2015年09月27日公開|ルノー
2年ほど前に新車時施工いただいております、
プレミアム会員の愛知県のお客様ですが、今回再施工でご入庫いただきました!
わずか2年足らずで再施工はもったいない・・・
確かにその通りで、新車時施工のコーティングは基本耐久7年ですので、完全露天駐車で完全洗車機洗車ではありますが、
そうはいってもまだコーティング自体の寿命には至っておりません。
なら、なぜ???
実はこのカングーはソリッドカラーでしかも1コートですので、クリアーが有色に練り込まれたタイプとなりますが、
完全露天駐車の為紫外線によるトップ部分の白華が起こってきてしまったためです・・・
所謂、ガードレールの塗装劣化と同じような現象ですが、
これは白の場合白を作り出す為の顔料として酸化チタンを主成分としているために起こってしまいます。
酸化チタンは紫外線により有機物破壊を引き起こす為、
塗料自体が自己崩壊してしまうためこの様なことがより起こり易くなります・・・
つまり、
シリカコーティングで高級コーティングほど紫外線透過率は高くなってしまうため、このような現象はコーティングでのガードは殆ど期待できません・・・
いくら商用車ベースとはいえ、こうなることは必定ですので、メーカーも多く乗用車として使用されていることは把握しているでしょうから、2コートで作るべきでしょう!
最近では、一部そのような変更がなされているとか?
塗装部分だけでなく、未塗装樹脂の劣化も目立ち始めてきてしまっています・・・
これは、欧州車のデメリットの一つです。
まだカングーは使用個所がさほど多くありませんので救われますが、外装全体に使われている場合には、いくら塗装部分の程度がよくても、
未塗装樹脂部分がやつれていると全体の印象はボロ車のように見えてしまいます・・・
という事で、
今回外部未塗装樹脂部分全てに“未塗装樹脂クリアー”を施工いたします!
8月にも旦那様のお車で施工いたしておりますが、その印象がよろしかったのでしょう。
一般的未塗装樹脂のコーティングと言うと、アーマーオイルなどの油脂系かボディ用コーティング剤の転用などが多いでしょうが、
アーマーオイル等油脂系は一時的には艶を出しますが素材自体の油脂を破壊していきますので、結果として素材劣化を早める可能性があります・・・
又、ボディ用シリカコーティングの転用では、コーティング剤が細かすぎ、
素材に吸い込みををされてしまうため持続性にかけます・・・
未塗装樹脂専用コーティング剤(シリカ系)と言われているものも、ボディ用よりはましかもしれませんが、やはり長期意匠性維持は難しく、およそ6か月くらいが限界でしょう?
然し、弊社の使用する“未塗装樹脂専用クリアー”は、
シリカ系ではありますが素材吸い込みをされないような特殊な加工が施されているため、よっぽど素材密度が粗いもの以外は数年間素材表面の意匠性が保てます!
クリアーと言う名前が付いているのは、
コーティングと言うよりクリアー塗装に近い表面製膜性を持つためです。
恐ろしい鉄粉付着量です・・・
過去この様な鉄粉付着は見たことがありませんが、どうすればこの様になるのか?
確かにお住まいの近くは名古屋環状や鉄道などがありますので、その影響も相当高いでしょうが、
近隣は工業地帯でもないのにここまでの状態は一寸異常です・・・
弊社にはちょくちょくお寄り頂いていますので、時々お車のご様子は拝見していましたが、
その際リブなどが黒ずんでいるのが気になっておりましたが、
どうやらその原因もこの鉄粉のようです。
この状態を今後防ぐには、
駐車環境を改善できなければ後は洗車頻度を高めるしかないでしょう。
せめて、週一は必要でしょうねー
この様になってしまったもの(白華)は、
通常の磨きでの回復はかなり無理があるため、ボンネットと左右フロントフェンダーの上部は
“04スタンダード磨きコース”で、
白華部分を#3.000のペーパーで削り落とします!
柚子肌感を壊さない特殊なペーパーを使用する為、今回のように部分的にこの様な作業を行ったとしても、
隣接する部分との肌感の違和感は起きません。
但し、それなりの膜厚消費は覚悟しなければならない為、極端に膜厚が不足しているようなお車での施工はできません・・・
このお車のように、施工前膜厚が108μあれば問題はありません。
この様に、しっかりとペーパー目が入っています。
恐らく、
この時点ではまだ白華部分は完全には削り取れていないでしょうが、ペーパー傷の底部では恐らく到達しているものと思われます?
こうすることで、次の段階での磨きでペーパー傷と残った白華部分を除去するようにすることで、
少しでも無駄な膜厚消費を防ぐ為の方法ですが、この判断はあくまで感でしかない為、
経験値がものを言います!
昔はこの施行は多かったですので、自信はありましたが、最近はめったに施工しない為感が当たるかは?
ペーパー目を除去する為だけに使用する、特殊ウールバフでの磨きで、
上手いことドンピシャで白華も消えてなくなりました!
結果塗装白華深度は6μであったことになります。
久々の施工でしたが、
意外と習熟した技術や感は衰えていないようです!
もしこの段階でまだ白華が残っているようですと、
再度ペーパーを掛け直すところに戻らなければならない為、この読みが当たるか?
当たらないかは?
施工効率上非常に重要です。
単純に2年経過車で、高硬度コーティングであるブリリアントフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ施工車両としてとらえると、正直傷は多過ぎ・・・
となりますが、オーナー様は女性ですし100%洗車機洗車であることを考慮すれば、こんなものかもしれません。
前記した、恐ろしい量の鉄粉付着も、
この様に傷が入ってしまっている大きな原因になっているでしょう・・・
洗車の際、付着が甘いものは取れながら引きずられるでしょうから。
今回、ボンネットとフロント左右フェンダー上部以外は、
“02スタンダード・ソフト磨きコース”での磨きでしたので、
極端に深い傷以外は除去できましたので、一気に意匠性は上がりました!
管理がよければ、まだ新規施工から2年弱の経過ですのでここまでの磨きをせずに、
メインテナンス磨きのみでも十分なはずですが、
露天駐車+ソリッド塗装+洗車機+多量の鉄粉付着と言う4重苦に相まって、
この様にヘビーな施工が必要となってしまいました・・・
田舎での管理にも田舎なりのリスクはありますが、
都会の場合も都会なりのリスクや洗車環境に大きな制限があることは、
都会での車両状態保持のむずかしさを感じます。
04磨きコースからスタートした部分は、
最終的に9.5μの研磨となりました。
そのおかげで、塗装白華していた部分も除去され、
全体バランスのとれた意匠性になりました!
但し、今後も同じように白華が起こるリスクは、
根本的に車庫環境が変わらない限りは変わりませんから、
これから先また同じような施工を必要とする可能性は有りますが、
その際には1コートであるがゆえに膜厚消費がさほどリスク要因とはなりません。
と言うのも、2コートであればこの残存膜厚に対して、
後30μ程度が残存クリアーと想定されますが、
このお車のように1コートであればあと60μ近く研磨可能となります!
但し、施工可能であってもこれだけのことを再三繰り返さなければならないことは、
多大なメインテナンスコストを消費することに=となりますから、良い事とは言えませんねー
RENAULT ルノー カングー ハッピーファミリー(KWK4M)
コーティング終了
何とか、新車時レベルに近いところまで回復はできたと思います!
但し、リブ部分など細かな処にはソリッドホワイトであるが故の、
汚れの堆積等はよく見ると残ってしまっていますが、
これまでを完璧にしようとすれば更なる支出となってしまいますので、
妥協も必要でしょう。
御引き取り見えられたオーナー様も、非常に気にされていた意匠性低下が激しかったボンネットとその付近の回復にはご満足いただけたご様子です!
「グロスがすごいですねー」
との、感想を頂きましたが、これは今回色々考慮された結果シリカコーティングをやめられて、
“ザイモールWAX”としたことによります!
ザイモールとは、所謂WAXではありますが、一般の方がWAXと思われている石油油脂系WAXとは全くの別物で、これが本当のWAXです!
本当のWAXとは?
基本成分がカルナバ蝋であることと、
主成分として50%近くを含み副成分も植物系であることです。
量販店等で売られているシュアラスターWAXなどで、
「カルナバ蝋100%」
などと表記しているものがありますが、これはでたらめな成分表記で、混入されている植物蝋がカルナバ蝋を使用しているという事だけの話で、
全体に占める比率は1%程度と言われていますから、殆ど眉唾物です・・・
しかも、カルナバ蝋は生産地は世界中に及びますが、
上質生産地はブラジルとなります。
その中にもブラジル○号と言う等級があり、更にその中にホワイト・イエロー等の細かな種類まで存在しています。
問題は、カルナバ蝋を使っているという事ではなく、
全体成分の何パーセントがカルナバ蝋で、副材料は何か?
どこの産地のカルナバ蝋か?
ブラジルカルナバ蝋なら何号を使用しているのか?
そのブレンドカラー比率はどうなっているのか?
ここまで表記できてこそ、本物のカルナバ蝋WAXと言えます!
然し、シュアルスターなどでは最高級レベルのものでさえ、曖昧な表記しかされていません・・・
然し、ザイモールは上記した成分は全て配合率まで公表されています。
つまり、本物のカルナバ蝋WAXだからです!
そのその今回なぜシリカコーティングをやめてザイモールWAXに変更したか?
ですが、塗装白華を少しでも遅延させることが目的となります。
シリカコーティングでは、どの様なコーティングを選択したとしても、
紫外線の塗装への透過率は大きな変化はありません・・・
然しWAXは、表面反射率がシリカコーティングに較べ数倍ありますので、
塗装白華を少しでも遅延することを期待しての選択です!
しかも、ザイモールWAXの場合はカルナバ蝋の成分比率が高いため、
製膜時の表面硬度がシリカコーティングに等しい硬さを持つため、
傷入れに対しての防御性能もあるためです。
但し、所詮WAXであることには変わりはありませんので、
長期耐久性は期待できませんから、少なくとも1年ごとの再施工は必要となってしまいます・・・
しかも、通常のWAXのように摩擦消滅は1年ではしない為、専用のHDクレンズを使った、
WAXをそぎ落とすためのクレンザー作業が必要となります。
この作業はかなりの重労働で、且つ長時間かかるため、
DIYでの作業は相当の覚悟と作業環境が必要となります。
此方のオーナー様は、これらの作業を1年ごとに弊社に依頼なされることを前提として、今回この様なご選択をなされました!
この度も、施工ご依頼いただきまして、ありがとうございました。
タイミングよく友人より松茸の差し入れがあり、お持ち帰り頂くことができましたが、ご堪能いただけましたでしょうか。
頻繁にいらして頂くことで、ほぼ近隣の名物料理は網羅されてしまわれましたが、今回一寸お話させて頂きました鯉料理など次回はいかがでしょうか。
冬であれば、鹿・猪などもありますが、これは道路状況的に厳しいですね。
来月15日以降であれば、待望の新米もご用意できていますので、お立ち寄りください。
会員クラス:プレミアム会員
車輛クラス:クラスLL
施工コース:
コーティングコース=ザイモールWAX・チタニュウム
磨きコース1=04スタンダード磨きコース(ボンネット+左右フロントフェンダー上部・柚子肌残しの超鏡面磨き)
磨きコース2=02スタンダード・ソフト磨きコース(上記範囲外・程度良好使用過程車向け・傷取り鏡面仕上げ)
オプション施工=未塗装樹脂クリアー(外装部未塗装樹脂総て)
物販=拭き上げ専用超特大吸水クロス
施工料金:118.194円税込(会員再施工割引-30% 適応・物販込)
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