2015年06月08日公開|メルセデスベンツ
三重県からお越しいただきました、ご新規のお客様です!
中京方面では、愛知県の方は非常にたくさんお越しいただいておりますが、
三重県・岐阜県は少なく、三重県ではこれでお二人目ではないでしょうか?
しかもうれしいことに、お持込み頂きましたお車は、あこがれの500Eです!
バブル時代の六本木・麻布界隈では、この500Eとジャガーが成功者の証しのように路肩や駐車場で幅を利かせておりました。
この時の憧れもあり、当時全く手の届く代物ではなかったこれらの車を今は所有している点では、このオーナー様も私も似た者同士なのでしょう。
但し、こちらのオーナー様は本物の500Eですが、
私はそこまでは手が出ないためにTE300ですけどねー
ジャガーにしても本当ならW6となるのですが、308型が限界でした・・・
一時はXJ-SコンバーチブルV12も所有しましたが、
あまりの維持費の凄さに泣く泣く手放さなくてはなりませんでした。
街で見かけることはまずないですが、本などでたまに見ると、
「あの時売らなければよかったなー」
等と、相当後悔の念を感じますが、経済的に維持不能なことのハードルだけは超えられません・・・
こちらのオーナー様も、私と同じような思いでこのお車を購入されたようですが、
やはり維持費の凄さには日々泣かされていらっしゃるそうです・・・
特にこの500Eなどは、本来はSクラス用の巨大エンジンをEクラスに無理やり押し込んでありますので、経年劣化による傷みだけは何をしようが避けることはできませんので、これから先もランニングコストが下がることはほとんど期待できません。
考えようによっては、このようなお車を維持できるという事は、
新車のAMGなどを買うよりも経済力は必要です!
其れと忘れていけないのが、忍耐力です。
この124型にはこのお車のように500Eと呼ばれるものとE500と呼ばれるものが存在していますが、これは基本的には前期・後期の違いとなります。
但し、この前期・後期の違いは、一般的マイナーチェンジというようなものではなく、
今の時代では考えられない大きな差があります。
前期型である500Eは別名ポルシェラインとも呼ばれ、
実はベンツでありながら生産していたのはポルシェなのです!
なぜ、このようなことが起きたのか?
というと、当時世界はバブルの全盛にはありましたが、
ポルシェだけは瀕死の状態に落ちっていました・・・
ミッドシップの914の後継としての、
FRモデルの924・928・968等が大失敗となり、倒産直前状態に追い込まれており、
そこにベンツが救いの手を差し伸べるために、500Eの生産を依頼したそうです!
同じドイツの歴史あるメーカーとして救いの手を差し伸べるなど、今の企業体質から考えれば有りえないことがこの当時は有りえたのです。
今なら、これこそチャンス到来!
と、間違いなく乗っ取りを選ぶのでしょうが、
このころのメーカー経営者には人情というか人間的なところがあったのでしょう。
だから、この時代の車の多くは、今でも輝いているのでしょう!
500Eを象徴する外観の一番のインパクトは、なんといってもこのありえないくらいのオーバーフェンダーでしょう!
これがセダンの外観として許されていたのですから、
良い時代です。
道路で、この外観をミラ一杯に写し出しながら爆音とともに迫られると、よほどの車でも思わず道を譲ってしまいます・・・
とはいえ、この当時の私の車はクラウンロイヤルですから、譲の譲らないのに次元ではなく、恐らくこの手のお車にお乗りの方からすれば、
眼中にない・・・
でしょうが。
ベンツなのにポルシェのセンターキャップ?
なのですが、前記したように別名ポルシェラインとも呼ばれていますので、決して変ではありません!
が・・・
これここら辺のことを知っている方にはそうなるのですが、知らない方から見ると、
ダッセエー・・・
ともなりかねない、選択としてはかなり微妙。
外観上はあまりカスタマイズされていませんし、AMGエアロも付けていらっしゃいませんので、オ―ナー様もおっしゃっておいででしたが、
ベンツのセンターキャップのほうがいいのかもしれません?
この時代のベンツは、カスタマイズもしくはAMG仕様が良いのか?
フルオリジナルが良いのか?
の選択は、結構微妙でしょう。
思うに、オーナー様の人格やライフスタイルにどちらのほうが当てはまるのか?
が、選択条件ではないでしょうか。
私の所有するW124よりもさらにシンプルなスイッチです!
但し、私のも前期のはずですがなぜか全く違う?
正規物と本国仕様の違いなのか?
TE300と500Eの違いなのか?
は、勉強不足の為判りませんが、こちらのほうが良いですねー
後ウッドの模様も違いますが、
これは最高グレードである500Eだからこそのウッドパネルでしょう!
自分のW124のウッドパネルはあまり好みではありませんが、
こちらのウッドパネルは良いですねー
見た感じはジャガーに引けを取りません!
が・・・
W124のウッドパネルの宿命、極端な傷み方ではありませんが、
必ずこのようにウッドパネルが傷みます。
この時代のウッドはスライスしたベニヤ板を使用していますが、加工工程がよくないのか?
使用しているウッド自体に問題があるのか?
ジャガーではありえない傷み方をしてしまいます・・・
ウッドの加工時術では、やはり英国車のほうが上のようです!
英国は、木材で爆撃機や旅客機まで作ってしまいますし、いまだに木製自動車作っている位ですからねー
一度大々的に全塗装もされていますし、部分的にも再塗装はされていますが、
定期的な鉄粉メインテナンスはされていなかったのでしょう、
相当量の鉄粉の食い込みが起きています・・・
三重県と言えども、降雪はそれなりにあられるそうですが、幹線道路の交通量はかなりのものですし、工業地帯でもありますからそれなりに鉄粉リスクは高いのかもしれません。
酷くは無いですが、マフラーエンドもそれなりに汚れや錆がこびり付き始めています・・・
このくらいなら手磨きでも行けるかな?
とやってみましたが、意外と頑固でしたので、リューター磨きで行いました!
結構見違えます。
大事にはされているのは当然でしょうが、やはりこのようなドアカップのような細かな部分にはそれなりに傷は在ります・・・
上記のマフラーエンドやこのようなドアカップなど、細かな部分と思われるかもしれませんが、意外と車全体の印象を左右しますし、
目利きの利く方などはこのような部分を見て管理状態を評価しますので、意外と重要な部分です!
W124の場合、
ドアミラーの付け根にあるこの強化ゴムの艶退けも多くの車にみられる症状です。
その為、多くの方はアーマーオイルや艶出し剤などでDIY処理をなされる場合が多いですが、これは一時的には艶を復活させたように見え、
メインテナンスを行っている効果を感じられるのでしょうが、
実はこの行為は素材自体の寿命を縮めてしまう行為です・・・
これら石油油脂から製造された部品は、
このようなメインテナンスにより素材構成されている油脂分を抜き取られますので、
それにより素材斑が出てきたり、素材が硬化してボロボロとなって行ってしまいます。
今回このような部分に、“樹脂クリアー”の施工をご依頼いただきました!
細かな部分ではありますが、
やはりこのようなちょっとしたところの手入れで車の印象は相当変わります。
弊社にお持込み頂く前に、バンパーやサイドガーニッシュなどを再塗装されたそうですが、これが大失敗・・・
流石にバンパーは取り外しして行ったようですが、
サイドガーニッシュのすべてのパネルは取り外ししないでマスキングで再塗装されいます。
この行為自体は決して手抜きとは言い切れませんが、
それはあくまで施工価格とのバランスですが、料金をお聞きしてみるとかなりの高額。
その金額でマスキング処理での再塗装ではぼったくりです・・・
更に、マスカー処理も適当だったのでしょう、
ガーニッシュのある側面パネル全てに塗料の吹き込みがあります・・・
一応塗装屋さんも酷いところは気付いたのでしょう、
手直ししようとペーパーを掛けた痕跡が残っていますが、
ミストも除去できていないうえにペーパー目まで残しているのでは、
さらに状況を悪化させているだけです。
実際巷では、このようなレベルの板金塗装屋さんのほうが多いようです・・・
本来なら、このような状態は当然クレーム対象ですが、
今回は御親戚の紹介とのことで、文句も言えないとか・・・
紹介というものは、それが有効に働くこともありますが、今回のようにそれゆえ制約されてしまう場合もありますので、微妙なところです。
これが無ければ今回の磨きコースは、“03スタンダード磨きコース”の予定でしたが、このミスト及びペーパー目のある部分に関しては、
“04スタンダード磨きコース”を完璧を期すために行うこととなってしまいました・・・
ちゃんとした再塗装が行われていれば、このような無駄な出費もなく済んだのですが、残念ながら後の祭りです。
ミスト除去及びペーパー目の除去も完璧になりました!
施行前に再塗装されているガーニッシュは、
なんだかサテン塗装もしくはマッド塗装のような艶の無い様相でしたが、
これはほぼクリアーを吹きっ放しで仕上げ磨きどころか、
肌調整の磨きすら行われていなかったのでしょう・・・
然し、03スタンダード磨きコースによるファーストカットの特殊ウールバフで磨くだけで、
みるみる艶が出てきました!
ちょっと手をかけてあげるだけで、まったく違う意匠性にすることができるのに、面倒くさいのか?
手間=コスト→手間を省く=利益アップ
と、儲け主義なのか?
職人仕事としては、プライドをかなぐり捨てたと言えるようなお粗末な仕事と言えます・・・
再塗装されているボンネットですが、一般的板金塗装屋さんの再塗装としては、結構上手です!
物咬みもないですし、メタリックの立もない、磨き傷も全くありません。
多少の線傷は在りますが、
これはオーナー様が洗車で付けられてしまったのでしょう・・・
↑↑の写真の水銀灯の下には、すでに酸化痕らしきものが出来てしまっていますが、これはおそらく虫の付着か鳥糞でしょうが、再塗装からさほど時間経過していないにもかかわらず、すでにこのようなダメージを受けていることから推察すると、
使用されている塗料も通常の国産塗料でしょう。
輸入車用の輸入塗料であれば耐擦り塗装で、
塗装硬度も硬いですからそう簡単にはこうはならないでしょう。
という予想を裏付けるのは、磨いてみても簡単に塗膜が研磨できます。
輸入車用耐擦り塗装ですと、こんなに簡単には傷は無くせません。
03スタンダード磨きコースですから、研磨厚は10μです!
これだけの研磨をするのですから、ほとんどの線傷は徐去出来てしまいます。
但し、上記した酸化痕の一部はすでに多少のクリアー浸透をしている所もあり、
これは微細ですが多少は残ってしまいました・・・
露天駐車の宿命です・・・
車庫はほしいですねー
というより、車を大事にしたかったり、良い状態を維持したければ、
何よりも最優先するべきはやはり車庫でしょう。
お住まいがお近くだったら、弊社で預かって差し上げるのですがねー
Mercedes-Benz メルセデスベンツ 500E(124036)
コーティング終了
見違えました!
500Eの特徴である、大幅なオーバーフェインダーがより一層強調され、
なんとも言えない曲線を醸し出しています。
正直なところ、
今まではこのようなシャンパンゴールド系はどちらかというと嫌いな塗装色に属していましたが、このお車ではこの色が超似合いますね!
何せ押し出しの強い車ですから、濃色系ですとちょっと品が無くなってしまいます・・・
御入庫中に訪れた私の友人も、
「この車まさに金融屋仕様みたいだけど、この色なら品があるからいいねー」
と言っていましたが、その金融屋のイメージって、南の帝王萬田銀次郎のこと言ってるの?
其れってあくまでTVだし・・・
私に記憶ですと、
バブル時代のそれ系の方が乗っていたのは560SELやケーニッヒがほとんどで、
500Eではほとんどみなかったような気がします。
このお車にお選びいただいたコーティングは、
またもや“ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ハイブリッド”です!
Eベンツでこのコーティングが似合うのはW211までで、
それ以降のベンツはプレスラインも強く平面的パネル構成の為に似合わないでしょう。
但し、このコーティングの特徴である深い艶感の為の弊害がこの車には出てしまいまし・・・
というのは、再塗装されたボンネットの色が既存パネルよりも多少薄く、
その色差が施行前よりもはっきりしてしまいました。
尤も、完成写真を見ても判らないレベルですので、パッと見で変に感じるほどではありませんから、妥協範囲内とも言えるでしょう。
お預かり期間中にメールにて、“レジントップコート・コクーンSTD”の御依頼もいただきましたが、露天駐車車両ですのでやられないのかな?
とは思っておりましたが、やはりご依頼を頂きました!
淡色車ですので、比較的初期ダメージは受けにくいでしょうが、洗車中の携帯電話など予期せぬ中断などで水染みを作ってしまわれることも可能性としてはありますので、
転ばぬ杖としては御選択いただいたことは正解でしょう。
御引き取りに見えられ、現車確認をして頂きますと、
「すごく車が引き締まった感じがしていいですねー」
「フェインダーも良い感じです!」
と、ご満足いただけたようです。
安い施工費ではありませんし、ましてや三重県よりわざわざお越しいただいているのですから、これで期待したほどではない・・・
では、申し訳なさすぎると心配はしていましたが、
どうにか期待には添う事が出来ました様ですのでホットいたしました。
この度は遠路お越しいただきまして、ありがとうございました。
私の大好きなW124しかも、憧れの500Eを施工できましたことは、非常にうれしかったです。
貴重なお車ですので、大事になさりずーっとお乗りください。
その為にも、やはり車庫は何とかして頂いた方がよろしいかと思います。
御帰りの際の後ろ姿、良かったです。
PS:うっかりしていて高速代のキャッシュバックお渡しするのを忘れてしまいましたので、ご連絡させて頂きまして、お振込みにてお支払いいたします。
申し訳ございませんでした。
車両クラス:クラスX
施工コース:
コーティングコース=ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ハイブリッド ガラスコーティング
磨きコース=03スタンダード磨きコース(ダメージの深い傷取り磨き鏡面仕上げ)
オプション施工1=04スタンダード磨きコース(サイドガーニッシュ上クリアーミスト&ペーパー目除去磨き×8パネル)
オプション施工2=レジントップコート・コクーンSTD
オプション施工3=樹脂クリアー(サイドミラー台・ドアハンドル・アンテナ台・テールレンズ枠・トランクトリム)
施行料金:294.589円(淡色車割引磨き-5%・輸入車割増+10% 適応・高速代バック別途)
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