2017年01月16日公開|ポルシェ
昨年初冬に施工の相談でいらして頂きお車を拝見いたしましたが、正直な印象はこの車を本当に施工するの?
と言うくらい、
塗装状態は最悪でした・・・
このお車はお父様が昔に購入されかなりの期間放置され、
実際エンジンもかからない状態だったそうですが、
神奈川のポルシェ専門店で、
250万円ほど掛けエンジンオーバーホールと足回りを交換されたそうです!
ですので、
機関的には最良の状態にはなっているのですが、
いかにせよ外装はどうも以前大事故を起こしていて車体後部は大修理がなされてるようで、
前半分と後ろ半分とがまったく違う色にまで紫外線やけを起こして退色してしまっています・・・
退色しているのが後で塗装を行った事故修理部分ですので、
修理をされた板金塗装工場はあまりいいところでは無いようです。
と言うのも、
クオーターパネルは広範囲にパテが入ってるようですが、
かなり酷いパテ縮みを起こしています・・・
正直今迄みてきた低年式のポルシェの多くでは、このような手抜き?
低技術修理?
が、
なされてしまっているものがほとんどです・・・・
このような状態ですから、
弊社で磨きにどれだけお金をつぎ込んでも根本的解決にはなりませんから、
「この状態で弊社で施工をしたとしても、
“捨て銭”にしかなりませんから、
かなりの金額はかかりますが、
これからまだ長く維持をお考えでしたら“全塗装”をお勧めいたします!」
とご提案をさせて頂き、見積もりも提出させて頂きましたが、
約1ヶ月ほど音沙汰が無かったので、
「ご予算が取れずに今回は施工はなされないだろう?」
と思っていたら、
「全塗装お願いします!」
と、
全塗装のご依頼を頂きました!
旧修理個所のやっつけ仕事によるパネル歪みの再形成や、
デント痕や大きな凹みや飛び石痕の補修もかなりありますので、
全塗装費用はかなりの高額となってしまいました・・・
お父様は中古車でご購入なされたそうですが、
このような事故修理がなされていることは販売店からは何も聞かされていなかったそうです。
だから中古車は怖い・・・
のですが、
特にポルシェの専門店ほど実は信用できません・・・
旧車であればディーラーは扱っていないので、このような専門店でしか購入は出来ませんが、販売店の言うことを鵜呑みにしていると、
この様に引っかかってしまいますから、
ご自身できちんと点検をされるなり、
専門知識のある方を同伴されて点検されたほうが無難です!
約1ヶ月かかりましたが、何とか年末ぎりぎりに完成して弊社に納入されました!
暇な時期だけにこのタイミングで仕上げて頂けたのは、
板金塗装工場に感謝です。
911のなかでもタルガとガブリオレは非常に少数派です。
と言うのも、
911はスポーツカーとしての運動性能がある意味命ですから、
ピラー強度が低くその分アンダーパネルを強化して車重を重くしてしまっているこの手のスタイルは、
敬遠されがちです・・・
一時ミツワでサンルーフ付が標準だった頃は、
其れを嫌いあえてサンルーフ無しの平行輸入車のほうが人気があったくらいですから。
特にタルガの場合は、新車購入時は高額になりますが、
リセールバリューが低い為下取り価格は悲惨です・・・
実際大きなサンルーフみたいなものでそれほどこのタルガスタイルにメリットは無いでしょうしねー
ポルシェと言えばこのスポイラー!
既に930の頃から存在するのは他メーカーよりも、
20~30年も先行して速度感応式を装備しているのは、
流石ポルシェと言いたいところですが、
現実は空気力学的に問題を抱えるスタイルで、
ナローの頃から2倍のパワーとなってしまっては、
ダウンフォースが追いつかなくなった苦肉の策ともいえます・・・
ただ、
カッコイイのは間違いありません!
私は過去ポルシェは1台も所有したことがありません・・・
一度だけ964のルーフを買おうか迷ったこともありましたが、結局は新車のマセラティにしましたが、買わなかった最大の理由は、
このメーターパネルとステアリング。
クラシカル・スパルタンでは有りますが、
1.000万円越え車で、
この内装は私の感性ではありえない・・・
私が求める高級車特にスポーツカーでは、
内装のエロテックさは欠かせない要素です!
昨年私の友人が3.000万円越えのポルシェの新車購入しましたが、
1.500万円のカレラと差ほど内装に差がありませんでしたので、
正直がっくりしました・・・
同価格帯の他社スポーツカーと見比べてしまうと、
見るべきところはありません。
ポルシェ乗りの方々は、価値観を見出す基点が違うのでしょう?
本来全塗装終了状態ですので、
傷が在るのはおかしいのですが、
既にそこそこ洗車傷のような線傷が入っていますし、
部分的ですがポリッシャー傷も残ってしまっています・・・
正直これでは完全とは言えませんが、
板金塗装工場の完成クオリティーの考え方&磨き技術と、
弊社では基準が違います。
契約している板金塗装工場ですので、
弊社が異常に細かく且つうるさいことは当然承知していますから、
一般のお客様以上に神経は尖らせて作業はされているのでしょうが、
残念ながら此れが限界なのです・・・
珠に、
「オタクを通して板金塗装修理を依頼すると、
直接依頼するより高くなるんじゃないの?」
と言われる方がいらっしゃいますが、
基本的には同じです!
但し、施工方法をレベルを落としてオーダーされる場合。
つまり、仕上がりクオリティーより価格優先のオーダーをなされるのであれば、
直接依頼のほうが良い場合もあります!
と言うのも、
そのようなご依頼でしたら弊社ではお受けいたしませんので・・・
直接依頼でその後弊社にお持込頂きましても、
あまりにも仕上がりが悪い場合にはお断りすることもありますし、
仮にお受けできたとしても程度状態が悪ければ、本来再塗装で設定している磨きコースでは施行不可であれば、
追加の磨き料金が発生いたしますので、
結局は節約したつもりの価格も“元の木阿弥”という可能性もでてきます。
弊社依頼でない再塗装車にまで弊社で責任は持てませんので、
これは自己責任となってしまいますから・・・
幾ら全塗装済みと言っても旧塗装を剥離までしての全塗装ではありませんので、
どうしても旧塗装の下地状態には多少左右されてしまいます。
そのため塗装の肌状態は完璧とはいえません・・・
今回塗装費用が当初予想よりもかなりオーバーしてしまった為に、
弊社施工予算が限られてしまいました・・・
そのため今回の磨きは“01スタンダード・ソフト磨きコース”以外選択肢は無くなってしまい、
とにかく傷が無い状態にだけ持ち込むことが目的の磨きとなりました!
ただ、私的に理想論を言わせて頂けば、
できれば“05スタンダード磨きコース”で、
柚子肌を除去して超鏡面を作り出せば、
このプレスラインが一切無い曲面構造のポルシェのスタイリングは更に際立ったものになっただろう!
と言うのは、
施行者としては心残りではあります・・・
とは言え、私の車ではありませんし、オーナー様のご予算もありますので、
出来うる範囲で出来るだけの努力はさせて頂きました!
PORSCHE ポルシェ 993タルガ コーティング終了
最初に弊社に見えられたときと同じお車とは思えない、
綺麗なポルシェに大変身!
山口百恵の真っ赤なポルシェってこの色なのかなー
993・964・930では私のポルシェのイメージカラーはレッド・ブラック・ガンメタですので、
私のポルシェイメージには嵌っています!
但し、
このカナードタイプのフロントスポイラーはいただけませんが・・・
車高もローダウンされていますが、
これは品よく良い車高に収まっています!
但し、特にポルシェのローダウンで注意しなければならないのは、
ローダウンの仕方によってはポルシェは足の稼動域が極端に狭くなり、
かえってコーナリング性能はノーマルよりも悪くなる改悪が非常に多いこと・・・
このお車は、工場内でしか確かめてはいませんので確実ではありませんが、
多少稼動域は狭まっている印象はありますが、
足浮きが起こるほどではなさそうですので問題はなさそうです!
1ヵ月半ぶりにご対面となる愛車ですが、
実車を初見したときのオーナー様の反応は意外と冷静でした・・・
もう一寸反応を期待していたのですがねー
と思っていたら、
翌日この様なメールくださりました!
性格的に感情を表に出されにくい方なのでしょう。
世間一般的な言い方だと、
温厚!
私もある世界では温厚で通っています。
これは猫をかぶっているわけではなく、
年のせいも当然ありますがキリキリ・カリカリすることが起きないから!
この年になると、
体外の事は許容できるようになりました。
先日も子供の頃からの友人に、
「最近のお前の行動や言動・思考昔からは考えられない・・・」
みたいな事言われましたが、
1秒でも他人よりも速く走りたいみたいな闘争心が消滅して、
古典文学や純文学などに傾倒していくと、
人間丸くなるようです!
先にも触れましたが、
弊社施工はとにかく予算が無い・・・
尤も趣味車ですので、
乗られるのも年に数えるくらいですし当然車庫保管車ですから、
無理に高機能高級コーティングを施工する必要もありません!
ですので今回のコーティングは、
“エクセレントフィニッシュ・スノーガード”となりました!
此れが一般車であれば、
この様な濃色ソリッドでは最悪の選択ともいえますが、
この様な使用条件・管理条件であれば、
洗車時さえ気をつけていただけば問題は無いでしょう。
其れと、
全塗装前の状態を見てもほとんど水染みはできておりませんでしたから、
洗車の腕前にも問題はなさそうです!
基本スノーガードグレードのコーティング耐久期間は3年ではありますが、これはあくまで日常使用をする前提でのことですので、このお車のように管理状態に問題が無く使用頻度も低ければ、
10年とかでもっちゃうでしょう!
尤もこれでは弊社は儲かりませんがねー
今回折角の全塗装ですから、
ペイントプロテクションフィルムでの飛び石防御を出来るだけ広範囲に施工をすることがお勧めなのですが、
くどいようですが予算が無い・・・
ポルシェの場合、
フロント部分は非常に飛び石を受けた際ダメージが深刻になりやすいですが、
此処をカバーするとなると40万円くらいかかってしまいます・・・
其れとフロントタイヤからの飛び石で、
サイドロッカー部分とリアホールアーチ前面部分のフェンダーが膨らんでいる部分も、
かなり酷いことになります。
今回はフロント部分はとても無理ですのでせめてサイドだけはということになりましたが、
これも本当はホイルアーチ前面ももっと大きく貼ったほうがよいし、
ドア下部分まで延長すべきなのですが、
予算上↑の範囲に止まってしまいました・・・
使用フィルムもエクスペルではなく“キャンペーンフィルム”となりましたが、
此処も微妙な判断です。
と言うのは、この範囲でもそれなりの金額にはなりますが、
キャンペーンフィルムは防御性と紫外線劣化の弊社での実績が無いため、
どのくらいの性能かが確実には掴めていない・・・
つまり、施工箇所的にこのフィルムが適しているのかが?
ではあります。
此れが小範囲のドアカップやドアエッジであれば差ほど問題も無いですし、
ドアインステップでも紫外線に晒されませんから問題は無いのですが!
この度は、長期に渡りお預かりさせて頂き、又高額な施工ありがとうございました。
折角親子2代に渡り引き継がれたお車ですので、これからも長く大事にお乗りいただければと思います。
お引取りの際にもご案内いたしましたが、倶楽部ツーリング是非ご参加ください。
特に長野県の方に顕著な傾向ですが、なかなか同好の士が集まらず寂しいカーライフになりがちですので、グレープだからこそ楽しめることも有りますから。
お1人での初参加でも気兼ねがいるようなメンバーではありませんから、ご安心ください。
重ね重ねこの度は、ご入庫いただきまして、ありがとうございました。
車輌クラス:クラスX-1
施工コース:
コーティングコース=エクセレントフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング
磨きコース=01スタンダード・ソフト磨きコース(程度良好車両用=軽度の傷取り・鏡面仕上げ)
オプション施工=キャンペーン・ペイントプロテクションフィルム(リアホイルアーチフロントスプラッシュ左右・サイドロッカー一部左右)
外注施工=全塗装(板金作業あり)
施工金額:1.160.998円税込み(代車使用無し割引-5%・輸入車割り増し磨き+10パーセント・濃色車割り増し磨きランク3+10%・ソリッド塗装割り増し磨き+10%・車体形状割り増し磨き+20% 適応・外注費含む)
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