2015年06月27日公開|日産
ご新規のお客様ですが、弊社ではこの12SRでブラックは2台目の施工となります!
ニッサンのコンパクトクラスでMTのきびきび走る車としては、
一部のマニアの方々には絶大な人気がいまだにあるようです。
但し、程度の良い個体はほとんど皆無の様で、
このお車を含め弊社入庫車両はかなり悲惨な様相を呈しています・・・
というのも、あまりこの手の車には詳しくは無いですが、完璧に走り屋向けの車の様で、専用チューニングエンジンや専用スポーツサスペンションなど、今のECO主流の軟なコンパクトカーとは生息する次元が全く違うようです。
ですので、やはり今までの扱いはハードに使われてきたものが多く、車庫の中で大事におねんね的な車とは違うようです。
そういう点ではR32GT-Rと似ていますね!
この当時までの日産は元気があったようです!
ただ売れればいいだけの車を作るのではなく、好き物にはそれなりの車種も用意していたのですから。
今でも確かにR35という途方もないモンスターを作ってはいますが、
私からするとこの手の車はスーパーカーメーカーに任せとおけばいいことで、ダットサン合併からのニッサンの流れからすればこの様な、
大衆車ベースでの特別モデルを作ってほしいですねー
R35に掛けている莫大な資金を使えば、このようなモデル幾らでも作れるでしょうし、
仮に採算割れしたとしてもR35よりはマシでしょう。
昨年今年とルマンでも異色のプロトタイプを日産は送り込んでいますが、
その意気込みは凄い!
と言えますが、今年のフロントエンジン4駆のシステムは、
暗にR35のプロトモデルを目指しているように感じて、R35への執着の強さを感じさせ個人的には眉を細めてしまいます・・・
R35嫌いの私の個人的感想ですが。
ニッサンの過去のスポーツモデルのシートは良いですねー
ホールド性も良いですし、デザインも良い!
現行モデルの安っぽさはありません。
こういうところがニッサンの良さだったのですがねー
今では、トヨタ的表面のごまかししか感じませんね・・・
どうしても最近過去に対しての懐かしさばかりが頭をよぎりますが、この感覚は多くの方が抱いているようですが、新しいものに目がいかなくなっているという事は、
いかに今の車は魅力が無いかという事です。
純正のMOMOのステアリング。
良いですねー
モトリタっぽいクラシカルな雰囲気が最高です!
但し、このステアリングカバーは反則でしょう・・・
せっかくのステアリングがもったいない。
メーターも超シンプル!
基本はスピードメーターとタコメーターのみの様な感じで、
ロータスぽくて良いじゃないですかー
ノーマルのフローティングキャリパーをカラーリングしてブルーとしています。
レッドキャリパーにしていないのがセンス!
然し、エンジンやサスペンションにはお金をかけているのに、
何故にブレーキはフローティング2ポッドなのでしょう?
せめてモノブロックの2ポッド位にはしてほしい!
どうも国産メーカーはブレーキにお金をかけることが嫌いなようで・・・
安全で且つ速く走るためには、一番重要な部分なんですがねー
致命的とまでは行きませんが、かなりやばいところまでは行っています・・・
ギリギリのところでクリアー剥離にまでは至っておりませんが、
このまま放置されれば1年くらいでクリアー剥離は起こるでしょう。
今回は“ヘビーポリッシュ”で磨きますが、
基本的にはヘビーポリッシュはクリアー全剥離を目的としていますが、ペーパーを掛けていった段階で、透明なクリアー層がまだ残せるのであれば、むき出しのPPになるよりは耐久性は高くなりますので、慎重にクリアーが残せるかを見ながら磨いてみます。
ドイツ車などですと、ヘビーポリッシュは#600~800でのスタートとなりますが、国産車の場合は逆にこの番手で磨き始めると事を壊します。
#3.000で磨き始めますが、それでも結構慎重に行う必要があります!
というのは、クリアーが柔らかいうえに薄い・・・
一気に磨き上げると、クリアー剥離どころかPPにペーパー目を入れてしまいます。
慎重に磨いてみた結果、
透明な劣化していないクリアーをギリギリ残して磨き上げることができました!
美味い具合に磨きあがったところで、
ヘッドライトカバー専用のシリカコーティングを施行します!
簡易施工店などでは、ボディ用コーティング剤を使用している所もあるようですが、これまず効果は0・・・
ボデイのように官能基があるところに使用するように作られたコーティング剤では、
PP素材のヘッドライトカバーではまず密着は起こりえません。
弊社の使用するヘッドライトカバー専用シリカコーティング剤でも、
正直ボディほどの長期密着は期待できません・・・
露天駐車車両なら半年、
車庫保管車でも日常使用に供されるようなレベルでは1年が限界です。
中には、趣味車で年に数回しかお乗りにならないようなお車では、
3年以上持ちこたえているお車もありますが、これは特別です。
長期耐久性を求めるのであれば、ベースコートに“ラジカル・コーティング”を行うという方法がありますが、このサービスは会員専用となります!
非会員の方の場合は、プロテクションフィルムによる保護という方法がありますが、
これは価格が高価になってしまいますし、
国産車に多くみられる突起などの形状がある場合は施工できません・・・
ですので、市販品のコーティング剤をDIYでこまめに塗り込んでメインテナンスをして頂くほうがいでしょう。
但し、下処理の際に溶剤系の磨き剤は使用せず、
プラスチック用コンパウンドを必ずお使いください!
正直このお車を本当にこのまま磨くのですか?
というほど、状態としては最悪です・・・
下地の出てしまってる傷も多数・・・
酸化によりクリアーがダメになってしまっている部分も、100か所くらいはあるでしょう。
飛び石痕に関しては、フロント部分は当然として、
サイド部分も相当量食らってしまっています・・・
バンパーなど樹脂部分も、ぶつけにより塗装が蜘蛛の巣状にクラックしている箇所も数か所あります。
冷静に判断すれば、この状態で磨きで回復させようとするより、
全塗装が必要です・・・
然し、安価な全塗装をしても、
パッと見はきれいに見えてもよく見れば傷だらけ、物咬みだらけ、しかもマスキング処理であれば高圧スプレーをかけた途端塗装剥離といこともありえます。
かといって、きちんとした全塗装ですと50万円位はかかるでしょう・・・
程度としては最悪の状態ですが、
救われるのはボディ自体はオリジナル塗装で再塗装は1回もされていません!
つまり、磨き上げても色違いがはっきり出てしまったり、肌感の違いが目立ってしまったりというリスクだけは無い。
但し、膜厚が95.3μしかありませんから、
極端な深い磨きを行ってまでのヘビーリセットはできません・・・
が、軽い磨きでは施行自体に意味を持ちませんので、出来るだけ膜厚消費を抑えながら、
“03スタンダード磨きコース”にて施工します!
トップ以上に側面の方が傷が多く且つ深い・・・
↑↑の写真の←側が、弊社で言うところのファーストポリッシュ、今回は03スタンダード磨きコースですから、傷取りのための特殊ウールバフを使用しシングルポリッシャーで磨いた後ですが、それでもまだ線傷は確認できます・・・
繰り返せばこの線傷もいずれは消えるでしょうが、上記したように膜厚が100μ以下ですから、深追いすればクリアーがなくなってしまいます、
すでにこの段階で残存膜厚は90μですから。
その後更に3段階のスポンジバフをと3種類のポリッシャーを組み合わせながら、段階的に磨き上げ、ソリッドブラックですからオーロラが残らないように磨き上げます。
然し、上記したように膜厚のハードルがありますので、
残る傷は目をつぶる以外ありません・・・
もうせめて10μ多く膜厚が残っていたら、
今見える傷も2/3位は処理できたでしょう。
とはいえ、膜厚迄確認して車買う方はいらっしゃらないですから、
こればかりはある意味運でしょうねー
磨き終了時の膜厚は86.3μ、残存クリアーはこれでほぼ限界でしょう。
恐らく20μまでは残っていないでしょう・・・
今までは、酸化痕などは傷に覆われ全体が艶を失っていましたからそれにごまかされていましたが、周囲が磨き上げられ隠ぺい性が失われることによって、
逆に目立つようになってしまいました・・・
が、これ以上に酸化痕も判らないようにすることは磨きではできません。
まだクリアー表面のみの軽いダメージであれば可能性は0ではありませんが、この車のように有色部分にまで到達している様な酸化痕は塗料変質してしまっていますから、
すでに時遅しです・・・
更に時間経過して行けば、このような深い酸化痕は剥離をし始めてしまうでしょう・・・
そこまで進行してしまったら、意を決して全塗装をするしかありません。
NISSAN ニッサン マーチ 12SR(AK12)コーティング終了
見違えるほど回復できました!
数メートル離れて、細かな問題点が見えない距離さえ保てば、
「新車?」
は、オーバーかもしれませんが、
ここまできれいなこの型のマーチはそうは無いでしょう!
御引き取りに見えられたオーナー様も、
「予想していたよりも、全然きれいになっている!」
「驚きました!!!」
と非常に、お喜びいただきました。
が・・・
私には、どうもしっくりこないことが。
バンパーなどが塗装割れしていたり、完全に下地が出ている様な傷も多くある中で乗られてきていながら、なぜここにきて高額なお金をかけてまでリセットするのだろう?
お聞きしてみたところ、現在大病を患われており、すでに覚悟もされていらっしゃるそうです・・・
見た目には、非常にお元気に見えるのですが。
その為、オーナー様が好きだったこのお車をもしもの場合は、
ご家族が大事にとっておきたいとの意向の為、どうせならきれいな状態で!
という事で、施工なされたそうです。
御聞きするとなんと私と同年齢、
しかしすでにお孫さんも免許をお持ちの年齢とか!
どうやら、お孫さんと私の娘とさほど歳は変わらないのでしょう。
奥さま、お子様、
お孫さんともにこの様な気持ちで大事なものを大事にしてくれる気持ちは、
うれしいでしょうねー
今までの家族関係が密で、良好だったのでしょう。
正直な気持ち、うらやましい!
と、感じました。
私の場合は、多分取り置いてくれるようなことは無いでしょう・・・
車関係の取り巻き連中が、ハイエナの如く買いたたいていくのでしょうねー
常連様の中にも、やはり現在大病を抱えられている方が数人いらっしゃいます・・・
然し、皆現在の生き様や周囲の対応はまちまちです。
見ていて、それでいいの?
と、感じてしまう方もいらっしゃいます・・・
外野がとやかく口をはさむべきことでは無いでしょうが、
幕引きの準備と覚悟は必要でしょう!
尤もこれは、人間すべてに言える事でしょうが。
無責任なこと言ってるようにも取られるでしょうが、
私自身も症状はありませんが時限爆弾をすでに抱えている身・・・
正直、他人事ではありません!
なだけに、今回のオーナー様のお話は身につまされました。
この度は、お体の御具合も芳しくない中、お持込みお引き取りと遠方よりお越しいただきまして、心よりお礼申し上げます。
施行前にお聞きしていましたら、それを念頭に置いて合せた施工を考えることもできましたのが残念です。
今後お子さんorお孫さんが管理なされる中で、困られたことが起きましたらご相談ください。
無理をなさらず、お体ご自愛ください。
PS:高速料金バックを忘れてしまいましたので、郵送にてお送りいたします。
大変失礼いたしました。
車両クラス:クラスS
施工コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング
磨きコース=03スタンダード磨きコース(程度不良車両向け・強い傷取り鏡面仕上げ)
オプション施工1=レジントップコート・コクーンSTD
オプション施工2=ヘッドライトカバー(ヘビーポリッシュ×専用シリカコーティング)
施工料金:172.710円税込(代車使用無し割引-5%・濃色車割増磨きランク1+20%・ソリッド塗装割増磨き+10% 適応・高速代バック別途)
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