2014年08月31日公開|トヨタ
今年施工され会員様となられましたお客様よりご紹介いただきました、ご新規のお客様です!
体格的にはお仕事の内容に納得ですが、雰囲気的にはそぐわないかも?
然し、お仕事の時は感じが違うのかもしれません。
お車は懐かしいランドクルーザー70です!
然しこのお車今となっては絶版車となり、
このお車と同程度であれば新車価格を超えるプレミアが付いています。
この当時でもリジットアクスル・リーフスプリングはすでに古典的足回りでしたが、オプションでは前後デフロックまで用意され、
国産本格的オフローダーとしてはジープ以上のオフロード性能を持っていました!
搭載されたエンジンも、1HZ直列6気筒ディーゼル4.2Lエンジンですが、同時期にニッサンサファリに搭載されていたものと比べても、スペック的にはあまり変わりはありませんでしたが、実際走行してみると低速でのトルクでも、加速においても明らかに優れていました。
クルマの種類的にあまり重要ではありませんが、
最高速度においても10km/hは明らかに速かった!
この70が発売された当時、私も4駆に狂っており、友人がこの70ZX、私はサファリでよく開発が中止され放置されたゴルフ場にクロスカントリー遊びにいっておりましたが、
モーグル・マッドなどはコイルスプリングであるサファリに軍配が上がりましたが、
ヒルクライムなどではかないませんでした・・・
この当時70ZXにはオプションで電磁ロッキングハブと言われる、車内で操作可能のフロントハブロックがありましたが、これは結構恐怖もの・・・
ある一定の付加などが掛かると突如フロントハブの電磁ロックが外れてしまうことがあります。
ヒルクライムの際はこの現象が起きても登れないだけ!
然し、ヒルダウン時にこうなると、ほとんどジェットコースター状態、制御不能に陥ります・・・
一度前述の友人が約30度長さ200m位のヒルダウン中にこの現象が起き、上から見ていて私は“死ぬ”と思いましたが、運よく事なきを得ました。
しかし本人は相当怖かったのでしょう。
後日早速、WARNのマニュアルハブに交換していました・・・
最近のニュースとして、限定販売で70が国内販売が再開されていますが、残念なのはボデイ形状がプラド系であること・・・
このお車の様に丸目で、セパレートフェインダーのほうが良かったのに!
世間一般的には、
「トヨタやるねー」
的評価が高いようですが、確かにうれしい話ではありますが、
これ結構経営的な裏話のほうが再販された理由のようです。
この理由については、箝口令が引かれているようで表には出てきませんが、この理由聞くと、
「やっぱりトヨタだよね・・・」
と、イメージは急降下。
友人たちからも、
「買えよー」
とかなりプッシュを掛けられていますが、
私は買うならKG-HZJ76KのLXの中古車買います!
今までの鉄粉付着がひどい・・・
とかいう評価基準はこのお車は超越してしまっています。
白いボデイが、溶けた鉄粉の紫色で覆い尽くされます・・・
放置されていたのでしょうねー
これでは、1回の鉄粉クリーナー作業ではとても取り切れるレベルではありませんが、
繰り返し作業は塗装自体がかなり傷んでしまっていますので無理ですので、
本来であればトラップ粘土での追加作業となりますが、
クリーナー作業終了時点でまだ掌で擦るとザラザラ感が全体に残っていますので、トラップ粘土作業の追加分で30.000円くらいかかってしまいますが、本体作業以外にオプションや外注などの料金未確定なものもあり、これ以上の未確定追加料金は気が引けますので、かなり作業的にはリスクも負いますが、
ポリッシャーで強引に磨きながら鉄粉を絡め取っていきます。
リスク?
絡め取った鉄粉がバフに付着したまま回転させれば、
その鉄粉によりポリッシャー傷を入れる可能性が高くなります・・・
これが輸入車であれば絶対できない行為ですが、国産車であれば塗装が柔らかいためそれなりに鉄粉により傷を入れてしまっても段階的磨きの工程で、
無駄な研磨厚を出さずとも処理可能です!
いつもより相当神経は使いますがねー
放置車両+WAX等を過去に繰り返し施工を行われているため、パーツのリブ部分やエンブレム周辺パッキン付近などには黒ずみ汚れが堆積してしまっています・・・
これらはごみや埃を発から染み出るシリコンオイルやWAXかすなどが固形化させてしまい、黒く硬い汚れとなってしまいます。
こうなったまま、ボデイ本体をきれいにリフレッシュしても、
やつれ感はこのような部分から感じさせられてしまいます・・・
そのため今回はオプションである“黒ずみ汚れ落とし”をご依頼いただきました!
エンブレム等は1枚単位、パーツパッキン部分などは50cm単位での料金換算となります。
このお車の場合は、エンブレム4枚、50cm区画×11区画の施工です。
実際特殊ケミカルを使用して黒ずみ汚れを落としてみると、見た目以上に汚れが溶かされ出てきます・・・
然し、今回のお車は放置期間が長すぎ固着汚れが塗装に溶け込んでしまっている部分もあり、改善率は80%くらいが限界でした。
固形WAXを使用されていたことが、事態を悪化させていた大きな要因です・・・
固形・水性に拘わらず、WAXでのお手入れをされる場合は、必ずエンブレム・パーツ・パッキン周辺部分は、綿棒や爪楊枝などを使用して常にWAXかすを取り除くようにしなければ、いずれはこのお車の様に硬く固形化してしまった汚れとなってしまいます。
コーティング施工車両でも、付属のメインテナンス剤はポリマーですので、繰り返しの施工を行うとWAXのようにかすがたまりますので、
このような場合も同じように隅々まできちんとした拭き取りが必要ですので、ご注意ください。
ぶつかった相手方の塗料付着をして、凸部頂点にデント痕ができてしまっています・・・
デント処理もご依頼いただきましたが、残念ながらこの場所はデント棒の差し込みが困難で、無理にデント処理を行っても歪みが残る可能性が高いため、残念ながらあきらめました。
然し、付着した塗料は落し切ることができ、傷も通常磨きの範囲内で磨き取れました!
フェーエルリッドにも塗料付着がありましたが、ここはかなり頑固に附着しており、通常の磨きでは取り切れないため、#3.000のペーパーにより除去いたしました。
本来この作業は部分傷取り磨きの“スポット磨き”に該当いたしますが、
上記したデントが実行できませんでしたので、お詫びとしてサービス施工で行いました!
時には私でも仏心が垣間見える時もあるのですよー
傷すら目立たなくなるほど、塗装表面が劣化してしまい曇ってしまっています・・・
いうならばマッド塗装の様に?
このお車、ソリッドホワイトですのでこのような現象は顕著です・・・
但し、1コートではなくクリアーのある、
2コートですので白華現象による致命的なレベルには至っておりませんが、
1コートホワイトソリッドでしたら終わっていたことでしょう。
このようなソリッドカラーのお車で気を付けなければならないのが、板金塗装修理などを依頼された時。
まともな板金塗装工場であれば、本来2コートソリッドですのできちんと2コートで塗装いたしますが、中には悪徳業者の場合は混ぜクリアーという手法で1コートで塗装してしまうことも見受けられます・・・
この手法は、素人目には見ただけではなかなか判断は尽きません。
過去には、ディーラー施工車両ですらこの方法でごまかし修理を行っていたこともあります・・・
悪徳業者でなくとも、修理費用を極端に値切ったりすると、このような手法をとられることがありますので、お気を付け下さい。
というか、
値切り=手抜き
という事は、商売として行っている以上赤字になってまで請け負うことはあり得ませんので、悪意とは言えないでしょう!
逆に、値切りをする方が悪い・・・
今回は、全塗装も検討されての磨きでのリセットの決断とのことでしたので、ご予算は余裕がありますので、磨きのコースは“03スタンダード磨きコース”です!
正直この程度において、
「あまり予算がないので、○○万円で!」
と言われてしまった場合、お断りさせて頂いていたかもしれません・・・
というのは、せっかくお金を消費して施工したとしても、中途半端な内容では、
「お金使った割に大したことないね・・・」
となりかねませんので、
そうなってしまうとオーナー様にとっても施行者にとっても結果として嫌な思いをする事になりますからねー
→側は、磨き前ですが洗車を行っても縦に筋状にできた水染み汚れは全く取れません・・・
クリアーに固着している汚れというよりも、すでにクリアーと同化し始めてしまっています。
前記したように、鉄粉クリーナーでは鉄粉は完全に除去できておらず、かといってトラップ粘土除去もかなりの予算が必要となるため、本来はあまり好ましい方法ではありませんが、
ウールバフでの研磨と並行して残った鉄粉も除去しながら磨き上げます。
そのため、ウールバフに絡め取られた鉄粉がコンパウンドと同じ役目をしてしまうため、いつものウールバフ施工時よりも磨き傷が激しくはいってしまいます・・・
しかも、塗装が劣化してフレキシビリティーも失われてしまっているため、通常トヨタ車の淡色車に使用するコンパウンドも絡みが起きてしまい使い物になりません・・・
そのため、摩擦軽減剤を多く含み且つ摩擦熱の上がりにくい高価なコンパウンドを使用しますが、研磨後の拭き上げが重くいつもの磨きと比較すると、腕の疲れは2倍くらいでしょうか?
筋肉痛になってしまい、両腕共に湿布をしての作業です・・・
ロートルには堪える施工です。
ウールバフを含め、4段階の磨きを行っていきますが、普通はウールバフでの絡みがあってもトヨタの塗装ですとスポンジバフでのコンパウンドの絡みはないのですが、このお車はまだまだ絡みまくります・・・
つまり、クリアーの深い深度まで塗料の劣化が進んでいる証拠です。
もう一つの理由は、刺さっていた鉄粉が除去されたのち、
そこにピンホールが出来てしまっているので、そこにコンパウンドが入り込むためコンパウンドの絡みが生じます。
通常の磨きの2倍近い時間消費をしながらの、久々の苦労する磨きとなりましたが、何とか磨き上げることができました!
結局9μの研磨厚を経て作業終了となりましたが、塗装肌の状態は映り込みのボケが無くなるまでの改善はできました!
施工前は劣化したガードレールの様に艶を失っていましたが、当然本来の艶も取り戻すことができました。
中途半端な内容ではなく、
ある程度の予算の確保をオーナー様が快諾して頂けたおかげです!
然し心配なのは今後のオーナー様の使用状況と管理状態・・・
今まで放置され、ほとんど使用もされていなかったことが、施工前の状況を招いていましたので、今度同じことを繰り返せば、現時点ではリセットは表面的にはできていますが、
すでに塗装自体の劣化深度は深いですので、今回と同じ内容ではもう難しいでしょう。
20μくらいの劣化クリアーの除去を前提として、“04磨きコース”の必要が出てきてしまいます・・・
そうならないためには、やはり使用をすることが必要です。
鉄粉付着も防ぐためには、洗車も必要です!
乗らずに傷まないように保存するためには、
最低限空調管理された密閉可能な車庫環境が必要です。
TOYOTA トヨタ ランドクルーザー70(KG-HZJ76K) ZX
コーティング終了
お預かり期間が長かったために、その間多くの方がいらっしゃりこのお車を見られた方がいらっしゃいますが、施工前の状態を見られた方は、
「またポンコツ買ってきて、乗るの?」
「売るの?」
と聞かれ、誰しもがお客様からの施工依頼でお預かりしているものとはお思いにならなかったようです・・・
「何言ってるの、これから磨くの!」
と言っても、
「ここまでひどい状態で状況変わるの?」
と、施行を行うこと自体の意味を疑われます・・・
その中の数人の方は再度施工終了時に訪れましたが、
「変わるどころか新車かよー」
とか、
「結局全塗装したの?」
と、皆さん余りの変わり様にビックリです!
なのですが、意外だったのはオーナー様のご反応・・・
一緒においでだったご家族の奥様とお子様は、
「すごい!」
「こんなにきれいになった!」
と、大喜びでしたが、これを受けての旦那様の反応は、
「うん・・・」
程度です。
予想範囲内で感動が得られなかったのか?
仕上がり感にご不満がおありだったのか?
お帰りの際まで、反応は希薄でした・・・
精一杯の施工をしましたし、私から見ても仕上がりはパーフェクトと感じていただけに・・・
今回使用のコーティング剤は、
“ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ”ですが、1パネルごとに仕上げていく施工方法ですので、施工中には未施工部分と施工完成部分との比較ができますが、大幅に艶感変化が見て取れます!
ソリッドホワイトは濃色車よりも意匠性変化が顕著のようです。
これはこのお車だからこそ!
と、いう部分もあります。
研磨を行ったといっても、すでに白の有色部分に紫外線による白華現象が起きていますので、曇りを生じています・・・
それはクリアーにも言えることです。
通常はこのコーティングの場合、高純度の為光の透過率が高く、
そのためクリアーを厚塗りしたような深みのある艶感となりますが、
上記したようにクリアーのほうが劣化により透過率が落ちているため、
コーティングとクリアーの境目で反射光沢を作り出しているようです。
そのためご紹介者の方が施工させたコーティングとはだいぶ意匠性感には違いがありますので、オーナー様のご反応の鈍さはそのためだったのかもしれません?
ただ、私個人の見解としては、このように平面的かつプレスラインの多い車の場合、このコーティングによる艶感はベストマッチだと思うんですけどねー
やはり、個人の感覚の評価の把握は難しい・・・
このハードルのクリアーは、施工レベルの向上よりも難易度は高そうです。
この度は遠方より再三お越しいただきましてありがとうございました。
今後は放置ではなく、なるべくお乗り頂き、鉄粉の付着防止のため、時々スプレー洗車を行ってください。
ご面倒ですが、コーティング不安定期間の1か月間は特に注意をしていただき、ちょっとこまめにお願いいたします。
久々に大好きなヘビービューティー4駆の70に接することができ、たいへん楽しむことができました。
これからも大事に長くお乗りください。
会員クラス:準会員登録
車両クラス:クラスX
施工コース:
コーティングコース=ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティング
磨きコース=03スタンダード磨きコース(傷みの激しい使用過程車向け・ハードな傷取り鏡面磨き)
オプション施工=黒ずみ汚れ落とし(エンブレム4枚+11区画)
外注施工=右オーバーフェインダー(交換・塗装)
施工料金:243.968円税込(ご紹介割引-10%・代車使用無し割引-5%・ソリッド塗装割増磨き+10% 適応)
メーカー別
月別バックナンバー