2014年12月24日公開|AMG
先月、大阪でのクレーム再塗装後さらにその仕上がりの悪さで4パネルを弊社で手直しいたしましたが、さらに追加で3パネルの仕上がりに問題がある・・・
とのことで、再入庫いただきました!
今年最多のご入庫回数のお客様、当然会員様です。
但し、このパネルのうち1パネルは前回弊社が磨きを行ったパネルですが、その段階で確かに完全仕上がりはしていないことは、私も自覚しておりました・・・
これはやっつけ仕事ではなく、
大阪の板金塗装工場の肌調整磨きで入れられた傷が深すぎ、再塗装の為正確なクリアー厚も膜厚計では判りませんので、クリアー剥離のリスクを避けて安全圏内でできる限りのことを致したつもりでしたが、やはりオーナー様は満足されなかったようです。
正直これをクレームとして指摘されましても、
クリアーを剥離するまでリセットしても責任は弊社になりますので、
弊社としてはリスクのない範囲でできうる範囲というのが施工限界です・・・
限界を超えるレベルまでチャレンジするならば、これは弊社ではなく再塗装を行った、
板金塗装工場にクレーム修理で依頼するのが本来は筋です!
が・・・
オーナー様流石に、
「もうこの工場には依頼したくない・・・」
とのことで、弊社に依頼されての補修だったのですが、
結果弊社が負える責任範囲での施工では満足されなかった・・・
こうなると“ドツボ”ですね・・・
これ以上の無理な磨きはクリアーを剥離するかもしれませんし、おそらくその危険を冒さない限りは完全には直らないでしょう。
幾ら、
「何とかしてほしい!」
と言われても、他社の尻拭きをして“ミラ取りがミイラになる”は御免ですから・・・
だから、初めから板金再塗装を弊社にご依頼いただけば、このような泥沼にならなかったのに・・・
と、言っても後の祭り。
然し今回は、
「磨き補修が無理であれば、再塗装してもらっても構いません!」
とのことでしたので、ダメもとでやれるところまでやってみました。
が!!!
上手く行っちゃいました!
100%にはなってはいませんが、95%位は直りました。
オーナー様が気になされていたポリッシャー傷は除去できましたが、
-5%分は深い線傷・・・
これまで除去するために更にリスを冒してクリアー剥離してしまった場合、
1パネル再塗装で10万円近い出費は無駄と判断いたしますので、これで妥協してください。
このパネル分は、度重なるご入庫ですのでサービス施工で結構です!
だだし、もうやりませんよ、他店の穴拭き仕事は・・・
これで本当の最後!
今年の7月に全面施工を行い、その後その前に行っていた他店での再塗装部分の不良により再塗装をまたも行なって帰ってきてみると、
再塗装とは関係のないはずのパネルが傷だらけ・・・
11月お持込み頂いた時にもこのパネルはこの状態だったのでしょうが、
オーナー様はこの段階では気がつかれていなかったという事でしょう・・・
弊社もあえて、補修依頼されたパネル以外の他店施工の粗を探すのもいやですので、あえて見てはいません。
不親切ともいえるかもしれませんが、依頼された部分以外の問題点を探し出して施工範囲を増やすのも、結局は施工費の上積となりますので、
「問題箇所をすべて探してほしい!」
との依頼が無い限り、このような部分補修では、依頼箇所以外はあえて見ません!
然し、驚くべきはこの板金塗装工場・・・
この工場に入庫する直前に全面施工がなされていてしかも、
「再塗装に関係のないパネルは、一切触らないように!」
と、オーナー様からくぎを刺されているにも拘らず、
ほぼすべてのパネルを磨き倒して傷入れまくり・・・
これだけ傷を入れる磨きを行ってしまえば、
当然施工してあるコーティングはすべて磨き取られてしまっているでしょう・・・
然し、今回弊社にご入庫いただいた時点では、親水性のコーティング施工されておりましたので、オーナー様には伏せて、
何かわけのわからないコーティングを施行してお茶を濁してあります。
これ自体問題ですが、そこまでするのであれば、磨き傷入れ無い様に磨き上げるでしょう普通は・・・
というか、これがこの工場の技術限界なのでしょうねー
私が思うには、この板金塗装工場への依頼は、オーナー様直接ではなく、オーナー様が修理で利用している整備工場からの依頼ですので、作業直接責任は板金塗装工場にあったとしても、支払いは修理工場に行っているのですから、本質的責任は修理工場にあるでしょう・・・
つまり、検品責任がある!
然し、それを全く果たしていないという事にこれではなってしまいます。
私からすると、一番いい加減なのはこの整備工場だと思うのですが、オーナー様は整備に関しては完全に信頼されていますが、私の今までの経験からするとこのようなスタンスの工場が責任を持った仕事を管理されて行っているとは爪の先ほども思えません・・・
正直、この工場がやられた仕事の一部を拝見してみても、私からすると、
「これ有りえないやり方だよねー」
と、私にもわかる部分があるのですが、気がつかれないのですねー
ま・・・
価値観は人それぞれですので?
左ドア2枚の補修のための磨きは今回は、
“01パーフェクト磨きコース”で施工いたしました!
前回の全体施工で、8Hのコーティングが施工してあるせいか?
見た目の傷はかなり激しい付き方ですが、
深さはさほど深くは無いようでしたので、この程度の磨き4μ程度の研磨でも気になされていた内容は完全にリセットできました!
但し、以前から残っていた線傷までもを処理するには、
すでに磨きが繰り返され過ぎていて膜厚不足です・・・
そもそもこのような膜厚不足に陥っているのは、まずは中古車でご購入されていますので、前オーナーが何をやっていたのかが?
其処に持ってきて、現オーナーが他社での再塗装や磨きを繰り返したことで、意味のない研磨というか傷入れを繰り返してしまっておりますので、
無駄に膜厚を失ってしまっています・・・
こうならないようにするためには、まずは中古車購入を避けることと、
購入後の再塗装や磨きなどは固定業者に常に依頼することで、
車の作業履歴管理を可能にしておくことです!
弊社では、上記したように完全に整備以外の作業を弊社丸投げいただいているお車に関しては、当然作業履歴が完全把握できておりますので、何らかの作業依頼を頂いても、
的確な判断・作業が可能になりますから、
必然的に仕上がりレベルも高い次元で作業が可能となります。
これは弊社に限らず、どこの店舗でも言える事と思いますので、噂やHPのチラ見などで、
「お、この店のほうがよさそう?」
等と、依頼店舗をふらふらしないほうが良いですよ!
ドンドン現状把握が難しくなりますから・・・
さあ磨き終わったから、コーティングをいつしようか?
と思案中の所へ、オーナー様から別件でのTELがあり、
「作業進捗と、リセット具合はどうですか?」
とのご質問に、
前記しております作業範囲及び完成度をお伝えしたところ、
「え・・・」
「右のドアも直してくれるよう伝えたのですが!」
とのことでした。
どうやら来店された際に、他の話に横道ずれしてしまっていたので、どうやら私が聞き落したか?
勘違いをしていたのか?
忘れてしまったのか?
どちらにしても、完全に私のミスです・・・
ここでTEL頂いたので、再確認がとれましたが、数日TELが遅ければ一度仕上げてしまい、2度手間になるところでした・・・
アー、よかった!
ご指摘いただいたパネルを点検してみると、確かに酷い・・・
11月に補修でご入庫いただいた際には、前記したように基本的には、
ご依頼箇所以外は大きな破損以外は基本的に点検はしませんが、そうはいっても隣接パネルですので、ここまでひどければいくら私でも気がついたと思うのですが、
その時はこのような状態であることは気がつきませんでした。
理由として考えられるのは、
恐らく両方だと思います。
というのは、今回私が忘れていた右ドアを施行しようと確認したところ、
隣接パネルである右フロンフェインダーが全く同じ状態、
というよりドアより酷い状態でした・・・
これにはオーナー様気が付けれていなかったという事は、お持込み頂いた12月上旬においては、ここまでひどい状態が表れていなかったと推測されます。
となると、弊社お預かり期間中に傷が露出してきた?
と考えると、この時期弊社では朝と夕方の気温の低い時間帯は、室温環境保持の為ジェットヒーターを使用しますが、これがかなり強力な遠赤外線を放出します。
この遠赤外線は、太陽光よりも強力な紫外線劣化をしますので、それによりポリポリエステル樹脂系傷隠しコンパウンドのポリエステルが劣化し、
この数週間で一気に隠されていた傷が露出してきた可能性が高い・・・
だとすると、ただでさえ下手な磨きで事を壊しているだけではなく、一時的に自分たちのやったお座なりの仕事を隠すという最悪の手法。
なぜ最悪か?
というと、管理環境や使われたポリエステル樹脂系傷隠しコンパウンドにもよりますが、
完全な機能保持期間は1か月・・・
徐々に劣化し、隠していた傷が見え始めてきてしまいます。
然し、一般の方は傷の見方を知りませんので、浮き出てきた傷を見ても、
使用過程において自分が洗車等で付けてしまった傷?
と、錯覚してしまいます・・・
傷の種類の判別がつかなければ、クレームを入れてみても、
「これは仕上がり時にはなかったですから、
気がつかない間に御自身で傷を入れられてしまったのでしょう?」
みたいな、言い訳で煙に巻かれて撃沈・・・
となるでしょう。
然し、傷の見方が解っていれば、
「これシングルポリッシャーの傷ですよねー」
「これはギヤポリッシャーの傷ですよねー」
「これはダブルアクションポリッシャーの傷ですよねー」
と指摘してしまえば、使用過程で付く傷と全く傷の形が異なるために、
よっぽどタコ業者でない限りは認めざろうありません!
このポリエステル系樹脂配合傷隠しコンパウンドは、かなりの確率で使われています。
コンパウンドなどを業者に卸している商社によると、
板金塗装工場では濃色車の場合は9割がたは使用されている可能性が高く、磨き&コーティング施工業者の場合は、色に関係なく9割がた使用されているのでは?
とのことです。
つまり業界では、このような傷隠しは当たり前となってきています・・・
板金塗装工場では、比較的高齢の方が施工している場合は使用される可能性は低いようですが、フランチャイズ展開の板金塗装工場や、
施工者が経験不足の若年者の場合は確率は高まるそうです。
磨き&コーティング業者の場合は、
大手フランチャイズ加盟店や簡易施工店が確率が高く、低料金であったり、
1~2日などの短期施行の場合は更に確率が高まるそうです。
当然施行者が20代のような若年であれば更に確率は高まるでしょう・・・
このような傷隠しコンパウンドが使用されているか?
いないのか?
の判断は、目視での判断は無理です・・・
板金塗装後だけの場合であれば、
強めのアルコール等で拭き上げることでポリアステル樹脂を溶かすことで確認可能ですが、
ガラスコーティング施工後では確認方法はありません。
特に使用されているコーティング剤がVOCフリーの場合は更にその確率は高まります。
というのは、VOCフリーのコーティング剤はポリエステル樹脂を溶かさないものが多いからです。
こうなると、時間経過を待つしかありません・・・
心配なようでしたら、磨き終了コーティング前の状態で一度アルコール拭きをして確認する以外ないでしょうが、店舗はかなり嫌がるでしょうねー
ちなみに弊社では、
一切ポリエステル系もしくはそれ以外の傷隠し成分を含むコンパウンドは使用しておりません!
人によっては非難される元かもしれませんが、
弊社で使用しているコーティング剤はすべてVOCタイプです。
エコからは外れていますが、コーティング剤自体の性能追求を優先すれば仕方ない選択肢です・・・
追加作業(忘れていた?)パネルも、“01パーフェクト磨きコース”にて施工終了、
ばっちり仕上がりました!
然し、特にポリッシャー傷が酷かったのは、↓→の白囲いの部分。
フェインダーのふくらみと、その上の凹部と、その上のプレスラインですが、この様に狭い範囲で凹凸が連続する部分に、ハードな磨き傷を入れてしまう磨き方は、
はっきり言ってずぶの素人です・・・
ハードな磨き傷が入るという事は、ポリッシャーの押さえつける圧力が平面と同じような圧力を加えているでしょうし、バフの進行方向や当てる面積にも何の考慮もないのでしょう。
その程度の磨きなら、だれでもできます・・・
その程度、というか磨き壊す技術しかないのに、なぜ再塗装とは関係のないパネルまであえて“触るな”と念押しされながらも磨き壊してしまうのか?
サービスのつもり?
恐らくは、この程度の磨きしかできない板金塗装工場ですので、再塗装の際の関係ないパネルをくるむマスカーが浮いていて、
再塗装の際にそのマスカーの中に塗装ミストが入り込み、
そのミストを磨き取らなければならなかったのでしょう。
恐らく初めはシンナーを使いクロスで拭き上げたために線傷を入れてしまい、それで焦ってポリッシャーを持ち出してその線傷を取ろうとしたのでしょうが、高硬度ガラスコーティング施工車両に下手な磨きを加えると、
塗装を直接磨くときより派手なポリッシャー傷が付きます・・・
事の顛末はこんなところでしょうが、どちらにしてもこのようなことを行っていながら、きちんと料金だけは支払を受けているのですから、その神経の図太さはさすが大坂商人・・・
偏見かもしれませんが、これだから大阪人は好きになれませんねー
これも偏見かもしれませんが、
関東人ではここまでの酷いことをするのは私の経験上はありません。
但し、すべての工場店舗がまともという訳でもありませんが・・・
Mercedes-Benz メルセデスベンツ E55AMG
(DBA-211076) 補修コーティング終了
ここまで直せば完璧か!
というと、そうでもないのです・・・
すでに、左リアクオーター・トランク・F&Rバンパー・ルーフにもそれなりに傷の露出が出てきています・・・
とはいえ、それをまた、
「気になるから直そう!」
では、お金がまた湯水のように消えていってしまします・・・
拘られるのもある程度は理解できますが、
ただ気にしすぎていても切りが無くなってしまいます・・・
弊社としてはそのおかげでお仕事頂けるのですが、売る上げになればいいというものではなく、こうたびたび施工料を頂くのも気が引けてしまいます。
ただでさえ、弊社施工料金高いですから・・・
それと他店のしりぬぐい的仕事であることも、正直気が進まない大きな理由です。
これがまだ、板金塗装工場からの賠償補修依頼であれば、喜んでお受けするところですが・・・
本来ならば、前回の補修も今回の補修も、依頼された整備工場にこの状態を確認させ、
自管賠という保険を使用させて弊社で補修を行うようにするのが、
一番いい選択だったのでは?
と、思うのですが。
恐らくはこの選択をなされなかったのは、整備工場との関係悪化することを避けたい!
という、お気持ちが優先されているのでしょうが、板金塗装でなくとも、
この工場に整備依頼すること自体で傷が入っている可能性も高いと思います。
過去私も、昔頻繁に整備依頼していた工場で、
コーティング直後のジャガーを傷だらけにされたことがありますが、
このときは私の目の前で乾いた状態の車をタオルで擦り傷だらけにして行っていました。
実際、ほとんどの自動車業界人は、傷という認識に足して非常にアバウトです・・・
高級車専門に扱っているから大丈夫!
等と、いう事はありません。
たとえばヤナセ社員でさえ、指輪と腕時計をはめた状態で平気でお客様のお車を洗車する程度の神経レベルですから・・・
この度もご利用いただきありがとうございました。
ですが、正直ここまで頻繁となると気が引けます。
ここまで来たら、もう多少のことは妥協しましょう。
幸いにも、お引き取りの際には、お住まいエリアでの弊社依頼の陸送業者による引き取りがありましたので、安価に納車陸送が可能になりラッキーでしたね。
ご覧いただき、何か不具合があられたらまたご連絡ください。
但し、未施工パネルの不具合に関しては、もう多少は我慢してください。
そのうち、奥様も切れるのではないかと、心配になってしまいますので。
それでは、良いお年をお迎えください。
今年1年お世話になり、ありがとうございました。
会員クラス:準会員
車両クラス:クラスX
施工コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティング(左フロントフェインダー=サービス施工・左フロントドア・左リアドア・右フロントフェインダー・右フロントドア)
磨きコース=01パーフェクト磨きコース(コーティング施工範囲と同じ)
オプション施工=部分傷取り磨き(ペーパー研磨を併用したスポット磨き=左フロントフェインダー・サービス施工)
施行料金:104.710円税込(会員様オプション割引-10%・輸入車割増磨き+10%・濃色車割増ランク1磨き+20% 適応)
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