2014年09月12日公開|アウディ
会員様ではあられませんが、既存のお客様で今回ご自身の会社建屋の塗装工事にて、駐車車両が塗料飛散の損害を受けられてしまい、その修復のためにご入庫いただきました・・・
このお車は社長様のお車ですが、この後専務様のお車も同じ理由にてご入庫御予約頂いております。
今までこのような建築塗料飛散のお車は見たことはありますが、今回は半端ないレベルです・・・
本来は作業時に付近車両に対して、保護カバーをかけるのですが、
今回はその措置を取らなかったためらしいです。
保険会社から以前聞いたことがありますが、
酷い時には数キロ先まで塗料飛散をして賠償対象車両が数百台にも上り、
損害額は数億円にも及んだという事があったそうです・・・
まずこのお車を保険会社損害査定アジャスターと確認してビックリしたのは、
塗装が溶けているパネルが数パネルあります・・・
しかも、ヘッドライトカバーやホイルのクリアーまで溶けています!
飛散は四方全部に及び、モール類など外装パーツすべてに附着を起こしています。
これらはある程度は磨きの処理でも除去は可能ですが、今回はオーナー様が、
「大体ではだめ、磨きで100%に達しない部分はすべて新品交換をしてほしい!」
との意向で、再塗装・パーツ交換・弊社作業・同等代車などを合計すると、300万位かかりそう・・・
さあ保険会社これほどの高額補修認めるのか?
と思いきや、あっさり認めました!
「ウインドウガラスとボデイ以外の塗料付着パーツは全交換で構いません、高額になるのはしょうがないですが、車両自体が高額車両ですので仕方いことでしょう!」
対応保険会社は、三井住友海上火災ですが、今回も大判ふるまいです!
これがほかの損保でしたら、絶対このような内容では認めないでしょうね・・・
根本的に賠償に対してのスタンスが違いますから。
弊社の経験からすると、賠償に対して誠意的な保険会社は、
逆に出し渋るのは、
です。
過去は東京海上日動火災保険がワースト1でした、出し渋りによる評判低下で改善されましたが、ここにきて保険料金を損保の中では一番安くしてきているので、
それに伴い査定内容は厳しくなり昔に戻るのでは?
と、保険業界内ではささやかれているそうです・・・
では、今話題のネットタイプはどうか?
というと、少額賠償に関してはかなり甘い査定ですが、高額な賠償はかなり厳しく、揉め事が長期化しそうになるとすぐに裁判に持ち込む確率が高くなるそうです・・・
広告などでは、修理の際にパイロットガレージがあり、場合によっては修理個所永久保証などとも言っておりますが、これが逆に大きな落とし穴でもあります。
このパイロットガレージは、保険会社が修理費用を安く抑えるためにあるシステムであり、修理車輛をより完全な修復をすることを目的とはしていません・・・
修理工場に対して、仕事量を確保する見返りに単価を極端に値切っているのです。
そうされてまで仕事が欲しいという事は、その工場暇という事になります。
なぜ暇?
と考えた場合、下手だから・・・
と、なるでしょう。
それで永久保証はリスクでしょう?
と考えるでしょうが、これトリックなんですよー
修理した車その後も同じオーナーで何年乗るでしょうか?
この段階でリスクは数分の一に。
更に不具合に気付かれるオーナー様はどれだけいるのか?
これでさらに数分の一に。
気付いたとしても、クレームをすべての方が申し立てるわけではありません!
つまりほとんどいないことになります・・・
西友で、生鮮食品のクレームの全額返金を行っていますが、友人で店長がいて聞いてみましたが、
「1か月間で1人しかいなかったので、この全額返金システム自体での会社リスクは無いと同じ。」
と、言っておりました。
意外と、言えない、言わないのが事実らしい!
ボーズのサウンドシステムが付いていますが、
20年前でしたらすごい!
と思えましたが、今では国産車でさえ採用されてきていますのでボーズ程度では感激しなくなってきてしまいました・・・
ある評価によると、
アウディの、
サウンドシステムの音作りの評価は同格車種で比較すると低いようです・・・
音質等は好みの問題ですので、良し悪しの評価は難しいでしょうが、
音質が乾いていて疲れやすいとのこと?
この傾向はドイツ車すべてに共通する気がします。
ウォルナッドダークブラウンのウッドトリムですが、これ良いですねー
マッド調のこの艶感を無くしていることにより渋い高級家具のような雰囲気がして、安心感に包まれます!
大人の内装という感じ。
今までアウディの内装のイメージは、
BMWほどではないものの味気なさや温もり感の欠如を感じ好みではありませんでしたが、このような雰囲気は良いですねー
恐らくメーカーでのオーナー対象の狙いどころは、
ベンツのEやBMW5などのユーザー層よりも上を対象としているのでしょう?
現行Eベンツとは違い、オールレザーのシートですが車両価格はこちらの方がかなり安いとは思えない仕上がりです!
今までアウディは価格の割に内装がしょぼいという印象がありましたが、なんかベンツと逆転したような?
但し、このシート形状は嫌・・・
座布団というか、座椅子のごとき雰囲気。
座り心地は悪くないのですが、ホールド感は皆無ですし、デザインに高級感を感じさせられません。
レクサスみたい・・・
これらレンズ類も付着ミストは磨きで処理可能ですので、ミディアムポリッシュで除去いたします!
但し、ヘッドライト片側は、
なんと素材であるポリカーボネイトまで飛散塗料が溶かしてしまっていたために、磨きでかなり復活はいたしましたが、100%には到達しませんでしたので交換いたしました。
再塗装パネルには純正のプロテクションフィルムが貼られていましたので、今回はアウディ純正のフィルムを貼り込みましたが、弊社が使用しているエクスペルやルーマーなどとは違い2~3倍ほどの厚みがあります!
このような単純な面ですので貼り込めますが、
強い曲面にはフレキシビリティにかけるため貼り込めないでしょう・・・
厚みがある分飛び石による破れ等は起きにくいでしょうが、
素材的に紫外線劣化による黄ばみは起きやすそうです。
基本的に外装パーツは交換と言いましたが、
このようなBピラーの練プラ部分は認められません・・・
というのは、磨きとることが可能なためです!
但し、→写真のように傷は残っておりますが、
これを理由に交換の必要を迫ることはできません。
理由は、傷は塗料付着とは関係なく、使用過程においてオーナー様が付けられたものなので、賠償対象とはなりません!
もっとも、交換したとしてもこのような練プラパーツは新品から傷はありますからねー
「新品で傷はあり得ないだろー」
とクレーム入れるのは自由ですが、無理なことは無理ですから、
ただのクレーマーとしか評価されないので妥協も必要です!
仮に無傷なものがあったとしても、1回洗車を行えば必ず傷入ります。
車は床の間の置物ではありませんから、ある程度の妥協は必要ですし、
寛容性を持たないとカーライフ自体が苦痛に変わりますからねー
異常なこだわりは、周囲から冷ややかな目で見られるだけですし、車関係者からは、
「あいつには来てほしくない・・・」
と思われ、忌み嫌われるだけの存在になってしまいます・・・
今回の磨きの作業は、まず附着した塗料を除去することから始まります。
板金塗装工場・ディーラー・コーティング施工店など多くの店舗でのやり方は、
トラップ粘土を使用しての除去となりますが、弊社では行いません!
理由は、傷入れまくるから・・・
では弊社の方法はというと、ポリッシャーです!
つまり磨いて取ります。
其れだと傷入らないの?
となりますが、はっきり言えば入ります・・・
然し、トラップ粘土ほどではありません!
トラップ粘土の場合、
絡め取った塗料を抱き込みながら粘土に溜め込んでいってしまいますが、ポリッシャーの場合はシングルポリッシャーを使用することで、
かなりの磨きとった塗料は遠心力でバフから吐き出されていきます!
このとき使用するスポンジバフの表面は密度が非常に粗く、吐き出せない塗料かすはバフの凹面に入り込みます。
この状態でポリッシングし続けますと当然傷入れが激しくなりますが、一定回数のバフリングもしくは傷入れの状態を確認しながら、バフをバフウオッシャーにて水洗いを行いながら除去をしていきますので、ほんの微量の浅い傷しか入りません!
この様に附着塗装ミストを取り除いた後に、本来の磨きの作業となります。
基本的には、保険賠償で行う磨きは“01スタンダード磨きコース”となります!
但し、弊社にて過去施工いただいているお車の場合は、その際行っている磨きのコースにて行います。
たとえば05パーフェクト磨きコースであれば同じコースにて行います。
今回は磨き前膜厚は145μありますが、現在施工されているコーティングはお客様が販売されている建築用クリスタルガラスコーティングでかなりの厚膜コーティングですので、
このコーティングを含めた膜厚を除去しなければなりませんので、結構な膜厚を磨く必要があります・・・
今回再塗装パネルが5パネルもありましたので、それに隣接するパネルは肌感や傷などを違和感なくしなければならず、
グラデーションさせる磨きが必要ですが、再塗装が非常にきれいにできていたことと、
既存パネルの状態も、
オーナー様の管理が行き届いており傷も少なかったので、
思いの外簡単でした!
但し、
施工されてあったコーティングが厚膜且つ9H硬度ですので、
これを除去する方が手こずりました・・・
本来、04磨きコース途中で使用するコンパウンドの強い研磨力が必要となりましたが、このレベルのコンパウンドはまず01磨きコースで使用することはありません。
コンパウンドの研磨剤で入れてしまう傷の処理に大事となってしまい、
“ミラ取りがミイラ”になってしまうからです・・・
しかしこれも使いようで、既存コーティングを除去できるぎりぎりラインで磨くことでリスクを低減させます。
更には、このお車だからこそ低リスク!
と、言えることもあります。
というのは、欧州車→ドイツ車→アウディは、塗装硬度が非常に硬いため、
傷が入りにくい!
=傷を入れてしまうと磨き取りが大変・・・
というリスクもありますが、こうならないように磨くのがプロというものでしょう!
やはり研磨膜厚は、既存コーティング除去を含め8μにも及びました。
AUDI アウディ A6 3.2クワトロ コーティング終了
このお車新車購入時ディーラーにて施工がなされ、さらにはオーナー様が販売されている建築用クリスタルガラスコーティングで再施工されていますので、
本来であれば弊社の“他店施工車両はお断り”に該当いたしますが、
既存のお客様ですので快くお引き受けいたしました!
ご依頼当初は、施行してあった建築用クリスタルガラスコーティングの再施工を望まれましたが、弊社最高ランク“グラスコート・アルティメット”との検討の結果、グラスコート・アルテメットとなりました!
理由は定かではありませんが・・・
他社コーティング剤を施工してある場合、弊社コーティングとの同等選択は非常に難しい検討事案です。
何をもって同等とみなすのか?
施工価格では基準とはなりえませんので、
コーティング剤自体の原価のほうが比較には適切でしょう。
後は耐久性能でしょう。
今回の場合でいえば、
原価的には建築用クリスタルガラスコーティングのほうが約2倍高い原価ですが、これは販路が特殊な形態をとっているため私の印象からすると、
実質商品価値からするとかなり割高なものと思います・・・
確かに建築用のものですので、耐久性能や機能性は優れているでしょうが、車のコーティング剤の場合それは1番に重要視されるべき要因ではありません。
1番はやはり意匠性でしょう!
この点に関しては、今回お選びいただきましたグラスコート・アルティメットとの比較では段違い!
実際お引き取りに見えられたオーナー様も、以前との意匠性の違いにビックリなされておいででした。
「新車よりもきれいじゃないですかー」
「ショーカーも相当台数みてきたけれど、それと比較しても段違いの艶だね!」
「根本的に磨きのレベルの高さが、肌感のなめらかさからはっきりわかるよ。」
と、最近では最高の賛辞を頂くことができました!
こちらのオーナー様かなり年配の方ではありますが、逆にそれだけの年数車好きとして多くの高級車にも乗られ、且つ多くの施工店での施工経験もおありの方からこのように評価いただけることはうれしい限りです。
すでに現時点で新型NSXをご予約されていらっしゃるそうですが、今回の仕上がりをご覧になられて、弊社での施工を決められたそうです!
こりゃー楽しみができました。
この度は1か月半にも及ぶ長期のお預かりとなり、大変お待たせいたしてしまい申し訳ございませんでした。
しかもお預かり以前に事故発生より3か月もお待ちいただき、弊社にご依頼いただいたことは感謝に堪えません。
お仕事もここにきて一気に形勢逆転なされたそうで、今後が楽しみですね。
そのご褒美のNSX最高の施工をさせて頂きます。
この度はありがとうございました。
車両クラス:クラスL
施工コース:
コーティングコース=グラスコート・アルティメット ガラスコーティング
磨きコース=01スタンダード磨きコース(保険賠償用磨き)
オプション施工1=塗料ミスト除去磨き
オプション施工2=ヘッドライトカバー磨き(ミディアムポリッシュ×片目)
オプション施工3=テールレンズ磨き(ミディアムポリッシュ)
オプション施工4=ウインドウガラスミスト除去磨き(ミディアムポリッシュ)
外注施工=5パネル再塗装(フロントバンパー・グリル類交換)・リアサイドフィクスガラス交換(ウインドウフィルム貼り込み)・ドアミラー交換・ドアハンドル交換・ホイル交換(1本)・外部モール類全交換・ヘッドライト交換(片目)
施工料金:保険賠償の為非公開
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