2015年08月16日公開|日産
4年以上前に、
ボディの磨き&コーティングを1回施工いただいておりました会員様でしたが、会員有効期間内でのご利用がなかったために残念ながら、
会員権は失効してしまわれておりました・・・
この間一度事故を起こされ、ご入庫のご相談もいただきましたが、事故がオーナー様の過失が大きく、
車両保険のご加入もなかったため、
ご自身の修理はほぼ実費となってしまわれたため、修理内容はとりあえずの現況復帰で且つ見積もりのふかし等により実費負担を減らしたいとのご要望であったと当時の店長からは聞いておりましたが、この様な行為は保険会社から見れば詐欺行為に当たるため、弊社ではお断りさせて頂きました。
まだかなりお若い方ですが、その年齢でこのような高額車両を新車購入されていますので、ローン金額の支払いが一杯で、車両保険まで入られる余裕がなかったのだと思われます・・・
実際この様に高額車両にお乗りで車両保険未加入の方は、弊社常連様でも少数ですがいらっしゃいます。
同じような理由の方もいらっしゃれば、まったく違う理由の方もいらっしゃいます。
違う理由の方の理由は?
等ですが、この理由かなり無茶です・・・
有り余るお金をお持ちであるならば良いのかもしれませんが、
事故はオーナー様の意識だけでは防げませんから、1000万円の車を購入されて当日廃車という事も有りえます。
もしそんなことが起きれば、1日のために1.000万円を消費することになってしまいます・・・
金銭的理由において車両保険(限定なし)に加入されていない場合の例が、弊社春のツーリングにて起こりました。
この事故は、タクシーによる後方追突でしたので、過失は100-0ですが、見積もり修理額は300万円を優に超え、
あまりの高額修理にタクシー会社側は支払い拒否・・・
幸にも、車対車限定の車両保険には加入していましたので、
自身の保険会社が立て替え払いを行い、とりあえず修理着手の見通しは付いてきましたが、それでもすでに3か月が経過してやっとこの段階です。
もし、車対車すら加入されていなかったら、自身の保険会社の立て替え払いもありませんから、修理は行われないか?
自費で支払うか?
と、なってしまいます。
此処で怖いには、賠償に応じない加害者側を裁判等で訴えて仮に勝訴したとしても、これはあくまで損害弁償金額を正当化できたにすぎず、
加害者側に対しての強制的執行権を有する物ではありませんので、
加害者側が支払う意思を持たなければ支払いはなされません・・・
保険会社から聞くところによると、
このような例はタクシー・トラック・経済弱者の場合は非常に多く、この段階から弁済させるためには次のステップが必要となり、莫大な時間と費用が掛かるそうですが、仮にそれで弁済をされても、それに掛かった時間と費用は請求でないそうです。
つまり、個人レベルであれば泣き寝入りしかないでしょう・・・
この例に出した方の場合、経済的理由において車対車限定に入られ、
自爆事故はまずないであろう!
という、楽観的予想に基づいていましたが、今回の事故で自爆も有り得る・・・
という事をやっと理解され、且つそうなったときにはこのような高額修理費用が必要となることを身を持って解られ、速攻限定なしの車両保険に加入されたそうです!
此処で理解して頂きたいのは、保険すら満足に掛けることができないような、
無謀な車輛購入はすべきではない!
保険さえきっちり入っていさえすれば、ほとんどの事故において自費負担は生じませんから、結果的には経済的にも精神的にも苦痛を味わうことは回避できます!
この様なことが、
車を保有・運転する者にとっての社会的責任をキチンと負う事にもなるでしょう。
以前ご入庫から、
外装内装ともにかなりのカスタマイズがされております!
ホイルも19inに大径化され、幅も広いものに換装されて、
レイズのブランドホイルを履かれています!
ここまでは理解できますが、問題はタイヤ・・・
せっかくのブランドホイルにトーヨーのタイヤは、ちょっとバランス悪いでしょう・・・
しかもこの手の車に275という幅広タイヤは、
デメリットは生じてもメリットは皆無です。
パターンを見てもお分かりのように、
このタイヤ特性は走行静粛性とECOですが、このようにタイヤ幅を広げてしまえば、
そのメリットも帳消しとなり、このタイヤを選択した意味すらなくなってしまいます・・・
更にはこの手のタイヤは、
通常タイヤに較べウエット性能はパターン・コンパウンドの問題で劣ります・・・
通常サイズであれば、法定速度内であれば危険はないでしょうが、
このように極端な幅広にした場合、排水性も悪くなり接地圧も下がりますので、ハイドロを起こす可能性は大雨の高速道路では相当高くなってしまいます。
カスタマイズやドレスアップ自体は、個人の自由ですが、
車両性能やトラブル回避性に影響を及ぼすような可能性のある内容は、
周囲に危険を及ぼし、結果自身に帰ってくることですので、
ほどほどにするのが自己自重における社会的責任と言えるでしょう。
かく言う私も、極端なタイヤを履いた車もありますが、必要な理由も存在し、
デメリット部分は危険を伴わないセーブは心がけています!
単なる、言い訳・・・
新車時施工の際に、
ヘッドライトカバーにはペイントプロテクションフィルムを貼って、
このようにクリアーが傷むことを防止する措置を取ってありましたが、
以前の事故でどうやらヘッドランプカバーを中古品に交換したらしい?
片方のフィルムを貼ってあるものは、まだ全然大丈夫!
然し交換されたこちらは、全体までには及んでいませんがすでにクリアー剥離がおこってきています・・・
業界では、日産のヘッドライトカバーは、
素材であるPPもその保護層であるクリアーも国産の中では一番低品質と言われています?
その為か、劣化の見た目以上に表面には傷も目立ちます・・・
PPに入ってしまった傷は、スクラッチ程度なら取れますが、完全な線傷レベルになってしまうと、まず磨き取ることはできません。
無理な磨き方をすると、摩擦熱でPPが溶けるか、クラックが入ってしまいます・・・
クリアーを全剥離しないで済むかを試すために、とりあえずミディアムポリッシュを行ってみましたが、すでに極端なクスミとなっている部分には、
すでにクリアーは存在していません・・・
その為、“ヘビーポリッシュ”によりクリアー全剥離の必要が出てしまい、特殊ペーパーを使用して全剥離したのが←の状態です!
その後さらに#3.000のペーパーで表面を整え、さらにポリッシャーにより3段階の磨きを行い、
クスミの無い透明な表面を作り出します。
が・・・
施行前にも確認できていた線傷ですが、いざクリアー剥離をしてみると、
かなり大量に入っています・・・
残念ながら、このような傷は無理に追い込むと、
ヘッドライトカバー自体の破損の可能性が高まりますので、無理に磨き取ることはいたしません。
“ミイラ取りがミイラ”になってしまいますからねー
下処理が終了しての保護の仕方は、
以前と同じようにペイントプロテクションフィルムを施工するか?
専用シリカトップコートを施工するか?
の選択肢に既に会員権は失効してますが、
オーナー様のご希望は“ラジカル・コーティング”!
本来であれば、元会員様と言えども権利はありませんので、
施工対象外となりますが、まだ長期失効までには至っておりませんでしたので、
今回だけはご希望に沿う事といたしました!
但し、私からすると、すでにPP自体に傷が残ってしまっているため、
それを見えなくするための効果もあるプロテクションフィルムのほうが良いにでは?
との思いましたが、オーナー様のご希望ですので、その意向に従いました。
そしてラジカル・コーティング終了後、
“専用トップコーティングをWコート”して終了です!
今回の御入庫の最大の理由は、
このウインドウの見たこともないレベルの激しい水染み・・・
よく見ると、さらに傷も大量に入ってしまっています。
以前やはり水染み付着が目立つようになり、
ニッサンディーラーにて水染み除去と撥水コーティングをしているそうですが、
その施工を行ってから以前より酷い水染み付着を起こすようになってしまったそうです・・・
けれど、本来はウインドウ撥水を施行すれば水染みは付着しづらくなるはずですが、使用されたコーティング剤はいったいどのようなものなのでしょうか?
更には、その施工の際、水染みを落すためにポリッシャーを使用したらしいのですが、それにより水染みがとれた代わりに磨き傷だらけになってしまったそうです・・・
外注でガラス屋さんに出していればこのようなことにはならづに済んだのでしょうが、
素人のメカニックが行ったためこの様になったのでしょう。
ハードなガラス磨きは、ボディの磨きよりもリスクは高いです・・・
というのは、ガラスにポリッシャーで入れてしまった傷は相当高度な磨きを必要としますし、
特殊機材も必要です!
塗装の硬さは2.5~3H程度ですが、ウインドウガラスは9Hありますから,
素人レベルで磨けるわけがありません・・・
一般的には、ディーラーの設備や知識が一番高い様に思われがちですが、ある一部の内容わ除けば逆に一番設備・知識が低いのがディーラーでしょう。
先日もあるトヨタディーラーのサービスマネージャーが訪れ、弊社の磨き関連の設備や機材を見に来られましたが、自社の物と比較した場合、
「大人と子供以上の差がある・・・」
と言って、ビックリなさっておいででした。
「会社に稟議あげて買ってもらえばいいじゃないですか?」
というと、
「基本的には、よほど必要性がない以上は3万円以上の物は買ってもらえません・・・」
とのことでしたが、弊社使用に機材には3万円以下のものは有りません。
このサービスマネージャーは、自腹購入すると言っていました・・・
この様にろくな機材もそろっていないのですから、
当然専門知識もある訳もありません・・・
極軽度なものであれば対応も可能かもしれませんが、
このお車のように重症患者は治療しようとすることで逆にとどめを刺してしまうことになるのは当然でしょうねー
無資格医が、診療所レベルのところで外科手術するようなものです・・・
ということで、今回は全ウインドウ“ヘビーポリッシュ”にて磨きを行います!
通常ヘビーポリッシュは面を磨くのではなく、
ワイパーなどで部分的に入れてしまった傷をピンポイントで磨く為のシステムですので、今回のようにウインドウ全面にくまなく入ってしまっている傷の対応はできません・・・
その為、今回はミディアムポリッシュで使用するポリッシャーとバフを使い、ハードポリッシュ用のコンパウンドで全体を磨き、それでも残る傷の酷い部分や隅の部分のみハードポリッシュ用ポリッシャーとコンパウンドを使用して磨きました。
磨き前には、
「これだけ酷い状態になってしまい、此処から回復はまともにできるのだろうか?」
「ガラス交換のほうが良いのではないのか?」
など、今後の作業のハードさを予想してかなり消極的でしたが、いざ磨いて行ってみると、意外にも傷は結構簡単に落ちます!
とはいえ、12時間くらいはかかりましたが。
特にフロントとリアの磨きの際は、姿勢が非常に無理が掛かるため、時間消費の3倍くらいの体のつらさが伴います。
この作業は、老体には相当きつい・・・
爪に引っかかりがある様な深い傷は、弊社システムでは除去は不可能です・・・
250万円ほどする特殊な機材を使用すれば除去は可能ですが、
この工賃は恐ろしく高いため、輸入車の特殊なガラス等相当高額なガラス以外ですと、
交換のほうが安くなってしまいます。
事前にこのようなことはご説明させて頂いておりますので、ニッサンディーラーで入れられてしまったポリッシャー傷の一部は残ったままですが、
見て気になるレベルではないでしょう!
どちらかと言えば、ご自身で入れたと思われる直線状の線傷のほうが目立ちます・・・
これは、寒冷地の露天駐車車両では多くみられますが、凍結したガラスや積雪した際のスクレーパーによる除去の際、
スクレパーの傷みや付着している鉄粉などにより深い傷を入れてしまうようです。
中には、雪かきでやってしまう方もいるくらいですから・・・
御引き取りに見えられ、作業終了状態をご確認いただきましたが、ウインドウのリセット状態はオーナー様の予想を超えていたようで、ご満足いただけました!
但し、御聞きするところによると、
お住まいの近くにアスコン(アスファルト)工場があられるそうですので、その煙突から排出されるピッチ・タールを含む煤煙が今までの水染みの元凶であったとしたら、今回施工させて頂いた
“スプラッシュビュー・ウインドウフッ素コーティング”がその付着を防ぎきるものなのかは今後の観察でしか解りません?
もし、水染みの付着状況が緩和されないとしたら、後は定期的にリセットを繰り返すか、
車庫を建てる以外方法は無いでしょう・・・
ボディの状態を見る限り、かなり厳しいのでは?
と、予想されます。
然し、前々から感じてはいましたが、弊社におけるニッサン車の比率は、巷での販売台数と比較した場合、極端に少ない・・・
此れ、日産ブランドを好まれる方のタイプが、
他メーカーを選ばれる方特にトヨタとは一寸違うような気がします。
私が若いころは、ニッサン派とトヨタ派とは色々なことで相いれない部分が確実にありましたからねー
弊社でニッサン車もお持ちの方は、確かに他のメーカーを好まれる方とは、
一寸車に対してのスタンスや拘られる視点が違っているように感じます。
というのは、車の外見意匠性への拘り方が違うような?
あくまで、予測ですがDIY派が多い様な気がします!
この度は、オプションのみの施工にもかかわず、高額施工となってしまい申し訳ございませんでした。
但し、このようになってしまった原因は、車両管理の方法やリセットの方法選択の誤りや、行うべきタイミングを逃していることが大きな理由になっていると思われます。
金銭的理由もあられることでしょうが、タイミングを逃したり、単に施工価格だけで選択してしまうと、かえって出費は嵩んでしまったり、無駄な作業となりかねませんので、選択は慎重に行ってください。
PS:たまたまバッティングしたマクラーレン670S、まず巷であの距離で見ることはなかったでしょうから、ベストタイミングで貴重な経験ができましたね。
車輛クラス:クラスLL
施工コース:
オプション施工1=ヘッドライトカバー=ヘビーポリッシュ
オプション施工2=ヘッドライトカバー=ラジカル・コーティング(会員様限定施工)
オプション施工3=ヘッドライトカバー=専用Wトップコーティング(Wコートはラジカル施工車両のみ対象)
オプション施工4=スプラッシュビュウー・ウインドウフッ素コーティング(フロント基本セット+リア基本セット×ヘビーポリッシュ)
施工料金:151.200円税込
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