2014年10月31日公開|メルセデスベンツ
私が大好きな車W124のステーションワゴンですが、ご新規のお客様です!
流石に最近では個体数もめっきり減ってきてしまったため、
探しに探してわざわざ佐賀県よりご購入されたそうです、
しかも価格をお聞きするとかなりの激安。
たまたま板金修理のご依頼でご入庫いただいたW124もあり、なんと同時に3台ものW124が並ぶことができるとは。
まるでオフ会のようです!
今回施行のお車は、
車体色も私の所有車両と同じミッドナイトブルーですが、このモデルの後から黒はオブシディアンブラックという色に変更となりましたが、個人的好みからすると今までのベンツの黒の塗装色の中では、
このミッドナイトブルーが一番ベンツらしさがある色だと思います。
というのは、メタリックがあまり前面に出ずキラキラ感がなく逆に渋みを帯びた雰囲気を創り出し、ベンツ独特のどっしり感をさらに後押ししてくれている感じです。
この時代のステーションワゴンがその後のステーションワゴン人気を作り出したと言えるでしょうが、それがこのベンツのW124とボルボの240と740でしょう!
他社でも結構いろいろな車種ではありましたが、
すべての面において上記した3車種には遠く及ばないものでした。
その中でもやはりW124は、突出した存在と言えたでしょうが、価格もボルボ740の2倍近い高価格でしたので、
富裕層の中でもかなり先進的おしゃれ感の強い方が乗られていた印象があります!
ステーションワゴンとしての実用性面ではボルボのほうが上だったのですが、動力性能的な比較においては全くくらべものにはなりえない高性能なアドバンテージをベンツは有しておりました。
というのも、当時740のエンジンは4気筒の2.3Lが標準エンジンでハイグレードモデルでもこれにロープレッシャーターボを付けたものでしたが、ベンツでは最下級モデルでは2.2~2.3Lの4気筒もありましたが主体は2.8~3.2Lの6気筒、トップグレードではV8の5Lですし、ステーションワゴンにはレベライザー付きのリアサスだったため、当時のステーションワゴンにありがちなトラック的乗り心地もなく、乗用車と変わらない乗り心地と操縦性も兼ね備えておりました。
ただしこれ壊れるとかなり厄介な代物ですけどねー
個人的見解からすれば、このW124という車、
実用車としてのベンツとして過去未来含めこれを超える車は存在しえないでしょう!
と感じてしまうため、私のW124はすでに25万キロ走行し、エンジンのミッションも現在壊れていますが手放せない・・・
内装はパッと見ではかなりきれいなお車ですが、
「念のため”車内丸洗いクリーニング”をやってください!」
とのことです。
これと言って染みがるとか、汚れが目立つとか、匂いがするとかではないので、なんとなくもったいないような気もしてしまいますが、
いざ実行してみるとこの通りかなり汚れは出てきます・・・
実際20年の歳月が流れていますから、20年分の汚れはいくら綺麗と言ってもありますね。
これを見てしまうと感じるのは、
御自身が使用過程でこのような汚れが蓄積しているのは気にしなければスルー出来るでしょうが、今回の様に中古車購入での場合は気分的になんかいやな気持、
見えなくとも汚れが気持ち悪いと感じるのはありますねー
どのような方が使用していて、どのように使われ、且つ掃除がなされていたかは全く想像がつきませんから、そのまま使うのは確かの気分的にあまりスッキリはしません。
中古車購入の際は、ここまでのクリーニングは行わないにしても、
ファブリックなどの部分位はお湯拭きくらいはしたほうが良いでしょう!
このお車佐賀県の車屋さんで購入されたそうですが、購入の際わざわざ現地まで車両確認に行かれたそうで、その際↓のパネルに凹み等があって為そこを直してほしいとのオーダーを出したところ、
「安くしておきますから、どうせなら全面塗装をしましょう!」
と提案をされて、30万円という安さにもつられ全面塗装の依頼をされたそうです!
が・・・
これが大きな間違い?
というのは、↑の膜厚計の示す数値これは再塗装を行った場合の普通に示される膜厚ですが、全面塗装のはずなのにこのような数値が出るのは、
事前に確認していた凹み(傷み)があったパネルのみなのです?
つまり、全面塗装代として30万円を受け取っていながら、
実は3パネルしか塗装していない・・・
しかもそのパネルに関しても、1枚丸ごと塗装しているわけではなく、○の部分位でクリアーぼかしで処理してあります・・・
しかも、
パーツさえ外されずにパーツ際でマスキング処理で塗装してあります・・・
これでは洗車の際、ちょっと強めに高圧スプレーが当たれば、
ペリペリと塗装が剥がれてくるのは時間の問題でしょう。
これ手抜きというレベルは超えた、完全な詐欺です・・・
ルーフに至っては、
数百個にも及ぶイオンデポジットクレーターが存在していますが、全面塗装を行っているならば、なぜにこのようなものが残っているのか?
このような状態をオーナー様にお伝えしたところ、
「購入した店に聞いてみる。」
とのことで、その答えをお聞きしてみると、
「知らぬ存ぜぬで、絶対全塗装はしたと言い張ります・・・」
物理的証拠である膜厚計のことも切り出したそうですが、
「厚い部分はパテを入れたところで、薄い部分が再塗装のみされた膜厚です!」
と、答えたそうです・・・
基本的に再塗装は既存の塗装に足付けという磨きを入れ、有色・クリアーと塗料を塗装しますので、再塗装部分は既存塗装厚の2倍ほどの膜厚になります。
この当時のベンツの塗装は150μ以上はありますので、最低でも再塗装をされている所は250μはあるはずです。
つまり、100μ台の膜厚では再塗装は無理・・・
しかしこれだけの物理的証拠や、視覚的に確認でるることを突き付けても一切白を切る続ける根性は、並大抵の悪徳業者ではないでしょう。
恐らくは常習犯・・・
このお車、全塗装をされていないことをごまかすために全面に磨きがかけられていましたが、再塗装を行ってある部分の磨きは特に酷い・・・
どうやればここまで傷がつけられ、しかも深い傷が入れられるのか?
しかもリアハッチに至っては、全面的にペーパー傷が残っています・・・
↓→の写真がそれです。
これではとても02磨きコースでは太刀打ちできませんので、
この3パネルだけは“03スタンダード磨きコース”からのスタートとなります・・・
というか、再塗装済みの部分は弊社では基本的には01スタンダード磨きコースなのですが、この落差はなんなのでしょうか?
かなり苦労しましたが、何とか見れるだけの状態にはリセットできました!
今日日このようなレベルでの再塗装仕上げを行う板金塗装工場が存在していることは、ある意味驚き・・・
ですが、実際にはこのようなレベルの板金塗装工場や中古車販売店はたくさん存在しているのかも?
と考えると、知らない工場やお店、ましてや遠方となると避けるべきでしょうねー
最近はネットを見て遠方でも個人で買われて来たり、個人売買なども頻繁に行われているようですが、特に市場価格よりも安いような場合には、
「何か裏があるんでは?」
と、疑ってかかったほうが無難でしょう!
というより、知っているきちんとした業者から多少高くても買うべきです。
但し、このような場合でも、オークションで探してもらうのは止めたほうが良いですよ!
オークションに出品される段階で、店売りでは売れない理由がある確率はかなり高いそうですので・・・
再塗装されていない既存パネルも、磨き傷は凄いことになっています・・・
全パネルに、ここまで満遍なくポリッシャー傷を入れまくれる神経が分りません?
正直この傷のレベルでは、再塗装パネルと同じように03磨きコースの必要がありますが、予算の関係上“02スタンダード磨きコース”で挑戦することとなりましたが、正直かなり気が重い・・・
再塗装がなされたパネルの色は、明らかに既存パネルと違っています・・・
やけに明るい感じがしますが、再塗装されていないはずの既存パネルですら、
本来のミッドナイトブルーとは色目が違って見えます・・・
オブシディアンブラックのような明るさなのが?
相当苦労はしましたが、何とか此処も見れるレベルにまではリセットできたような?
あくまで03磨きコースが必要な部分に対して、02磨きコースでの対処ですので納得のいかない部分は私的のもありますが、本来の基準研磨量を1μオーバーする7μを磨き上げました!
これ、磨きなれているメルセデスベンツの塗装だからこそできたことかもしれません?
私の嫌い?
苦手?
の、フォルクスワーゲンの塗装ではこうはいかなかったかも・・・
当初から、ミッドナイトブルーにしては色が変?
と感じていたことも、磨き上げてみると解消しました!
磨きで色が変わることは、1コートではないので有りえませんが、
原因はくまなく入っていた深いポリッシャー傷のせいでした・・・
傷の乱反射による光の拡散効果で、明るい色目に感じていたのです。
ほとんどの傷が処理され、乱反射が抑えられて見ると、
本来のミッドナイトブルーの深みのある渋い黒へ戻りました!
私の、W124のミッドナイトブルーと並べてみても同じ色目です。
Mercedes-Benz メルセデスベンツ Eクラス 320TE
(W124) コーティング終了
フロントグリルがないのは、グリル交換の為オーナー様が外されているからです。
が、その外されていたグリルもパーツとしてコーティングはしてあります。
磨いていて気がついたのは、アンダーパネルのシルバーの部分ここはやけにきれいなのですが、艶は全くなく、手で触ってみてもザラザラです・・・
どうやらこの部分は全周塗装されているようですが、
クリアーは吹きっぱなしで肌調整などは一切されていないために、艶がなかったようです。
磨き上げてみると、ちゃんと艶が出ましたから!
お預かりの施工期間中に、どうしてもこの状態が納得できない・・・
というか、白を切り通す業者に納得がいかなかったために、長野県警と佐賀県警に事情を話し、
「これ詐欺で捕まえられないの?」
と、問い合わせをしてみたところ、長野県警は詐欺立件は無理・・・
然し、佐賀県警は、
「今の段階では詐欺と言い切れないまでも、詐欺にはならないとも言い切れません。」
「長野県警が被害届を受理してくれれば、佐賀県警としては捜査します!」
と、大分警察にも温度差があります・・・
これ私が勝手に思ったことですが、長野県警はTELに出た刑事の主観であり、
多分面倒くさいなのでしょう・・・
対して佐賀県警は、加害者が地元でありますし、被害者が地元に多くいる可能性もありますので、対岸の火事という受け止め方ではないのでしょう!
長野県警この問題何とかしろよー
このようなことも、オーナー様にお伝えしましたが、正直もう面倒くさいの方が先に立たれているようでしたが、
「放置すれば同じようなことが繰りかけされるでしょうし、ただ諦められるのもどうかと?」
と伝えしたところ、
「警察にも相談しているぞ、と釘を刺しておきますか!」
と、なりました。
こういう不景気な時代だからこそ、このような悪徳業者がはびこりますから、皆さんご注意ください!
この度はご依頼いただきまして、ありがとうございました。
しかも、奥様のベンツの施工のお話まで頂きありがたい限りです。
ダックさんには、お見積もり急ぐようにとは伝えておきました。
塗装の件で何かご協力できることがございましたら、お気軽にお声掛けください。
会員クラス:準会員登録
車両クラス:クラスL
施工コース:
コーティングコース=G’ZOXハイドロフィニッシュ ガラスコーティング
磨きコース=03スタンダード磨きコース(左フロントフェインダー+左リアクォーター+リアハッチ×ダメージの深い使用過程車向け・傷取り鏡面磨き)
=02スタンダード磨きコース(↑以外のパネル×程度良好使用過程車向け・軽度の傷取り鏡面磨き)
オプション施工=車内丸洗いクリーニング
施工料金:203.062円税込(代車使用無し割引-5%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増磨きランク1+20% 適応)
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