2016年06月23日公開|ダイムラー
先月オプション施工を施工させて頂いたばかりの、
プレミアム会員様のデイムラーですが今回はメインの施工磨き&コーティングです!
此処のところ使用過程車で購入されていたお車は、
磨き&コーティングの施工はご無沙汰でしたが、今回はご依頼いただけました。
その間に待望のお子さんのご出産等もあり、
今までのような時間もお金も湯水のような消費を控えられていたのでしょうか?
然し、今回は何故に?
施工を決意されたのか?
恐らくは2点
と思われますが、1は現在のお気持ちがはたして持続できるかは一寸?
です。
と言うも、今迄ジャガー系にはほとんどご興味はあられませんでしたので、本当にこのお車の魅力を理解なされているのではなく、
レアと言うことにだけとらわれているとすると多分飽きてきてしまうでしょう・・・
この頃のジャガーは決して運転すること自体に楽しさを感じれる要素はありませんし、
旧車としての年代もかなり微妙です。
これ以上に最大のネックが、壊れる・・・
この頃のジャガーは、
新車であっても当たり前のように日常的に壊れます・・・
其れが既に30年近く経過していれば更に故障個所は広範囲となります。
この車の特徴は、
完全修理と言うことがありえませんので、
常に修理代との格闘となります・・・
つまり、よほどこのお車にぞっこん惚れ込めない限り、
保有し続けることは困難でしょう。
私も以前からとても欲しかった唯一無二の車ではありますが、
心変わりというか目標変更の為旧車道は撤退して堅実な車のみに変えます。
いつ又事情が変って復帰すかも知れませんが、そのときまだ所有されていらっしゃったら、
是非にとお願いして譲って頂くかも?
そのためにとまでは言えませんが、
できるだけ保有して頂いて欲しいですねー
やはりこのお車も相当の鉄粉が付着してしまっています・・・
尤も、年式を考えれば当然なのですが。
恐らく相当期間付着した鉄粉は放置されていたでしょうから、
鉄粉が除去されたところがピンホールになって磨きの際にコンパウンドが絡むかも?
淡色車にお乗りの方は、
付着酸化鉄粉が見えますから比較的意識されている方もいらっしゃいますが、
濃色車の方ではほとんどの方は気にされたことも無いのでは?
付着鉄粉を放置していれば、
コーティングも塗装も酸化されてしまいますし、
洗車の際にも傷を入れてしまう原因になっていることを認識する必要があるでしょう!
今回はオプション施工として、
“メタルクリーン”を側面ウインドウモール部分のみ行ないます!
これ以外にも当然該当個所として前後ウインドウモールもありますが、MAX予算がありますので、特に酷いサイドウインドウのみ行なうこととなりました。
通常この様なメタル部分はメッキなのですが、
このお車はステンレス!
何故ステンレスなのか?
ですが、確かに錆はしませんが、
傷も入りやすく磨くことも困難です・・・
まー、一長一短というところでしょう。
メッキモールですとあまり使用しない器具を使って磨き上げて行きますが、
使用するフェルトロールかなりの消耗の仕方です・・・
新品2本がパーです。
通常さほどの消耗はしませんので多くの在庫は抱えておらず、確認してみると後1本・・・
ぎりぎりセーフでした!
相当きれいになりましたが、Bピラー部は、
「どうしてこんなに深い傷が多量に入ったの?」
という状態でしたので、これ以上は研磨不能・・・
今回は前記しましたように予算が限られたかなでの施工ですので、
磨きは“ミディアムポリッシュ”ですが、
此れをハードポリッシュにすれば更なる改善もできたでしょうが、
ここまでの意匠性改善でも全体の印象は非常に引き締まった感じになります!
ジャガーやデイムラーでは光ものの意匠性は、
車自体の存在価値に大きく影響をしますので、
この部分の改善をされることはボディ施工と同じように大きな意味を持ちます!
今回傷断面が白く見えるタイプの傷が2箇所・・・
今回の磨きは"03スタンダード磨きコース”ですが、
いくら強い磨きといってもこのレベルの傷を完全除去は難しく、
傷のエッジを丸め白く見えないところくらいまでの回復が限界です。
そこでオーナー様は、
「折角磨くのだから、多少の予算オーバーはOKだからスポットやってよ!」
ということで、部分傷取り磨きの“スポット磨き”の2箇所を追加ご依頼を頂きました!
1箇所はそれほど苦労することなく完全除去できましたが、
見た目ではダメージレベルの低いと思われたほうがなかなか完全除去に至らない・・・
パネルエッジに近いこともあり結構怖い。
慎重に膜厚計で確認しつつ焦らずゆっくりゆっくり磨き上げて行きます!
再塗装ですので残存クリアーが確実なレベルで膜厚計により確認できませんので、
恐る恐るではありましたが、
何とか完全除去達成!
あー怖かった・・・
この磨き傷はどの段階で付いたのでしょうか?
車両を細かく点検していくと、
トランクのナンバープレート取り付け部位外は再塗装されています・・・
しかも、
再塗装の方法はかなり雑な手法が用いられておりますし、
時期的にも15年くらいは経過していると思われますので、
使用塗料も恐らくラッカーでしょう。
納車時にも多少は磨かれた感じはありますが、
其れが更に状況を悪化させた原因のような・・・
ですが、
根本的には再塗装を行った際の肌調整での磨きの雑さでしょう。
再塗装中の塗装屋さんが行なう肌調整磨きは、まだ塗装が完全硬化していない生乾きの軟らかい時点で行ないますから、ここでガッツリポリッシャーによるウール傷を入れられてしまうと、
相当深い傷が入ってしまいます・・・
この様な傷を取るにも、
弊社管理外で行なわれた再塗装での膜厚は膜厚計を使用して確認したとしても、
確実な磨き許容膜厚を推測することはできません。
つまり、新車よりも研磨限界を推し量ることが困難・・・
とは言え、この状態を見られるレベルに戻すには、
相当の研磨の必要があります・・・
今回はご予算のハードルも低いですので、
現状肌状態も相当悪い部分もありますから04スタンダード磨きコースを行ないたいところですが、
“03スタンダード磨きコース”に止めます!
予算問題外にも、
上記した膜厚推測が不可能ということも理由の一つ・・・
側面もトップとほぼ同じ状態・・・
此処まで塗装面が傷んで傷だらけとなると、私がオーナーであったとすると、
まず購入を決めることは無い。
「磨き屋なんだから、自分でできるのだからいいんじゃないの!」
と、
思うでしょうがだからこそ買わない。
だって、
一銭にもならないことに時間と労力を消費したくない・・・
側面のほうが、
まだトップ部分よりは傷の深さは深くない!
再塗装時の肌調整磨きの際、トップと違いプレス圧が掛かりにくい分、
無理な磨きが行なわれなかったせいでしょう。
此れ考えようによっては、
各個所を均等に磨くことすらできていない・・・
とも、言えますが。
ですが、おかげで私としてはトップのような苦労が軽減されていますので、
ラッキーといえるかも?
流石に此処まで程度が悪いと、
いくら03スタンダード磨きコースといえども100%の傷の除去は、規定研磨厚の10μキッチリ行なっても、
1%程度は残ってしまいました・・・
但し、もともとの状態からすればまったく別の車?
と、
思えるほどの意匠性は達成されています!
この頃のジャガーではよく見かける、
マジョーラ塗装ほどはありませんが所謂分光塗装という、
光の当たる角度により色が変って見える塗装も、
磨き前は傷による乱反射でほとんど起きませんでしたが、
バッチリ分光するようになり紫色ぽくも見えかなり目立つ存在感を放っています!
写りこんだ水銀灯内になにやら変な模様が見えます。
この様なものはよく厚塗りパテを入れてあったりした場合に、パテの経年劣化による縮みにより起こりますが、
膜厚的に此れはパテではなくサフェーサーの縮みもしくはペーパー目残りと思われます。
この様な部分がボディ全体で各所に点在しています・・・
再塗装自体のクオリティーの低さもありますが、
塗装耐久的に既に限界が来ているような?
レアな車で買おうと思っても見つけることすら困難な車であるということに引っかかって購入されてしまいましたが、
この塗装状態で判断すれば購入されたのは完全に失敗といえます・・・
このお車を長く所有しようとすれば、
近い将来再度全塗装の必要があります。
この問題だけなら早々の全塗装は必要はありませんが、
それ以上に今の塗装に問題があります・・・
というのは、ほとんどのモール類が脱着されずにマスキングによる止め吹きがされている為に、
そのような淵の部分の塗装が浮き上がり始めています・・・
この様な部分は、
もう数年で禿を起こすでしょう。
「でも、お金があれば再度再塗装すればいいじゃん!」
とは、行きません。
既に外装パーツのほとんどは在庫なし・・・
モール類はまず再使用は不可能・・・
つまり、
きちんとした全塗装をしようにも不可能。
此れがまだ、
標準モデルのジャガーXJ40であれば社外品なら調達可能でしょうが、
いかにせよマジェステックは専用品ですので互換性もありません・・・
えらい物を買われてしまわれました。
DAIMLR デイムラー マジェスティック(E-DMS)コーティング終了
「おーきれいになって、クルクル傷も無くなってよかった!」
と、ご満足頂お引取り頂増した!
オーナー様は此処のところ色々の大型セダン、所謂高級車を乗り継いで来ていらっしゃいますので、
その車歴は堂々としたものです!
但し、方向性の基本線は解りません?
その中今回購入されたこのデイムラーは、
品よさが気に入られたのかも?
此処のところ購入されても長続きされなかったですが、
このお車に関しては、
「子供が大きくなったときに、一緒に楽しめればいいな、と思っている!」
と、
今までに無く長期保持したい意向です。
前記していますように、
この時代のジャガー製の車はとにかく維持し続けることが大変です・・・
多少気に入っているレベルでは、
その維持に掛かるストレスにはとても耐えられませんから、
今後お乗りになる中で、
このお車の持つ深いところの良さを本当に理解体感できれば可能かも知れません?
但し、
此れも前記しているように、現状において再塗装されているクオリティーが低い為に、
長く維持し続ける為には数年以内には全塗装の必要があるでしょうが、
その際調達しなければならないパーツが有ったとして、
ゆうに150万くらいは掛かってしまうでしょう・・・
それ以外にも定期的に壊れますから、
その修理代も年に数十万円は覚悟しなければならないでしょうから、其処までしても維持し続けたいと思えるかが?
今回のご購入の最大の失敗と思われるのは、程度に関して機械的なことにだけ目が行ってしまって、
外装の問題を軽視していたことでしょう・・・
この手の特殊車両においては、確かに機械的な部分も当然重要ですが、
高級車である以上内装程度と外装程度のクオリティーの高さは非常に重要です!
通常のお車であれば、私はあまりオリジナル塗装であることなどには拘りませんが、
この様なお車では最重要項目と思います。
今回はのコーティングは、総体ご予算とご希望される施工内容の組み合わせから施工可能なコーティングランクを選ぶことをお任せいただいたのですが、その結果施工可能なコーティングランクはプレミアムクラスでしたが、
オーナー様は撥水系がお好きでしたので、
“ブリリアントフィニッシュ・プレミアム”といたしました!
は、撥水系じゃないじゃん・・・
なのですが、
ブリリアントフィニッシュは疎水滑水ですので、
降雨時には基本撥水してから滑水して行きますので、感覚的には大差はありません。
ですし、
オーナー様はご自身による手洗い洗車が基本ですが、
仕事と子育ての手伝いがお忙しく、
早々洗車に時間を割く事もできませんので、
洗車が雑でも傷が入りにくい特徴もあるこのコーティングといたしました。
このコーティングは、
1層製膜では有りますが表面はフレキシビリティーの高い状態で、
下層面は相当硬い膜となる変った特徴を持つために、
洗車時に入りやすい軽度のスクラッチを防ぎ、
砂などの咬み込みで付けてしまう様な深い傷も塗装面に入らないように守れる効果あります!
このたびもご入庫いただき、ありがとうございました。
嗜好性は違いますが、私も同じように車道を歩んできましたが、お話させて頂きましたように此処で決別となります。
但し、車に興味が無くなった訳ではありませんので、今後も車談義で盛り上がりましょう。
仰っていたように、お子さんが大きくなられて同じように車に興味を抱いてくれて、一緒に車を楽しめるようになればいいですね。
私は、残念ながら其処はダメでしたけれど。
これからじっくりこのお車の良さを検証なされて、今後の方向性を定めてみてください。
施工させていただき、ありがとうございました。
会員クラス:プレミアム会員
車両クラス:クラスX-1
施工コース:
コーティングコース=ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング
磨きコース=03スタンダード磨きコース(ダメージのある使用過程車向け=ハードな傷取り・鏡面磨き)
オプション施工1=メタルクリーン(左右サイドウインドウモール12m×ミディアムポリッシュ)
オプション施行2=部分傷取り磨き(スポット磨き×2区画)
施工料金:217.069円税込み(プレミアム会員新規施工割引-25%・輸入車割り増し磨き+10%・濃色車割り増し磨きランク2+15% 適応)
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