパーの汚れ、コーティング効果は大きくブレーキダストにより細部は汚れがたまりやすいですが、
全く汚れの付着はありません!
我ながら、効果絶大だなー
と、感心してしまいました。
施行より1年経過、走行距離9.000㎞弱、しかも東北ですので豪雪の中1シーズン使用されているにも拘らず、傷はほとんどありません!
非常に行き届いた管理がなされています。
それと意外だったのは、
鉄粉付着もほとんどありません!
この状態が維持できている要因としては、コーティング効果も大きいでしょう。
施工いただいているのは、弊社最高級の“グラスコート・アルテメット”9H近い硬度と6μにも及ぶ膜厚に傷も入りにくく、且つ鉄粉も簡単には付着できないようです!
今回未塗装のコーティング補修のみの対象パネル、
フロント・トップ部分はほとんど傷はありませんでしたが、リア部分は深い傷付がが結構目立ちます・・・
保険賠償での磨きコースは基本前回施工された内容となりますので、“01パーフェクト磨きコース”となりますが、
この磨きレベルではどうにもならない傷がリアバンパー左側面に発見です。
非常に大事になされているオーナー様ですので、
「実費負担にはなりますが“スポット磨き”で目立つ傷や、深い傷補修なさりますか?」
と、一応ご確認を入れたところ、
「そのような部分はすべて直してください!」
とのことでしたので、スポット磨きを行っていきます。
↑の傷部分は、予想では雪の凍った部分に擦り付けたか?
生垣の枝で強くこすったような傷です・・・
リアバンパーですので当然素材はPP。
膜厚計は役に立ちませんから、スポット磨きでの研磨厚は計測できませんから、感です・・・
かなり傷は深いので、
私の予想では20μくらいは研磨必要と推測されますが、その20μが解らない。
攻めすぎれば傷は取れてもクリアーも無し・・・
となりかねませんので、慎重に様子を探りながらの磨きでしたが、
うまく傷の処理はできました!
リアハッチ付近は結構悲惨な状態になっています・・・
実はオーナー様は奥様ですので、毎日のようにスーパー等の買い物にご使用なさるとのことで、その際の開閉や荷物の積み下ろしなどで傷入れされてしまうのでしょう・・・
ハッチバックスタイルのお車の場合ありがちです。
特にこのお車の場合、開閉スイッチの位置や、閉める際のハッチ裏側のハンドル形状などに使いにくさがあるために、どうしてもパネル本体に触れてしまうのでしょう。
特に女性ですので、爪や指輪などのリスク要因が高いですので、ある意味仕方ないですが・・・
ほぼこの部分もスポット磨きにより傷は無くなりました!
ほぼというのは、切断傷ではなく圧縮傷になってしまっている部分はリアハッチ部分は膜厚計使用可能ですので計測しながら行いますが、
20μ研磨しても数ミリの長さで残ってしまいます・・・
これ以上は危険です。
ご勘弁を-
一番厄介だったのがここ、リアバンパーに窪みとしてあるリアハッチカップ?
部分です。
これは、ドアカップと同じ要領で明らかに爪&指輪で傷を入れているのでしょうが、今回のスポット磨き施工場所の中で、一番傷が深い・・・
素材はPPしかも窪み形状で範囲も狭い。
此処かなり怖い・・・
やはりほかの部分と同じで、深い圧縮傷がスポット磨きを行っても微妙に残ります・・・
しかしここはまた1年経てば同じ状況に間違いなく陥るでしょうから、
“エクスペル・ペイントプロテクションフィルム”にてガードを施します!
オーナー様は、
「追加料金請求してください!」
と、仰ってくださりましたが、保険賠償対象でのプロテクションフィルム施工箇所が3か所ありましたので、端剤も出ますからこの部分はサービスで施工いたしました!
これで傷入れも心配なくなるでしょう!
サイドステップ・リアクオーターフロントスプラッシュ・サイドロッカーは、
“エクスペル・ペイントプロテクションフィルム”での施工車両ですので、
当然保険賠償にて再度貼り込みいたします!
このような部分は、仮にプレカットデーターがあっても張り込み範囲が限定され、
防御範囲的にも問題があり、且つフィルム断面が目立ちやすいので、弊社ではプレカットは使用せず型取りで施工いたしております。
その方がより防御性が高まり、且つフィルムの存在も目立ちません!
但し、広げる面積率にもよりますが、
プレカットフィルム使用より1.5~3倍とかなり高価にはなりますが、このような輸入車の場合には再塗装費用よりは確実に安く済みます。
とはいえ、それなりの資金力は必要ですが・・・
フィルムの件ではたまにある問合せで、
「フルラップ希望!」
と、いう方があられますが、ほとんどの方は価格に大きな勘違いをなされています・・・
実際には車格にもよりますが、70~120万位はかかるのですが、どうもコーティングとかと同じような価格10~20万位で可能と思われている方がいらっしゃいます。
これでできるのであれば、
自動車メーカーもクリアー塗装など止めてフィルムをフルラップしたほうが安いでしょう・・・
われわれディーラーでさえフィルム原価は、62in×1mで20.000円以上するのですから、どれだけ高額なものかわかるでしょう!
RENAULT ルノー クリオ (ABA-RF4C) ゴルディーニ RS
補修コーティング施工終了
リアハッチ付近の一部を除き、女性が使用されていることを考えれば恐ろしく良い状態が保たれていました!
弊社常連様で、日常使用ではなくほとんど趣味車的使用しかされていない方のお車と比較しても、こちらのお車のほうが程度が良いでしょう!
こういわれると悔しいでしょう?
だけど事実ですからしょうがないですねー
神経質ですが、傷の多いお車のオーナー大体性格が似通っています。
使用頻度に比較して洗車頻度が高い・・・
拘るから洗車用具をあれこれ試す・・・
水染みの恐怖と、せっかちさのために、作業時間を焦り過ぎる・・・
それと、やはり水染みを恐れるあまり、狭い車庫の中に入れて拭き取りをしようとする・・・
等が、結構共通しています。
逆に、傷が非常に少ないオーナー様は、
必要以上に洗わない!
スプレー洗車にかける時間が多い!
おっとりとした性格のせいか、ほぼ丸一日かける覚悟で洗車する!
ですかね。
今回は非常に長期間のお預かりとなってしまいご迷惑をおかけいたしまして、申し訳ございませんでした。
然し、1年経過後の程度の良さには本当にビックリいたしました。
これからも大事にお乗りください。
行楽シーズン真っ盛りのお盆中のお引き取りでしたので、さぞやお疲れのこととおもいます。
ご苦労様でした。
PS:秋にはまた名産の松茸(今年収穫できれば)お送りさせて頂きます。
ダメだったら長芋でご勘弁を。
会員クラス:正会員
車両クラス:クラスM
施工コース:
コーティングコース=グラスコート・アルティメット ガラスコーティング
磨きコース=01パーフェクト磨きコース(保険賠償対象磨き+超鏡面仕上げ×9パネル)
オプション施工1=部分傷取り磨き(スポット磨き×4か所=自費施行)
オプション施工2=エクスペル・ペイントプロテクションフィルム(右サイドロッカー・右クオーターフロントスプラッシュ・右サイドステップ)
オプション施工3=エクスペル・ペイントプロテクションフィルム(リアバンパーハッチカップ=サービス)
オプション施工4=ガラスホイルコーティング(右ホイル2本×全面施工・新品)
外注施工=板金塗装(右フロントフェインダー・右ドア・右サイドロッカー等その他×交換・リアクオーターパネル再塗装・フレーム修正)
施工料金:19.440円税込(会員オプション割引-10% 適応・自費負担分)
保険賠償修理部分非公開
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