2014年12月06日公開|ランドローバー
常連様、当然会員様のオプション施工でのご入庫です!
今年、このお車ですでに2回目のボデイリセットを完了され、年式や使用方法(アウトドア等)からすれば、
他車とは比較にならない意匠性をまとったオフロード車両ですが、今回はヘッドライトカバーの曇が進行されたとの事で、そのリセットの為の施工です。
初回ご入庫で、すでに1回ヘッドライトカバーは3年前にもライトポリッシュ+ヘッドライトカバー専用コーティングを施工いたしておりますが、致命傷にまでは至ってはおりませんが、
傷みは進行してきています・・・
1回直しているのになぜ?
これは、巷でよくある安価な施工、クリアーを溶かすようなことをしているためではなく、依然行ったライトポリッシュはできるだけクリアーを残した状態で、傷んだクリアー部分を磨き取っただけですので、新たに露出したクリアーが紫外線劣化と水による劣化をしてしまったのです。
然し、コーティングもしてあったのでは?
確かにコーティング施工もしてありましたが、ヘッドライトカバーの素材はポリカですので、いくらヘッドライトカバー専用コーティングを施行したとしても、
素材であるポリカ自体に官能基が存在しないための、
どのようなすぐれたコーティングでも長期安定密着はできないため、コーティング保護効果はせいぜい6か月くらいです・・・
まだ早急に手を打たなければならないというほどには見えないですが、
すでに部分的にはクリアーは剥離を起こしてきてしまってきている部分もありますので、このまま放置す続けると素材であるポリカ自体が曇り始めてしまいます。
そうなると、幾ら磨いても透明感は完全には回復いたしません・・・
今回は、クリアーの完全剥離が必要なため、“ヘビーポリッシュ”での施工となります!
国産車であれば#1.200位のペーパーで剥離できますが、輸入車の場合はこれでは歯が立ちませんので、今回は#800からの研磨を行いました。
それでも片目あたり3枚のペーパーは消耗します。
その後、#3.000でペーパー目を和らげ、3種類のバフと2種類のポリカ専用コンパウンドを使用して、透明な状態に磨き上げますが、すでに結構ポリカ自体に線傷が入ってしまっているために、このような傷は完全には除去はできません・・・
時間をかけて無理やり磨き続ければ不可能なわけではありませんが、ポリカ自体の素材は柔らかいため、傷の深さは数十μはありますのでポリカの厚みを相当消耗することと、摩擦熱が入り続けることでポリカの劣化を促進することとなってしまうため、
あえて傷自体を磨き取ることは目的とはしておりません。
今回磨きあがり後の保護措置をどうするか?
で、2通りの選択がありました、
ヘッドライト専用プロテクションフィルム
ヘッドライト・ラジカルコーティング+専用トップコートWコート
ですが、お車がスポーツタイプであれば、
フィルムによる保護は飛び石保護にもなりますので有用ですが、価格が高価となってしまいます・・・
安価に劣化防止効果だけにするならば、会員様のみ施工可能な
“ラジカル・コーティング”でベースコートする方法がベストでしょう!
これは本来シリカが密着できない素材であるポリカに、
熱変性シリカをバーナーで焼き付けコーティングを行います。
これにより、ポリカに官能基で埋め尽くされたプライマー層が形成されるために、この上にヘッドライトカバー専用シリカコーティングを施行しても、完全密着をするようになります!
ラジカルコーティングは、上記したように熱変性シリカをバーナーで焼き付けるため、念のためにヘッドライトの周りには特殊なアルミのマスキングを貼って保護します!
もっとも、バーナーであぶられる部分の素材温度は60℃にしかなりませんし、ポリカ自体が溶けないのですから、周辺部が溶けないようにというよりも、ラジカル・コーティング
が付着することでの意匠性変化をしないようにという保護目的のほうが主目的となります。
ベースコートであるラジカル・コーティングが終了しましたら、
“ヘッドライトカバー専用のシリカコーティングをWコート”で施工いたします!
ラジカル・コーティングを施行しない場合は、コーティング剤を塗り込んで初期製膜が起こるまで数十分ブランクしての拭き上げとなりますが、ラジカル・コーティング施工済みの場合は、官能基の力により瞬間製膜しますので、塗り込みから1~2分で拭き上げを行う必要があります。
ラジカル・コーティング未施工の場合は、Wコートはしても意味がありませんが、ラジカル・コーティング施工済みの場合は、官能基引力が一層目のトップコートに妨害されることなく、2層目のトップコートにも官能基引力が及ぶため、約10μのトップコート層が形成されます!
基本的には、熱変性シリカは経年劣化しませんので、耐久性は無限と言えますが、素材であるポリカは有機物ですので時間経過とともに少しずつは変質していってしまいますので、無難なところで判断をすると、確実な耐久限界は5年位と考えるべきでしょう。
LAND ROVER ランドローバー ディスカバリー HSE(LA44)
専用トップコートWコート終了
コーティング作業がすべて終了してみると、今まであまり気がつかなかった、ヘッドライトカバー内部の傷みが気になります・・・
ヘッドライトカバー内部にもクリアーが施工されておりますが、
これも内部への湿気の侵入や熱により徐々に外部ほどではないにしろ、
劣化進行はしてしまいます・・・
これに関しては、正直今のヘッドライトでは補修はほぼ無理と言えます。
過去に弊社常連様が御自身でヘッドライトを分解し、内側を磨きクリアーを再塗装してみましたが、一度ばらしたヘッドライトユニットは湿気の侵入が激しくなり、
熱との相乗効果で短時間で新たに塗装し直したクリアーを劣化させてしまいます・・・
つまり、内部に関しては打つ手なしと言えるでしょう。
いよいよ、曇りなどが目立つようになったら交換しかありません。
このお車のように、純正でHIDしかもレベルコントローラーやコーナリングランプ機能が付いたものは、1組交換で100万円近くする場合もあります・・・
そう考えると、普通のハロゲンライトで十分です!
私の足車のベンツも、別の理由で純正HIDユニットを交換しましたが、余計な機能は無くとも58万円もしました・・・
これが、純正ハロゲンであれば10万程度で済んだのに!
この度は、お持込みのために半日お仕事を休まれてまでお越しいただき、ありがとうございました。
更にが後日スプラッシュビュウー・ウインドウフッ素コーティングのご相談まで頂き、ありがとうございます。
4月以降は、現段階におきましてもかなりの仮予約が集中してきておりますので、4月前かもしくは今回のような時期でお考えいただいた方がよろしいかと思います。
会員クラス:準会員
車両クラス:クラスX-2
施工コース:
オプション施工1=ヘッドライトカバー磨き(ヘビーポリッシュ・クリアー全剥離)
オプション施工2=ラジカル・コーティング(ヘッドライトカバー・会員様限定施工)
オプション施工3=ヘッドライトカバー専用シリカコーティング(Wコート・ラジカルコーティング施工車両限定)
施工料金:29.700円税込(会員様オプション施工割引-10% 適応)
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