2014年11月23日公開|日産
関東よりわざわざお越しいただきました、ご新規のお客様です!
久々のR35GT-Rですが、またしてもブラックエディション・・・
ほとんどの磨き屋さんが敬遠する、スクラッチシールドの黒・・・
スクラッチシールドの場合は、新車もしくは使用過程車であっても、
下手な磨きが入れられていない限りは傷があったとしても、
さほど磨きがさほど大変という訳ではありませんが、
これが適当な磨きでダメージを入れられてしまっているお車ですと、かなり厄介です。
下手をすると04磨きコースもしくは05磨きコースが必要になってしまう可能性があります・・・
さてこのお車はどうでしょうか?
このお車昨年モデルを未登録展示車として使用されていたものをご購入されたそうです。
購入のきっかけは、GT-R生みの親である水野氏のお話を聞く機会があられたことだそうですが、しっかりGT-Rの虜になられてしまったようです!
「GT-Rは車であって、私には車以上の存在となっています!」
と、仰っていたくらいですから。
丁度ご入庫いただいている期間内に、ディスカバリーチャンネルでGT-Rの番組を放映していたので見てみました。
ただし、この中で非常に私にとってはうーん?
と、思わせる言葉がニッサン関係者水野氏を含め多く発言されていました。
その言葉は、“スーパーカー”?
ここで疑問なのは、スーパーカーというカテゴリーの定義ですが、これに関してははっきりした枠組みがある訳ではなく、あくまでイメージ的なもので、個々の印象で決まるものでしかありません。
然し、日産はメーカーの立場としてGT-Rを自らスーパーカーと言い放ってしまう事には、正直疑問を感じてしまいます。
というのは、
世界的認知においてフェラーリやランボルギーニなどは明らかにスーパーカーカテゴリーであるにも拘らず、メーカーサイドからはスーパーカーというアナウンスは無く、あくまでジャーナリストや一般人がそう呼んでいるだけです。
丁度、GT-Rの番組の前がケーニググゼを放映していましたが、
やはりこの中ではメーカーサイドからは自社の車をスーパーカーとは呼んでいませんでした!
あくまで世界最高のスポーツカーを目指すと言ったようなものでした。
私にとってのスーパーカーとは、当然高次元での走行性能を備えていることは基本中の基本ですが、それもひりひりするような危険を含んだ感じ、それ以外には少量生産・
美しいデザイン・内装材の高価なマテリアル・崇高さを感じさせるエンブレム・メーカーもしくはその車両のヒストリー(時価軸の長さは関係ありません)の、
すべてが満たされて初めてスーパーカーと感じます!
そういった見方で見ると、私がスーパーカーとして認知できるメーカーとしては、
ブガッティ・パガーニ・ケーニググゼ・マクラーレン・ノーブル・フェラーリ・ランボルギーニくらいでしょうか?
ポルシェ・ジャガー・アストンマーティン・マセラティ・ロータス・AMG・M・クワトロなどは、一般的市販車のレベルでは、私にとってはスーパーカーとはなりえません・・・
とはいえ、一部の限定モデルにはスーパーカーと言えるものも存在はしますが、ほんの一部車種です。
この様に、他の人にとってはスーパーカーと感じる車が私にとってはスーパーカーでは無かったり、他の人からするとスーパーカーだと思えない車がスーパーカーであったりと、個々の基準はまちまちですので、
本来存在しないジャンルをメーカーが公言してしまうのには疑問を感じます・・・
ですが、決してGT-Rという車を低評価しているわけではなく、
部分的に見れば世界一という部分がたくさんあることも事実です!
まずは、走行性能と価格のバランス。
0-100km/h2.8秒という加速力は、3.000万のフェラーリより早い!
それが1.000万円で普通に買えてしまう、しかも手に届くまでの待ち時間はこの手の車の数分の1で。
ただ、私が考えるスーパーカーという定義の車たちと比較した場合、
デザインはお世辞にも美しいとは言えません・・・
はっきり言ってしまえば無骨。
然し、この無骨さも、比較する対照をAMG・M・クワトロ・ポルシェなどのGTカー・ツーリングカーの高性能車と比較した場合は、決して引けを取るものではないでしょう!
どころか、走行性能に関してはこれらの車ではGT-Rの足元にも及ばないのですから。
しかもGT-Rよりも圧倒的に高価格でありながら・・・
私の認識では、GT-Rは国内の富裕層にもアメリカを除く海外でも人気は性能や価格に反してあまり人気が無い様な気がします・・・
その一つの理由が、メーカーが公言してしまっているスーパーカーではないかと?
富裕層にとって、1.000万円で買えるスーパーカーに魅力は無いでしょう・・・
然し、2.000万円近くするM6等どちらが高性能なGTカーという比較であれば、
選択肢としての余地は出てくると思います!
私が考えるに、ここに売り方のアナウンスの間違いがあると感じるのですが?
つまり、スーパーカーというのではなく、最高性能のGTカー・ツーリングカーという分には、
「確かに!」
と、納得できますし、ネーミングによる拒絶反応も起きないでしょう。
V6ツインターボ3.8Lで550pというのはポルシェ991ターボSとほぼ同等スペックですが、同じ4輪駆動でありながら0-100km/hで0.3秒早いという事は凄い!
の、一言に尽きます。
クリーンルームで1名が1台をエンジンを組み上げるというのは、AMGと同じでしかもネームプレートがエンジンに張られるところも一緒です。
レイズ製のこの20inホイル、個人的にはシンプルなデザインでありながら、
剛性感も感じさせてくれて好きです!
但し、標準タイヤがランフラットという選択肢のない設定自体は、制服の押しつけのようで私は拒否反応が出てしまいますが・・・
ただしこのこだわりが、高性能を維持するための要因の一つでしょうから難しいところではありますが?
ブレーキキャリパーもフロント390mmという20inホイルでもギリギリという大径キャリパーですし、ブレンボ性の6ポッドキャリパーも備わり、絶大なストッピングパワーを生み出します。
但し、タイヤ・キャリパー・パッドなどの足回り消耗品のランニングコストは、
フェラーリ以上のコストがかかりますから、この車を買うことができる資力の方は多くいるでしょうが、維持できる方はごく少数に限られるでしょう・・・
そういう意味ではスーパーカーなのかもしれません?
4点式シートベルトが装着可能になっている標準レカロシートですが、
その割にはホールド感はあまりタイトではありません・・・
意外と乗用車的です。
悲しいのはシート素材・・・
フルレザーではなく合皮とのコンビシートですが、コスト面で考えると致し方ない選択なのでしょうが、個人的にはどうせコストダウンでフルレザーが無理なら、
アルカンターラとのコンビシートのほうがスポーツカーらしいような?
かなり重厚なしっかりしたフロアマットを採用していますが、これすごく重い・・・
意外とスーパーカーと言われるモデルは、
フロアマットはチープですが、GT-Rは豪華です!
ただこれを見ても感じてしまうのは、GTカー的では?
足の乗る部分にはカーボンシートが組み込まれていますが、これも必要ななのか?
スポーツカーらしさの演出の一部なのでしょうが、
このコストの無駄な掛け方が日本メーカー的と感じてしまいます・・・
ナビ画面が切り替えにより色々な走行時の車の状態のインフォメーションモニターになります。
アナログ式メーターでは到底無理なだけの情報を表示できますが、すごい事ではありますが必要性があるのか?
というと、情報内容的にはレースでのピットクルーに必要なレベルの情報ですから、
とても走行状態でのドライバーに必要な情報ではないでしょう・・・
しかし驚いたのは、→画面がそうですが各輪のブレーキ力までモニターできる!
然し、モニターされるだけですので、これにコントローラーが組み合わされていればまさにレーシングカーなのですが・・・
このシステム、TVによると、グランツーリスモを製作している会社が開発したらしいですが、革新的ですごいシステムですが、装備てんこ盛りだ好きな日本人的装備であり、世界戦略車としての位置づけとしては完全に不要でしょう・・・
私のようなアナログ人間には、
このメーターだけで十分!
大径のタコメーターが中央に配され、
且つ一番おいしいであろう回転域が真上に来るように設定されているのは、
攻めた走りをしている際には非常に有用でしょう。
しかも、ギアポジションモニターがタコメーター右上に配置されているのも、走りを極めた方ならわかるでしょうが、
回転数確認とギアポジション確認を同じ視線で可能とした、
心憎い絶妙なレイアウトです!
国産車にしては、
非常に無駄が省かれた整然としたスイッチパネルですが、国産車の常としてデザイン性に乏しいのが残念・・・
確かにカーボントリムなどは使用されていますが、
スイッチ類のデザインや素材感が付いて行っていないため、カーボントリムが生きてきていません。
やはり国産車は、欧州的というよりアメ車的になりやすい・・・
フェラーリよりもコルベットに近いでしょう?
このセンスが改善されれば、
もう一寸欧州でも一流メーカーに対抗できるようになるでしょうに。
これなんだか判ります?
トランクリッド内側に装備されている、トランクを閉める際に引っ張るトリガー(引き紐)ですが、
とにかく小さい・・・
トランクダンパーがかなり強力ですので、この小さなトリガーでトランクを閉めるにはかなりの力が必要です。
かなり使い辛い・・・
まず女性の握力と腕力では無理です。
結果、トランクパネルを手で触りながら閉めるようになりますから、
トランク背面パネルに傷を入れやすい。
事実このお車も、かなり深い傷が何本も入ってしまっておりました・・・
というか、オーナー様このトリガーの存在に気付かれていなかったほど、存在が目立ちません。
良い様な、悪い様な?
このお車も、“スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティング”のご依頼を頂きました!
フリント基本セットとリアガラスを追加でのご依頼ですが、
フロント周りは水染みもなくきれいでしたが、リアガラスは傾斜角度もゆるくスモークですのでかなり水染みの付着は激しい・・・
恐らくフロント周りのウインドウは、販売時に水染みが目立つためディーラーが処理をしたのでしょう?
下処理中はボデイ幅が広いため、服の擦れで塗装に傷を入れてしまわないように、体が当たると思われる部分は、ガードフィルムを貼ってから作業を行います。
→の写真はリアガラス、
鱗落しでの下処理でしたが見た目よりは固着状態は強く意外と苦労はしました・・・
が!!!
通常の鱗落しよりも2倍ほどケミカル消費はしましたが、完璧に落し切ることができました。
オーナー様、
「この鱗がかなり気になる・・・」
と仰っておりましたので、これなら洗車時や雨天でも気持ち良くお乗りになれるでしょう。
更にオプションで車に丸洗いクリーニングもご依頼を頂きましたが、これはあまりにもきれいな状態ですので、
「勿体なのでは?」
という事で、“レザーメインテナンス”をご提案差し上げて変更となりました!
確かに新車ではありませんから、多少は人の乗り降りもあったでしょうが、かといって数万円も出してクリーニングの必要もないでしょう!
このGT-Rの場合、本革使用部部分は、ステアリング・シフトノブ・サイドブレーキハンドル・ドアノブとその付近・ファーストシートの一部となり、残りの部分は合皮ですので、まずは合皮と本革部分を泡立出せたストロングクリーナーをスポンジで擦り汚れを浮き上がらせ、その汚れとクリーナーをマイクロファイバークロスにて拭き取ります。
乾燥したところで、本革部分にはマッドクリームという滑り止め効果もある革に潤いを与えるための保湿クリームを塗り込みます。
これにより、革のフレキシビリティーが保たれ、
古い本革に見られるひび割れや着色顔料の剥がれを防止いたします。
このお車日常使用はなされないですが、革の状態を長くいい状態で保つためには、
1年に一回はクリームを塗り込んだほうが良いでしょう!
弊社の使用するマッドクリームでしたら、
塗り込みだけで拭き上げも必要ありませんからDIYでも簡単に施工できます。
展示車両だったという事で、試乗車ほど傷んではいないだろう?
という、事前予測ではありましたが、意外と傷は多いですねー
このお車は、当然スクラッチシールド耐擦り塗装ですが、メテオフレークブラックは過去に1台施工したことがあるだけですので、
この傷量と視覚的判断での傷の深さによる磨きでの復元性の事前判断がかなり厳しい・・・
01磨きコースでどこまでリセット可能なのか?
02磨きコースだと傷残りはしないのか?
03磨きコースまで保険的に行う必要があるのか?
オーナー様に事前の総体予算の枠がないだけに、逆にご案内に悩んでしまいます・・・
お金を気にしなければ当然03磨きコースで施行すればよいのですが、このお車の場合は磨きの割増が、濃色・特殊塗装・ボデイ材質などで+60%となってしまいますので、
磨きだけでも16万円もかかってしまいます・・・
これが何年もお乗りの中で傷んでいるものであれば、
「そろそろここら辺で一度完璧なリセットをしてみましょう!」
ともご案内はしやすいのですが、いかにせよご購入時点では未登録車ですから、お金を頂く側の私としてはなかなかそこまでの施工をご案内するのも気が引ける・・・
と、いう気持ちにもなってしまいます。
それと、このようにご新規のお客様の場合、オーナー様の傷に対してのこだわりのレベルというか、どこまでの傷を傷と認識して気にされているかがはっきりと判断がつかない・・・
又、洗車においてなど日常管理でどの程度のダメージを入れていってしまうのかも、過去の状況把握ができていないため予測がつきません。
つまり、03磨きコースで相当な仕上がりレベルまで持って行ったとしても、02磨きコースでの傷残りが微妙にある状態との差をご認識頂けるのか?
03磨きコースで完璧に傷を取り切っても、管理状態により短期間で傷を入れてしまわないか?
等が、判断付きかねるため、現段階でのあまりの高額施工はご案内しにくいのです。
要は、過剰施行となりかねないからです・・・
せっかく、新車よりもお安く手に入れたお車が、
ディテーリングの結果新車買ったのと結果的には同じような金額になってしまった・・・
では、このお車を選択したこと自体が無意味になってしまいますし。
そこで選択肢は、01磨きコースか02磨きコースに絞り検討ですが、
01磨きコースですと現判断では2~3割程度の傷残りの可能性は最悪有るでしょう・・・
02磨きコースならば1割以下には抑えられるでしょう!
という事で、結果“02パーフェクト磨きコース”となりました!
側面部は、軽くスクラッチを磨き落とす磨きを行ってみると、
初めには見えていなかったシングルポリッシャーによる半円形の連続回転傷が露出してきました・・・
これは、傷の上に傷を入れると下の傷のラインが散らされて傷が拡散されてしまい、
あるものが無い様に見える、というか違う形のようになって見えてしまうという目の錯覚です。
これ作為的に行い、傷を磨きとるのではなく、新たな細かな傷を入れることにより、
ダメージの深い傷を隠すという、一部の磨き屋では短時間で施工するための手法としても使われている原理です・・・
ただしこのやり方、偶然そうなることもあるでしょうが、
作為的に行うにはそれなりの技術は必要ですので、
それだけの技術があるのであればちゃんと磨けばいいのに!
とも思ってしまいますが、結局採算性を優先すれば“磨きとるより隠す”という選択には、企業レベルだとなってしまうのでしょう・・・
これがまだ通常塗装であれば、このような手法も必要はないかもしれませんが、スクラッチシールドでしかも黒となると、下手をすると時間はエンドレス・・・
となりかねませんから、納車準備のための経費の掛けられない磨きリセットとしては、この選択も仕方ないのかもしれません?
この様に、磨きを行う前の時点でもシングルポリッシャーの半円形の磨き傷が現存していることがわかる部分があります・・・
1ポリッシュしてみると←のように回転傷は無くなりました!
これが確認できているのは、
あくまでもこの照明を当てているから傷のラインとして見えますが、おそらくこのような傷の状態は自然光ですと軽いオーロラか?
ちょっとした曇りか?
位にしか感じないでしょうから、これが全体に均一になってしまっていれば、
あまり違和感は感じずにスルーしてしまっているのでしょう・・・
一般的には、磨きが過去行われた車では、
このように側面に磨き傷残りがあったとしても比較的軽度です。
理由は、照明環境が不十分なところが多いので、
傷が見えにくいために逆に傷を執拗に攻めることが少ないため、磨きによるダメージは軽い場合が多いのです。
逆に、トップ部分は傷が容易に見えてしまうため、
むきになって攻めて結果ダメージレベルを上げていってしまい最後は、
「どうやってこの状態をごまかそう?」
という、磨きが行われてしまっているパターンが多いですねー
左ドア ドアノブ付近の傷かなり多いですねー
奥様がお乗りになられますので、女性特有の爪による傷です・・・
ニッサン独特のこのドアノブですが、デザインと空力を考慮してこうなっているのだとは思いますが、かなり使い辛いのも事実・・・
結果このように傷を入れてしまうリスクが高まります。
カップが存在しないので、ドアパネルにもろに傷入れしてしまいますので目立ちますねー
前記したように側面は比較的納車時の磨きによる傷入れのダメージは軽かったですので、磨き前の傷量に対して1%位しか傷残りは無いでしょう!
1%とはいえ傷は残ってはいますが、1パネルに1本くらいの話ですので、これにこだわりさらに03磨きコースにレベルアップしたりスポット磨きで残る傷を全部個別に処理するのは、私からするとナンセンス?
とはいえ、常連さんの中には、
「それも何とかしろ、いくらかかってもいいから傷はすべて処理!」
「それでもだめなら、目立つ部分なら再塗装!」
とまで拘られる方もいらっしゃいますが、ここまで行くと病気?
ここまで拘れれる方は、確かに日常管理特に洗車には日々の研究を欠かされませんが、私から見るとそれが却って傷を入れる原因になっているような?
このような方は、当然ちょっとでも汚れるとすぐに洗いたくなる。
つまり不要な洗車頻度が高い。
結果傷を入れるリスク回数を増やす・・・
多少の傷入れは、外を走り回るものですので付くのは当然のこと・・・
洗車のように、
行為そのものがボデイに触ることはどれだけ神経質になっても傷は必ず入るもの。
どうしても傷が入るのが嫌なら、私のように乗らない!
となりますが、それでは何のための車なの?
となりますから、やはり拘りもそこそこのほうが良いでしょう。
とはいえ、性格ですので無理かも?
02パーフェクト磨きコースでの研磨厚一杯の、
6μの研磨を行いましたが、ボンネットやルーフ・トランク部分の、
磨き傷だけは完全に取り切ることはできました!
然し、線傷の深いものはそれなりに残ってしまいました・・・
特にトランクは巨大なスポイラーがあるため、まともにポリッシャーを動かすスペースのありませんし、磨き時の体制も無理な体制となるため、
スポイラーがない車と比較すると磨きはハードには攻めることはできません。
どうしてもこのような部分もきっちり磨くことをお望みの場合は、追加料金で脱着料を頂くか、事前に取り外してきていただくほかありません。
が、さすがにそこまで要求された方はいまだにいらっしゃいませんが。
このお車の場合、特にトップ部分の傷が多く深いものも多い状態だったのか?
ですが、これは購入される前が展示車だったためでしょう。
当然展示車ですから、きれいな状態で見て頂く為には洗車を繰り返します。
特に汚れが目立ちやすいく、且つ洗いやすいトップ部分はその頻度も高くなりますし、平面ですのでほこりなども載り易い・・・
多分乾拭きも行われていたでしょう?
ボンネットにあった一番ひどいダメージ個所ですが、
これは普通の磨きでは直すことは無理でしょう・・・
クリアーが無くなることを覚悟で、
05磨きコースかスポット磨きを行えば何とかなるかもしれませんが、仮に行って直ったとしても、それだけの研磨をしてしまえば、
明らかに肌感はその部分だけ変わってしまいますので、それもするべきではないでしょう。
問題はこのようなダメージがなぜ付いてしまったのか?
ですが、一番初めのダメージの理由はちょっとわかりませんが、
それを直そうとすることでかなり強いシングルポリッシャーによる磨きを行った形跡は残っていました。
恐らくその際塗面温度を上げ過ぎ、傷にコンパウンドが入り込み焼き付き、
さらにそれを磨き取ろうとして焼き付きをひどくしたのでは?
と、いう印象です。
気になるから、善意で何とかしようという気持ちが、
結果として部分的にはダメージを深くする・・・
という、磨きでよくある悪循環です。
この予測が当たっているとすれば、
この部分だけ異常にに塗面温度が挙げられている可能性がありますので、
塗装の状態も熱ダメージを受けている可能性がありますから、このようなことを考えあわせると、これ以上の手出しは逆に事を壊す公算が大・・・
攻める度胸も必要ですが、幕引きの限界を見極めることの方が重要です!
仕事では、ついむきになりがちですが、このような時こそ冷静に考え、
「自分の車なら、ここであきらめるか?」
「危険を冒してでも、さらに攻め続けるのか?」
と、私の場合自問自答してみます。
私は結構自分の車ですとあきらめが早いですので、ダメと判断すれば深追いはしません。
どう評価されるのであろう?
等の雑念が入りませんので、このような基準判断が結果最適のような気がします!
NISSAN ニッサン GT-R ブラックエディション(R35)
コーティング終了
今回のコーティング選びは、結構時間がかかりました。
というのも、お車は黒・・・
駐車環境は車庫保管!
洗車はほとんど洗車専門店での手洗い。
この3点の中で一番引っかかるのが、洗車専門店での手洗い・・・
これは結果人任せという事ですから、いくら同じお店で同じコースを行ったとしても、その時の混雑状況や、洗う人により相当の違いがあると思われます。
つまり、うまいのか?
下手なのか?
の予測は困難・・・
私個人的考え方からすると、他人の手洗い洗車は一切信用しない・・・
に基づきますから、傷を入れられることが前提となります。
そうなると大別した場合選択肢は2通り。
となりますが、オーナー様のご希望は高膜厚・高硬度!
そうなると対象になってくるのが、
となりますが、1は価格が高価すぎですし、水染みができやすいので×
2は、基本的には輸入車専用品ですので?
3は、2に比べ30%ほど膜厚が少ないので×
4は、蝋のような独特の艶感ですので×
悩んだ挙句の結論は、
“マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ”となりました!
但し、心配なのは輸入車専用というフィレキシビリティーを排除したコーティング剤ですので、過去の国産車への施工は1台もありません・・・
但し、一応メーカーからは車庫保管車のような極端な温度変化をしない保管で、
且つ日常使用に供されないならOK!
との説明はありましたので、施工上は問題ないでしょう。
但し私のお勧めは、ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ハイブリッドでしたが、どうしてもオーナー様の艶感の好みが、
「すっきりした艶!」
が、お望みとのことでしたので没とはなりましたが、
私の印象ですと輸入車の場合はかなり確かにとろみのある艶感になりますが、
国産車はさほどには塗装自体にトロリ感は無いのでお勧めだったのですが・・・
実際施工をしてみると、施行中のコーティング剤の塗装への浸透の仕方も問題ありませんし、きれいに均一な製膜はいたしました!
施工上はOK。
但し、完成後の艶感は予想していた以上にスッキリしすぎているような印象・・・
これも個人的な好みや印象ですので、果たしてオーナー様の印象はいかに?
いざお引き取りに見えられたオーナー様のご感想は、
「すごい綺麗!」
とのことで、艶の印象違いはなかったようですので安心しました。
結構ドキドキでした。
更には、トップコートコクーンのご依頼もいただきましたが、これに関しては施行中期間にも、
「STDにしようか?」
「SPにしようか?」
で悩まれましたが、これもやはりメリット・デメリットの判断が難しい・・・
STDは、今回施工いただいたコーティングのメーカー製ですので相性的には最適なのですが、効果としては初期製膜時の不安定期間をガードするだけの機能限定品。
その分価格は安め!
SPは、他社製ですので相性的にはSTDより劣る可能性は有りますが、
保護機能持続期間は約1年とSTDの12倍の保護効果期間があります。
ただし価格は高め・・・
結果としては、“レジントップコート・コクーンSP”での施工となりました!
但しこのトップコートはベースコートに浸透させて皮膜形成を行うため、安定浸透をするまでの期間数日間は、余剰成分が吐き出されるために多少の曇・斑を生じる場合があります・・・
然し、1回洗車を行うことで余剰分は洗い流されますので、以降は曇りや斑は生じなくなります!
この洗車に関しましては、施工直後の洗車は傷入れのリスクが生じますので、お引渡しまでの期間中に弊社では行いませんので、オーナー様にお願いいたしております。
この度は遠方よりお越しいただきまして、ありがとうございました。
お持込みの際は、ご両親様までお越しいただき長時間お待ちいただきまして申し訳ございませんでした。
その際、奥様のお母様に対されてのお気遣いを拝見いたしまして、立派な奥様だなー
と、感心させられました。
今後の、洗車屋さんでの洗車後の傷入れの状態を観察されて、線傷が多くつくようでしたら、洗車機洗車も検討されてみてはいかがでしょうか。
無茶な運転はなされないでしょうが、いかにせよハイパフォーマンスカーですので、事故と違反にはくれぐれもお気お付け下さい。
会員クラス:準会員登録
車両クラス:クラスM(2014年モデルよりX-1クラス)
施工コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティング
磨きコース=02パーフェクト磨きコース(程度良好使用過程車向け・傷取り超鏡面磨き)
オプション施工1=レジントップコート・コクーンSP
オプション施工2=レザーメインテナンス(マッドクリーム使用)
オプション施工3=スプラッシュビュウー・ウインドウフッ素コーティング(フロント基本セット×ライトポリッシュ・リア×鱗落し)
施工料金:285.109円税込(代車使用無し割引-5%・濃色車割増磨きランク1+20%・特殊塗装スクラッチシールド割増磨き+20%・ボデイ材質アルミ割増磨き+20% 適応・柳屋ご利用割引及び高速代キャッシュバック別途)
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