2016年04月02日公開|マツダ
昨年年末に一度お越しいただき、車両の状態を確認させていただき、
雪解けを待ってここで埼玉よりお越しいただきました、ご新規のお客様です!
相当の範囲がディーラーにて再塗装なされているそうですが、
先日施行のスカイラインと同じくお世辞にも上手い塗装とは言えません・・・
ですが、まだスカイラインよりはましで、手抜きまではいっておりませんが、
きちんとした工程手順を踏んでいるとは言えないでしょう。
というのは、色合わせも多少は違っていますが、問題なのは肌感ですが、
柚子肌がまったく調整されておりません・・・
バンパーなどは、有色塗装の厚さに大きな斑があるようで、下地のサフェーサーの影響を受けてしまっているのでは?
と、思われる部分もあります。
この様な部分は磨きでどうこうできる問題ではありませんので、
直すとなると再度再塗装しかありません・・・
今回のオーナー様の作業内容というかクオリティーのお望みは、
フロント&リアバンパー及び左側面の柚子肌の調整が最重要課題です!
が、正直なところ人の仕事の尻拭いですので、
あまり積極的にやりたい仕事ではありません・・・
オーナー様の人柄が、あまりに横柄であったり、神経質さがひしひしと伝わってくるようなタイプであれば、
間違いなくお断りです。
まずは準備洗車をしながら、鉄粉除去のため鉄粉クリーナーを行いましたが、
使用年数からすれば付着鉄粉は非常に少ないほうでしょう!
過去、依頼コーティングは施行されたことが無く、基本的にはDIYでWAXをされているそうですが、
かなりきちんとした洗車からWAXがけをされていたのでしょう、
そのおかげで此処まで鉄粉の付着は少ないのだと思われます。
弊社の常連様にも、拘りの洗車管理をされていらっしゃる方は結構いらっしゃいますが、
その方たちと比較しても相当丁寧な管理をされていらっしゃることは明らかです!
又、多少のモデファイもされていますが、派手さは無いですが、
落ち着いたセンスの良さはいぶし銀的で私の好きなタイプです。
磨きに知識があられる方であれば、気が付くかもしれません?
いつもとは一寸違う、変なマスキングがなされています。
というのは、バフがあたってはいけないパーツ部分をマスキングしているだけではなく、塗装面の一部にも矢印部分などにもマスキングテープが貼られています?
主にエッジ部分とパネルの端です。
これは、05磨きコース専用のマスキング方法です!
このお車の05磨きコースは#1.000→#3.000のペーパーを掛け、
それにより柚子肌を除去していき、
その際入ったペーパー目をウールバフ→スポンジバフ数段階を経て仕上げていきます!
ので、通常の磨きとは磨きのハードさは別次元の研磨量となりますので、極端に研磨膜厚が増えてしまいそうなところは、
この様に事前に研磨されないように保護しておきます。
それじゃー、
マスキングされてる部分とされていない部分では肌調整レベルが違ってしまうでしょう・・・
と、疑問をもたれる方がいらっしゃればその方は相当な通です!
ですが、それもほとんど気にならないようになります!
というのは、#1.000の段階ではマスキングは頂点より15mm・12mmと2段階に貼られていて、
#3.000の段階で12mmは除去します。
そしてウールバフの段階では15mmも除去され、パネル全面を磨けるようにしていきます。
この工法により、柚子肌はグラデーションされてしまうために、ほとんど違和感は出ません!
確かにグラデーションですのでパネル全体が100%統一された肌感ではありませんが、かといってマスキングテープでの保護をしないやり方をしても、
逆にその部分は研磨が強くなりすぎ柚子肌が切れすぎてしまうため、結局はパネル全体の柚子肌が100%統一されるわけでもありません・・・
更に、強く研磨がかかる部分の極端な膜厚減少により、
クリアーをはいでしまうリスクが増すだけで、メリットはありません、。
塗装屋さんも再塗装の際には普通は肌調整は行いますが、この様な方法はいたしませんが、それは仮に失敗したとしても自分のところで再度塗装をすればいいことですので、この様な面倒なことはしません。
この様な方法は、私が知りうる限りでは、弊社だけでしょう!
今回は右側面とボンネット・トランクは、
“03スタンダード磨きコース”での施行です!
多少の傷もありますが、鉄粉付着と同じように使用年数からすれば、
非常に傷は少ないです。
これを見ても、オーナー様の管理の丁寧さがわかります!
なのに、なぜ03スタンダード磨きコースでなど磨くの?
ですが、これは05スタンダード磨きコースで施行した部分との、
肌感の違いが起こらないようにするための保険的選択といえます。
前後バンパーと左側面は、
“05スタンダード磨きコース”での施行です!
これは、
オーナー様が再塗装された仕上がりが満足できず、
肌感を統一されたいとのご希望での施行ですが、オリジナル塗装であったり、再塗装でも弊社管理での再塗装で無い限りは、
今のクリアー厚はまったく判りませんので、正直どこまで肌感が戻せるのかはやって見て勝負となってしまういます・・・
実際現状での柚子肌はかなりひどい・・・
中砥ぎも、仕上げ砥ぎもされておらず、最後に軽く磨いただけのようですが、まーディーラー塗装なんてこんな物ですね。
本来の05磨きコースでの最初にかける#1.000のペーパーは柚子というか、
凹凸の凸部分を完全に凹部分にそろえるのが目的ですが、
↑の写真を見ても判ると通りそこまでにも至っておりませんがすでに8μ研磨されてしまったいます・・・
ので、これをさらにペーパー痕の斑がなくなるまで研磨していくと、
後倍くらいの研磨が必要かもしれません?
そうなると、クリアー残存性が危ぶまれることになります・・・
ので、完全な肌調整には至りませんが、此処で研磨打ち止めです。
#1.000の粗いペーパー目を、
#3.000の細かなペーパー目に置き換えていきます。
現状かなり強い柚子はまだ残っていますが、#3.000のペーパーは柚子のラウンドに沿って研磨しますので、柚子自体はなくなりませんがより滑らかなラウンドになるため、
柚子肌も滑らかになります!
この段階では、削り取ることが目的ではなく、
ペーパー目の置き換えですので5μのみの研磨です。
05スタンダード磨きコースでは、#3.000のペーパーの後、そのペーパー目を落とすためにまずは羊毛ウールバフによりシングルポリッシャーで研磨を行い、
ペーパー目をウールバフ目に置き換えます。
このお車のように、クリスタルホワイトパールマイカのような色では、
通常の照明ではペーパー目の確認が難しいため、通常の調色蛍光灯に特殊カバーを取り付け、光の波長を変えることにより、
ペーパー目の残存を確認しながら磨いていきます。
この段階でのきっちりした作業がなされているかが、
この後の磨きのスムーズな進捗には大きな影響を与えますので、
今回の作業工程では一番重要な工程となります!
ウールバフでのペーパー目の除去が終わると、
ウールバフ目を消すためのスポンジバフによるハードな研磨を行い、
その後そのスポンジバフのバフ目を消すための中間的磨きを行い、
最後にオーロラを消したり艶を上げるための仕上げ磨きを行い終了です。
途中、ペーパー目の残存が見つかり、工程を戻さなければならない場面もありましたが、おおむねスムーズに運び、
私的には満足の良く磨き仕上がりとなりました!
03スタンダード磨きコース部分の、
研磨膜厚は6.8μですので、
本来の研磨限界よりも余裕を残しての研磨終了です!
その理由は二つ。
1・施行前膜厚が薄い。
2・05磨きコース施行部分との肌感を合わせるため。
3・このレベルでも傷残りは無いため。
等です。
今回結構久々に05磨きコースと標準磨きコースとの併用でしたが、
なかなか上手くいきました!
いつものこの時期と違い、施行車両が目白押しで積み重なっているような状態ではなく、
1台1台に時間的余裕を持って対処できる余裕があったことは、精神的負担が少なくそれが大きなアドバンテージだったと思います。
MAZDA マツダ ロードスター 2.0RS(NCEC)コーティング終了
お預かり期間が長かったですので、その間常連様やクラブメンバーなどが度々訪れこのお車の施行を見られている方が多かったですが、施行前と終了を見られていた方は一様に、
「そこまでして磨くの?」
とか、
「こんなにもこの年式でも変わるんだ!」
等、いつも弊社施行車両を見られている方たちでもびっくりするほどの変化率だったようです!
そこまでして磨くの?
とは、特殊ライティングをしてパット見では傷が無いように見えても、
見る角度を色々変えながら徹底的に傷を探しだす行動と、探し出した傷の微細さに驚きます。
つまり、私にとっては傷と認識できる物でも、
一般の方にとってはそれを傷とまでは認識しないという、クオリティー認識の違いです。
先日もヤナセ営業の方が、アウディの新車を弊社にて納車を行った際、納車点検をいたしましたが、
「そこそこ線傷もありますし、軽い水染み痕も結構ありますが、このお長期在庫車ですか?」
と、私がお聞きすると、予想外の見解を言われたのでしょう、かなり困られたご様子で、
「私どももかなりきちんと点検しましたが、傷がありますか?」
「フルカバーで養生されていましたし、決して長期在庫車ではないのですが・・・」
と、予想外の指摘を受けてしまったのでしょう、かなりしどろもどろで逃げ帰るように急いで帰られました・・・
これも、悪意的ではなく、私の車両程度に関してのクオリティーの基準値と、
ヤナセのクオリティー基準値の違いということです。
各々立場が違いますから、クオリティーの捕らえ方もそれぞれですが、それはそれでしょうがない事です。
オーナー様も引き取り見えられ、工場に入られたとたんに、
「すごい、なにこれ!!!」
「こんなに変わる物なの?」
「ぜんぜん以前とは違いますねー」
と、私もびっくりするくらい感動いただけたご様子です!
「遠方よりお越しいただき、期待されていたクオリティーに到達できていましたか?」
と、お聞きすると、
「予想をはるかに超えていますので、満足できています!」
との、施行者冥利に尽きるお言葉をいただけました。
にも拘らず、お持込時にもお土産を頂、更にはお引取り時にさえ又お土産をお持ちいただき、
ありがたいを通り越して恐縮いたしてしまいました。
残念ながらこの時期、弊社付近での特産物の空白期間のため、お返しといってもいつものお米位しかお返しができなかったのは、非常に申し訳なく思います・・・
今回の施行はオーナー様のご予算が15万円までという中で、
施行内容は磨き優先となりましたので、残ったご予算で施行可能なコーティングを選択いただき、
“G’ZOXハイドロフィニッシュ”となりました!
1年ほど前までは結構人気があり、そこそこの施行台数がありましたが、
最近はめっきり少なくなっておりましたが、その理由はご自身であまり洗車は好まれず、洗車機での洗車により適した物を!
と望まれる、オーナー様方が多かったことでしょう。
このG’ZOXハイドロフィニッシュは、
ベースコートとトップコートの機能層とに完全に分かれた2層コートです。
そのトップコート部分はあまり摩擦に強くないため、
洗車機洗車では機能喪失が早くなるため、機能を保つためには、
基本的には6ヵ月毎のセルフメインテナンスが必要となります・・・
これを皆さん、意外と嫌がられる。
然し、今回のオーナー様は、今まで週一でのDIYでのWAXがけをされていらっしゃったそうですので、逆にこの様な作業はお手の物です!
というか、ガラスコーティングを施行することでWAXがけができなくなることを残念がられていたほどですので、
そういう意味では打って付けのコーティングと言えるかも?
此度は、埼玉県より遠路お越しいただき、ありがとうございました。
幸いにも施行クオリティーもご満足頂けたご様子ですので、うれしい限りです。
今までもとても管理の行き届いた状態でしたので、今後も更に大事になされてください。
又、お帰りの際にも一寸ご案内いたしました、カークルセーダーズクラブのサーキット走行会やツーリングにも日程が調整可能なようでしたら、ぜひご参加ください。
これらイベント予定は、HP上の新着情報でご案内いたしております。
又、倶楽部会員をご希望のようであれば、入会金をいただけば倶楽部専用HPのID・パスワードをお教えいたします。
偉そうですが、倶楽部事前審査はパスされておりますので、ご希望であればいつでも入会可能です。
又、イベントでお会いできることを楽しみにしています。
PS:今後板金塗装修理があられるようでしたら、ご面倒でしょうが弊社にご相談ください。
今回のような、無駄な出費も防げますから。
車両クラス:クラスS
施行コース:
コーティングコース=G’ZOXハイドロフィニッシュ ガラスコーティング
磨きコース1=05スタンダード磨きコース(超鏡面柚子肌調整磨き=前後バンパー+左側面)
磨きコース2=03スタンダード磨きコース(使用過程車向け・鏡面傷取り磨き=ボンネット+トランク+右側面)
物販=G’ZOX専用メインテナンスBOX
施行料金:151.075円税込み(淡色車割引磨き-5% 適応・物販含む)
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