2016年08月21日公開|メルセデスベンツ
久々のSクラスですが、
施工のご相談に見えられてナンバーを見るとなんと鳥取!!!
「まさか鳥取からいらしたのではないですよねー」
「単身赴任で松本にいます。」
ですよねー
ご新規のお客様ですが、
このお車以外にもポルシェも松本に持って来ていらっしゃるとか。
鳥取には更に数台あられるようですが、
単身赴任ということはサラリーマンでしょうが、
それでこの手のお車を複数台所有されているとは、
いったいどれだけ給料の良い会社なのでしょう!
車趣味から足を洗った私からすると、
この様に高額車を複数所有していることで、
消費してしまうお金をもったいないと感じてしまいますが、
私のように其れがために他のことには一切お金が割けないと言うレベルでは無いのでしょう!
私は結局はベンツ(仕事足車)・ジャガー(旅行お出かけ用)・レンジローバー(冬季用)は足車としての使い分けのため残すこといたしましたが、
先月既にマセラティは売却してしまい、
売った後に気持ちの引きずりは相当あるのだろう?
と思いきや、引き摺りが在るどころか、
逆に清々したというのが本音です!
此れから更に、
ロータス・アングリア・2CV・W124と売却しなければならない車も、
いくらで売れるのだろう?
と言うことは気にはなりますが、
いなくなってしまうことに関しての未練はまったく感じません!
お客様や友人たちからも、
「辞めても又時間が経てば、又買い集めてしまうんじゃないの?」
とか言われますが、自分的にはもうその心配は絶対無いと断言できます!
車自体は別に嫌いになったわけではありませんが、
私の車の価値観が、
これからやって行きたいことのあくまで移動ツールとしての必要性となったため、
車に対して求める事自体がまったく今までとは違いますから、
今までのようにコレクション化する必要は生じないのです!
こちらのオーナー様もある意味この様な使い分けが在るのかも知れませんが、
お聞きしたところによると、
「新たに車を買っても、
今ある車を処分できないたちなので、
どうしても車が増えていってしまう・・・」
との事で、
このパターン今迄の私と似ています・・・
この時代のSクラスの内装は好きです!
嫌味のないレベルでの高級感とシンプルさが上手く同居しています。
一部コントロールスイッチパネルには蓋が設けられているために、
使わないときは蓋を閉めておけはすっきりしていて落ち着きます。
この様な作り方は、流石メルセデスベンツのフラッグシップたるSクラスだからこそ!
でしょう。
最新のSクラスの内装もシンプルでは有りますが、
此処のところのベンツのちゃらけ方はSクラスにまで伝播してしまっていますので、
どうも私には馴染めない・・・
私が時代についていけていないと言う事ですかねー
やはり国産のなんちゃってウッドとは、
品質がまったく違う!
このお車に採用されているウッドは、模様も変っていますし色合いも独特です。
このようなものを国産メーカーが作ろうとすると、
変に安っぽくなってしまいますが、
落ち着いた良い雰囲気に仕上がっています!
此れだからベンツは止められない?
年式からすると、
鉄粉の付着は比較的軽度と言えるでしょう!
再塗装された個所が多いことや、
今までに何回か磨きが行なわれていると思われますので、
鉄粉付着が積み重なっていっていないのでしょう。
お車を点検させて頂いての感想は、年式的にはこんなものだろー
的ですが、
全体パネルの2/3は再塗装がなされていますし、
その塗装クオリティーもかなり低くほとんどがクリアー暈しで行なわれてしまっています・・・
しかもいたるところペーパー目が残りまくっています。
トップ部分は重度のイオンデポジットクレーターに埋めつくされていますが、
意外とベンツのSクラスは社用車として購入されるものが多いので、
個人が身銭で買ったものと違い大事にされていないものが多い・・・
その為今回はトップ部分に関しては、
“04スタンダード磨きコース”を行ないますが、
それでも完全にクレーターを除去することは無理です。
見た感じからして、
クレーターの深さは50μ位はあるでしょうから、
其れを完全に除去するところまでペーパーをかけてしまえば、
クリアーなくなってしまいます・・・
ですので、あくまでクレーターの淵の部分を滑らかにすることと、
酸化して曇ってしまっているクリアーを除去し透明感のあるクリアー層に磨き上げることを目的といたします!
トップ以外のパネルは、上記したようにかなりのペーパー目が残っていますので、
その処理を行うために“03スタンダード磨きコース”を行ないます!
この様に場所により磨きのコースが違うことは本来はあまり芳しいことではありませんが、
トップと側面では見たときに光の当たり方が違いますので、
磨きによる意匠性の差はまず感じることはありません。
但し、此れが05磨きコースを他の磨きと併用する場合は話が違ってきてしまいます・・・
04磨きコースまでは、
現在ある柚子肌を滑らかもしくは整えるための磨きですが、
05磨きコースは柚子肌を出来るだけ切り取ってしまうための磨きですので、
此れは明らかに肌感が違っていることが判ってしまいますので、
05磨きコースは全体施工で無い限り施工はできません・・・
側面はかなりのペーパー目が残っていますが、
極端に深い線傷以外は、
“03スタンダード磨きコース”ですので、
処理できてしまうでしょう!
ペーパー目がある部分はほとんどが再塗装された部分でありますが、全オーナーはいったいどのような板金塗装工場に依頼していたのか?
ことによると、販場した販売店が行なったものかもしれませんが、だとしたらクオリティーは関係ない・・・
と言う、スタンスと言うことになってしまいます。
流石にシュテルンやヤナセで購入していれば此処までのことはないでしょうが、
だからといって完璧な塗装をすることも残念ながらありません・・・
過去事例を見る限り。
オーナー様は、メーカーラインでの補修ではないか?
みたいに思いたかったようですが、
此れだけは100%違うと断言できます・・・
トップ部分のイオンデポジットクレーターには、
流石に気が付いているうえで購入されたようですが、
此れだけ多くの部分が再塗装されしかも暈し塗装でペーパー目もバリ残りしていることには、
気付かずに購入なさってしまったのでしょうが、
弊社のお客様方でも、
この様に購入時点での見るべき点検点を見落としている方がほとんどです。
車両購入時の必需品は、
膜厚計とLEDライト!
「無事故無補修です!」
などの営業トークなどほぼ100%嘘と思っていたほうが良いですよ・・・
メルセデスベンツの磨きは、一時相当台数をこなしましたので、
弊社の中では磨きやすい塗装NO1です!
塗装が硬すぎて磨けない・・・
と仰る同業者も多いようですが、此れは使用するポリッシャーやコンパウンドの選択に、
根本的間違いがあるからでしょう。
磨き方の絶対原則は、
どの磨き工程においてもポリッシャー傷を入れない磨き方を行なわなければなりません!
硬い塗装に磨き傷を入れてしまえば、又其れを磨き取るための磨きを行なわなければならなくなりますので、
堂々巡りに陥ってしまいます・・・
弊社のメルセデスベンツの磨きは、この様なことにはなりませんので、
今回もスムーズに磨き上げることが出来ました!
但し、クリアー暈しがなされている個所が多いため、
暈し紺が露出しないように注意深く磨く必要はありましたが、
そのようなトラブルが起きることも無く無事終了。
04スタンダード磨きコース#3.000のペーパーからの施工を行なったトップ部分は、
16μの研磨を行いましたが、
其れでも多少の線傷は残り、
イオンデポジットクレーターは目立ちにくくはなったものの存在自体はしたままです・・・
此れを完全除去するとなると、
05磨きコースで更に30μ以上の研磨を覚悟しなければなりませんが、
流石に其処までの研磨は残存クリアーの許容値ではなくなってしまうでしょう?
つまり、
完璧に直すには再塗装しかありません・・・
が、恐らくこのお車で完璧な塗装方法(ウインドウは外さないレベル)を行なってトップ部分を行なえば、
35万円くらいはかかってしまうでしょう。
正直な印象として、
車両価値的なことを考慮すれば其処までおかけを掛ける事は無駄と言えます・・・
但し、何らかの思いいれがあったり、
このお車に関しての拘りがあられる場合は別かも?
Mercedes-Benz メルセデスベンツ S550(221071)
コーティング終了
今回はかなりダメージの大きなところからの施工でしたので、
それなりに手間は掛かりましたが、
再塗装個所の塗料は、
本来メルセデスベンツ補修指定塗料のナノセラミッククリアー用は使われていなかったようです・・・
その為塗装硬度は純正クリアーに比べ軟らかいですから、
入庫した状態ではかなりてこずる可能性もありましたが、
大きな手間取りは起こりませんでした!
但し、塗装が軟らかい分純正クリアーより傷は入り易いため、
深い傷は多かった・・・
今回ペーパーをかけたトップ部分のトランクとボンネットは、
どうやら過去にもペーパー掛けのようなことが行なわれた痕跡がありますが、
この際の作業が今のイオンデポジットクレターを最悪の状態まで悪化させた原因かもしれません?
と言うのは、
この作業の際ポリッシャーの細かな叩き傷を入れてしまい其れを除去していない・・・
其れが水の引っかかる原因となり其処にアルキル金属基が入り込み、
ピンホールのように塗装を溶かしトラブルを引き起こすこととなったような?
今回は磨きがメインの施工となったため、コーティングは弊社ラインナップの中間クラスである、
“ブリリアントフィニッシュ・プレミアム”となりました!
このコーティングも通常のシリカコーティングとは一寸違う特性を持ち、
弊社ではグラデーションコーティングと呼んでいます。
一膜製のコーティングでありながら、
コーティング上層部と下層部では特性が違う?
上層部は軟らかく、それによりスクラッチ程度の軽い傷に対しては、
イメージ的にはゴムのような弾力性原理で傷入りを防ぎます!
下層部はかなり硬い製膜をしていることで、上層部の弾力性では防ぎきれないような強い傷入れに対して、
硬度で塗装までの到達傷にならないように防御します。
又、混和剤にアルキル金属気反発物質が入っているため、通常のシリカコーティングに比べると、
明らかに水染みはできにくい!
但し、
対水染み対策用のハイブリットシリーズほどの効果は残念ながらありませんけど・・・
今回はご予算が思いのほか伸してしまったために、
レジントップコート・コクーンを施工するまでには至りませんでしたが、
多少であれ耐水染み防御性を持ちますので、
初期管理をご注意いただくことでオーナー様にご対応いただきます。
この度は、ご依頼頂きまして、ありがとうございました。
思いのほかダメージは深く浸透しており、イオンデポジットクレーターに関しましては根本的除去には至りませんでしたが、これから長くお乗りになられるのであれば、数年後にはトップ部分は再塗装を検討された方が良いでしょう。
但し、全体意匠性は整いましたので、今までとはまったく異なる押し出し感にはなったともいます。
お盆休みで帰省中の施工でお預かりさせて頂きましたが、久々のご帰省でのご家族方との団欒はお楽しかったことでしょう。
私も2日間だけお休みさせて頂き食事会等をいたしましたが、楽しいお盆を過ごすことが出来ました。
これからまだまだ残暑が続くと思いますが、体調管理にはお気をつけ頂、又お仕事頑張ってください。
車両クラス:クラスX-1
施工コース:
コーティングコース=ブリリアントフィニッシュ・プレミアム ガラスコーティング
磨きコース1=04スタンダード磨きコース(#3.000による柚子肌残しヘビーポリッシュ鏡面磨き=ボンネット・ルーフ・トランク)
磨きコース2=03スタンダード磨きコース(特殊ウールバフによるダメージの深い傷取り磨き鏡面仕上げ=上記範囲以外)
施工料金:264.992円税込み(淡色車割引磨き-5%・代車使用なし割引-5%・輸入車割り増し磨き+10%・特殊塗装割り増し+20% 適応)
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