2015年11月27日公開|アウディ
会員様のお車ですが、またもやこちらも事故・・・
100-0での賠償事故ですのでまだ救われますが、
問題は担当保険会社が全労済です。
ちょっと前の全労済では、あわや裁判?
と、いうくらい揉めましたがその時は東京の事故センターでしたが、
今回は地元の松本の懇意なアジャスターさんが担当してくれることとなりましたので、恐らくスムーズに事は運ぶでしょう!
今回はオーナー様の意向でお車を購入された長野ヤナセさんで板金修理をされたのち、
長野ヤナセさんから弊社にコーティング依頼をするという、
通常ではないパターンの修理依頼でしたが、長野ヤナセさんんが、
「オーナー様のこだわりが強いため、
自分の外注工場での修理はリスクが高いため、そちらの指定の板金塗装工場を紹介してほしい?」
とのことでしたが、弊社外注板金塗装工場からはあっけなく断られました・・・
理由は簡単で、
リスクだけ背負わされ赤字になってしまう。
板金等工場がこの様な理由から、今回は受けないであろうことは判ってはいました。
という事で、今回はオーナー様に御願をして、
長野ヤナセを通さずに弊社に直接依頼に切り換えて頂きました。
ただし問題は、すでに車は長野ヤナセにありますので、その車をどうやって弊社まで持ち込むか?
です。
長野ヤナセから弊社までは約100kmですので、
往復200kmもの移動は誰もただでは行いません・・・
当然弊社にしてもこれは無理ですが、保険会社もいかに賠償事故と言えども自走可能状態では本来はこのような費用は支払い対象にはなりません。
筋からすると、これはオーナー様が弊社にお持込み頂くしかないことです・・・
然し、オーナー様は福島に3か月の出張に行かれてしまっていて、到底弊社への持ち込みもできませんし、代車も長野ヤナセさんから借りてしまっていますので、仮に弊社にお持込み頂いたとしても、2台でお越しいただくか?
公共交通機関でお帰り頂くか?
と、なってしまいます。
この様なことになってしまった原因は、新車時のコーティングは長野ヤナセさんから弊社への依頼ではなくオーナー様からの依頼ですので、
根本的に長野ヤナセさんを今回のことに拘わらせようとしたことに起因します。
とはいえ、このままの状態で放置するわけにはいきませんので、何らかの結論を出さねばいけません。
これらのどれをとっても、いまさら感はぬぐえません・・・
という事で、保険会社の担当との話し合いの結果、陸送費用の金額は未決定のまま、取りあえずは弊社で陸送を行い、最悪陸送費用が全額保険会社が負担できない場合は、保険会社がオーナー様に陸送費用の負担を交渉する、
という見切り発車となってしまいました・・・
間違いなく、最後に大揉めになるパターンです。
今回の教訓から、いくら常連様と言えども、
他社元受での事故補修コーティング依頼はお断りいたします・・・
地理的問題において、板金塗装修理を他社で施工されなければならない場合におきましては、修理完了後のコーティング補修は弊社直接依頼として頂き、その際はオーナー様ご自身でのお持込みを頂くか、
陸送もしくは交通費の支払の交渉はオーナー様ご自身での交渉でお願いいたします。
また、他社修理においての仕上がり具合に関しましては、
弊社の管理するところではありませんので、
弊社での補修コーティングの仕上がりにつきましては、
保険支払の規定施工内容に従うものとなりますので、
通常の様なクオリティーの弊社での責任も持ちかねますので、ご了承ください。
今回の破損個所は、フロントバンパーの交換再塗装と、左フロントフェンダー板金塗装となりますので、隣接パネル施行はボンネット・左フロントドア・右フロントフェンダーとなりますので、施工前準備洗車時点で隣接パネルには、
鉄粉除去の為“鉄粉クリーナー”を施工いたします!
が、いざ行ってみると新車施工から約3年間ノーメインテナンスの為、
かなりの鉄粉の付着が確認できます・・・
1パネル数百か所あるでしょう。
オーナー様から事前に、
「入庫時他に問題があれば教えてほしい。」
との御依頼がありましたので、この現状の鉄粉付着状況をお伝えして、
「施工範囲外の鉄粉除去を自費で行いますか?」
とお聞きしたところ、ご依頼を頂きました!
このお車の場合、13パネルに分割されますが、保険会社負担で3パネル、再塗装部分で2パネルが削除されますので、
結果オーナー様のご負担分は8パネル分となりますので、このような機会に施工しておく方が、今後の車両状態を良い状態で維持するためには良い機会でしょう!
右フロントドア上部プレスライン下に、デント凹みがあります・・・
これは今回の事故とは無関係ですが、やはりオーナー様にご確認を取ってどうするかをお聞きいたしましたところ、
「直しておいてください!」
とのことで、自費修理で対応されることとなりました。
という事で、いつものデント屋さんにお願いして出張修理して頂きました!
大方は凹みは解消されましたが、光の加減と見る方向によっては、
多少凹みの痕跡は確認できてしまいます・・・
「これもう一寸何とかなりませんか?」
とお聞きしてみましたが、凹み位置がプレスラインに近いためプレスライン側に鉄板の張力が掛かっており、そちら側には凹みを散らせない為3方向に凹みを散らす為、
どうしても多少歪みが残ってしまうそうです・・・
かといって、さらに3方向で広範囲に散らせていくと、部分的には解消はできても、
散らした範囲が全体的に歪みを残すのでそれは止めたほうが良い、とのことでした。
つまりこれ以上のクオリティーを望まれるとなると、板金塗装しかないそうですが、さすがにこれだけのことで8~10万円の支出はもったいないでしょうねー
ただし気になったのは、オーナー様自身もこの凹みには気付かれてはいらっしゃいましたが、弊社からの提案があったので直すことにはされましたが、
提案しなければそのまま乗られていたであろうという事。
つまり約3年が経過することで、すでに車への愛着が相当薄れているのであろう・・・
と、思われることです。
私でしたら、メインカーであればこのような凹みは気になって気になって、
1日でも早く治そうとするのですが・・・
これ以外にも、この様に感じてしまう点がいくつかありました・・・
等々です・・・
この様に、お車の手入れが雑になり、放置状態が長くなり始めると、
お車の傷みとかやつれ感は一気に加速して行ってしまいます・・・
これからエンカルが撒かれ、頻繁には洗車もできないような季節に向かっては、このような状態のまま冬季を1シーズン越してしまうと、
来春には更にやつれ感は急速に加速してしまっていることになるでしょう。
此の部分←のフロントフェンダーですが、今回再塗装を行っていますが、仕上げ磨き時の拭き上げの際か?
最終洗車の時に傷を入れてしまったのか?
いずれにしても、結構な深さの傷が入ってしまっています・・・
正直なところ、再塗装においてこの程度の傷で済んでいることは一般的にはまずありません。
今迄の経験からすると、他店再塗装ではこの10倍は傷があります・・・
今回も、一番初めの予定では長野ヤナセさんで板金塗装をされて弊社持込みの予定でしたので、上記したような傷の状態より、
相当酷い状態での持込みになっていた確率が100%近かったでしょう。
然し、その場合再塗装のクオリティーに関しては弊社の責任範囲外となりますので、どの様なクオリティーだったとしても、
保険会社が認める範囲以上の磨きはできませんので、その施工範囲で残ってしまう傷が相当あったとしても、そのまま傷残りで完了としてしまうか?
オーナー様から自費でお支払いをして頂いて、完全に磨き取るか?
と、なってしまいます。
この様な場合、再塗装のクオリティーに関しましては、
弊社も保険会社も第三者でしかないですので、
再塗装を行われたところとのクレーム等の交渉は一切できません・・・
再施工や自費差額分の負担を求めるとしたら、
その工場と直接オーナー様に交渉して頂くこととなります。
仮に、このようなことが弊社外注先にオーナー様が直接依頼されての結果、同じようなことが起きてしまっていた場合でも、
弊社から外注先にクレーム交渉はできません・・・
この場合でも、いくら弊社が常に外注していると言えども、
その修理に関しては弊社は部外者ですので、口出しはできません。
同じ工場なのに、なぜこのようなクオリティーの差が付く可能性があるのか?
と、思われるかもしれませんが、
これは事前のクオリテーに関しての契約内容の違いとなります。
特に今回のように、保険会社が支払いを行う場合には、規定工賃レパレートというものがありますが、
一般的には6.000円前後がレートなりその範囲での施工となりますが、弊社の場合は保険会社とのクオリティーについての条件指定が厳しいために、
8.000円前後のレートを認めて頂いております!
つまり、工賃に2.000円の差額が生じているために、
作業においての掛けれる手間量が違ってきているためです。
前記しているように、これが弊社依頼の板金等でなかったとすれば、
このような完全な傷の除去まではできていなかったでしょう・・・
今回の傷の状態では、
保険会社指定の磨きコースでは傷残りはしましたが、
弊社依頼の板金塗装ですので最終責任は弊社となりますから、
なんとしても完全な仕上がりをしなければなりません!
これにより生じる追加施工分の費用負担は、弊社が負担するか?
板金等工場に負担して頂くか?
の、決定権を弊社が持ちますので、責任所在は明白です!
再塗装されたパネルに隣接するパネルも、保険会社支払いの場合には弊社ではコーティングの再施工パネルとみなしますので、磨きを行ない古いコーティングを剥離して、
ある程度の傷も除去したのち再度コーティングをいたします!
然しこのお車、オーナー様には大変不躾ですが、
約3年の使用と走行距離からするとかなり程度は劣悪と言えます・・・
傷量も半端ないですが、その傷の中に深い傷が非常に多い。
これは、事前作業の鉄粉クリーナーの時点でも指摘しているように、
多量の鉄粉付着がありましたので、その状態で洗車を行えば手洗だろうが洗車機であろうが、付着鉄粉を引きずりますから、
このように傷だらけになってしまいます・・・
本音で言わして頂けば、管理程度としてはかなり劣悪と言えます。
この様な隣接パネルでの磨きは、保険会社が認定している磨きは、
“01スタンダード・ソフト磨きコース”が一般的には上限となります!
一般的にはというのは、隣接パネルの場合はあくまで未施工のパネルに対しての、
グラデーションによる意匠性のバランスを取ることを目的としていますので、
隣接パネルの完全施行を目的とはしていないためです。
その為、以前での施工時の磨きが01スーパーライト磨きコースであったり、01パーフェクト磨きコースで在る場合には、その際に行われている施工が基準となります。
上記したように、隣接パネル施行はあくまで未施工パネルとの意匠性のグラデーションンを目的としていますので、このお車のこのパネルの場合は、→の方向の先端に行くにしたがい磨きを軽くしていきます。
つまり、この様な隣接パネルの場合には、
わざと完全には傷を取り切らずに残す!
となります。
今回隣接パネルとなるボンネットですが、
水染み・酸化痕・傷ともにかなり状態は深刻です・・・
但し、水染みだけは被害レベルが低いのは、以前施工のコーティングが、
“マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ”で親水性コーティングだったからでしょう!
然し、細かな酸化痕にはさすがにガード力も追いつかなかったようです・・・
これは想像ですが、この様な細かな酸化痕は、
花粉もしくは黄砂の付着を一定期間放置しそれを繰り返してしまっているものと思われます?
乾いた状態でこれら花粉や黄砂が乗っているだけでしたら、
コーティングに被害まではまず及びませんが、放置されることで濡れたり乾いたりを繰り返しますと、酸を染み出させ固着していきます・・・
それら附着が更にそれらの物の吸着を呼びますので、
さらに大量の酸の染み出しをすることになっていきますから、
そうなるとコーティングもさすがに酸に溶かされ始めこの様になってしまいます。
↑↑の写真では、水染みや傷は大方処理できています!
但し、↑の写真には施行前と同じように細かな酸化痕は残ってしまっています・・・
コーティングは完全に通り越し、塗装を酸化させてしまっています。
現段階位なら、04or05磨きコースなら完全除去は可能でしょうが、後1~2年この状態が続けば状況改善は無理となるでしょう・・・
アイビスホワイトという淡色であるがゆえに、
ダメージが入りにくいだろうという過信と、気付きにくいことが重なって、ここまで短期間で痛めてしまったのかも?
Audi アウディ A6 Avant 2.8 FSI quattro(4GCHVS)
コーティング補修終了
幸にも、エンカルシーズン前に今回の補修施行でご入庫いただいたことで、
現状多量の鉄粉が付着していることが判明し、
保険賠償以外のパネルも自費にて鉄粉除去をして頂けましたので、特に冬期間に強いダメージを受けやすい付着鉄粉の酸化もこれでかなり防ぐことができるでしょう!
但し、特に冬期間は放置状態が長引きますと、せっかく鉄粉を除去したにもかかわらず、
新たな鉄粉が付着し酸化を急速にしてしまいますので、
こまめに高圧スプレーでエンカルと付着鉄粉を洗い流してあげる努力はして頂きたいですねー
一般のお客様方で勘違いされているコーティング知識として、シリカコーティングを施行されることで、塗装が完全にガードされるとか、
洗車はしなくて放置でも塗装は傷まない・・・
などという、都市伝説にもなりえないようなまやかし的妄言を信じている方がいらっしゃいますが、これはコーティング等の知識もほとんどない様なディーラーの営業マンやGSなどの、
根拠のない営業トークによる間違った認識です。
いくら高純度で無機性のコーティングでも、所詮は数μの厚さしかないものですから、高硬度であっても完全なガード能力を有することは有りえません・・・
あくまで、きちんとした管理取扱いを行っていただくことで、長期間塗装を守るガード能力を持続することが可能になり、きれいな状態を維持できるものです!
又、コーティングにより表面の滑面性が高まるために、
汚れにくくなり結果洗車が楽になるという効果が生まれてきます。
この度は、被害者となってしまい不幸なことではありましたが、このようなことがあったがために、現状の問題点も解り改善をすることもできましたので、物は考えようかもしれません。
又、相手方の保険会社である全労済も今回非常に誠意的対応をして頂けましたので、板金塗装からコーティング補修に至るまで、最良の方法を取ることもできました。
但し、今後今回の様な修理の必要が起きた際には、ディーラー経由でのご依頼はなさらずに、直接弊社までご依頼ください。
というのも、陸送に関しましても本来は自走可能である場合は、賠償事故と言えども保険賠償対象とは基本的にはなりえませんので、自費負担となる可能性も今回もありましたので。
これからますます寒くなりますが、お風邪など召されないように、お体ご自愛ください。
この度は、修理指定いただきまして、ありがとうございました。
会員クラス:正会員
車両クラス:クラスLL
施工コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・プレミアム ヴァンキッシュ ガラスコーティング(フロントバンパー・左右フロントフェンダー・ボンネット・左フロントドア保険賠償)
磨きコース1=02スタンダード・ソフト磨きコース(フロントバンパー・左フロントフェンダー再塗装パネル対象磨き)
磨きコース2=01スタンダード・ソフト磨きコース(ボンネット・右フロントフェンダー・左フロントドア隣接パネルグラデーション磨き)
オプション施工保険賠償=鉄粉クリーナー(ボンネット・右フロントフェンダー・左フロントドア)
オプション施工自費=鉄粉クリーナー(上記範囲と再塗装パネルを除く全て)
外注施工自費=デントリペア(右フロントドア1か所)
外注施工保険賠償=フロントバンパー×交換再塗装・左フロントフェンダー×板金塗装
施工料金自費施行:24.453円税込(オプション会員特別価格 外注費含む)
施工料金保険賠償:保険支払の為非公開(引き取り納車陸送費含む)
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