2017年07月24日公開|日産
最近非常に少なくなった北信のご新規のお客様です!
非常に低走行距離で春に中古車でご購入されたとのことですが、
水染み?
イオンデポジット?
イオンデポジットクレーター?
が、気になられるとの事で、弊社にご依頼を頂きました。
どうやらソリッドブラックは初めて購入されたご様子ですが、
駐車条件はカーポートだそうですけれど、淡色車の場合はカーポートでもある程度効果は有りますが、
濃色車ではほとんど露天駐車と変らなくなってしまいます・・・
しかもカーポート横には植栽があり、
毎日お母様が水遣りをなされる為、
雨の日でなくとも水が掛かってしまうとの事で、
紫外線+水濡れ+花粉・樹液の脅威に日々晒されてることとなります。
ソリッドブラックのお車は、
遠目に見ている分にはカッコ良く見えますが、
実際まじかでよくよく観察してみて程度が良い若しくは管理が行き届いていると思えるお車は、
まず皆無です・・・
弊社でも昔は多くのソリッドブラックにお乗りの方がいらっしゃいましたが、
今でも乗り続けられていらっしゃる方は1~2割程度です。
ほとんど方々は、
今は淡色車にお乗り替えされています!
結局は、人の車として遠巻きに見ている時点では憧れますが、いざ実際ご自身で管理をしてみると、
その困難さや面倒臭さに辟易されてしまいます・・・
洗車を1回すれば、
1回分の傷が増えそれが積み重なって行きますし、
こちらのオーナー様のようにほぼ露天というような状態では、
日々水染みがなにもしなくても増え続けて行ってしまいます。
こちらのオーナー様も、
現時点で既に後悔が始まっているような?
私も生涯の中ではソリッドブラックの車オフロード車で2台、
サファリとCJ5で乗ったことが有りますが、これ等の車の使用用途は完全にオフロード使用でしたので、
洗車で傷が入るとかのレベルではなく藪に入り木の枝等でゴリゴリに擦っていましたから、
外観程度等気にしたこともありませんでした!
オンロード車では現在でも濃色車は所有はしていますが、
黒系は一度も購入したことはありません。
これ単純に好きではないというのが理由です。
これから車両購入を検討されてらっしゃる方で、
黒系を選択されようとしている方はもう一度冷静になって考えてみて下さい!
ご自身の駐車環境がきちんとしているのか?
常時流水を使って屋根下で洗車が可能な洗車環境があるのか?
小まめに時間をかけて洗車を行なう手間と時間が取れるのか?
日々傷と水染みに覆われていく様を容認できるのか?
これ等をクリアーできないのでしたら、
止められた方が良いですよ!
タイプSですので、
4ポッドのキャリパーが装着されています!
が、
このブレーキ見掛け倒しで効かないと言う評判・・・
ステンメッシュのブレーキホースとパットを替えないと、
駄目らしい・・・
折角これだけのものをつけたのですから、
始めから効くブレーキに仕上げればいいのに。
ニッサンのこのてのスイッチパネル好きです!
何が好きと言うと、
日本語表示。
日本人は何故かアルファベットが大好きで、なんでも英語で表示しようとしますが、
判り辛いだけ・・・
使いやすさって大事だと思うのですがねー
洗車をしてご来店を頂いたご様子でしたので、
パット見は綺麗でしたが、
中古車購入ということで何となくですが事前の鉄粉クリーナー作業ではすごいことが起きるのでは?
という予想がありましたが、いざ鉄粉クリーナーをスプレーし始めてみると、
恐ろしい量の溶け出した鉄粉を含む滴りで舗装の上は紫色の液体に覆われて行きます・・・
濃色車の場合、
付着した鉄粉はまず視覚的には確認はできませんので、
この様な事が置きやすい・・・
今回オプション施工として、
“エンブレムの脱着”のご依頼を3箇所頂きました!
古いエンブレムを外して、残った両面テープを除去してなのですが、
これが一番面倒です・・・
無理に擦れば傷入るし、
やさしくやっていれば時間ばかり消費するし。
ベースコーティング修了後に、
指定の位置にガイドプレートごと置いて貼り付けて終わり!
これは水染みではなく完全にイオンデポジットクレーターですね・・・
しかもその上に水染みも折り重なっている。
あまりの凄い状態に、
傷すら埋もれてしまっていてあまり良く見えない・・・
この状態から推測するに、
現在見えている傷は一部で、
実際にはこの100倍位の傷が潜んでいるのでは?
この状態から少しでも意匠性回復をするためには、
“03スタンダード・ソフト磨きコース”が最低施工コースとなってしまいます・・・
過去の施工経験から推察するに、
恐らく02磨きコースでは強固に付着した水染みを削り取ることもできないでしょう。
強固に付着した水染み(アルキル金属基)の、
硬度は塗装よりも堅くなっています・・・
今回ご予算的には、03スタンダード・ソフト磨きコース+スタンダードクラスコーティング+レジントップコート・コクーン=多少のオーバー・・・
でしたので、
オーナー様は03スタンダード・ソフト磨きコースでのご依頼となりました!
が、此処までの状態で大幅な意匠性改善を望まれるとなると、
05磨きコースが必要となります・・・
#1.200→#2.000→#3.000→特種ウールバフ→3段階のスポンジバフ
と言う工程ですが、
クレーターの侵食深さを見るところ30μ近くの研磨が必要でしょう?
そうなると、
ご予算的には磨きだけでも現総予算を大幅オーバーしてしまいますし、
今後磨きを行なうことも残存膜厚を考えると一発勝負の施工となってしまいます・・・
ですので、
現実的ではありませんねー
特種ロングウールバフで研磨を始めてみましたが、表面の固着しているイオンデポジットを除去してみると、
ありえない深さまで侵食しているイオンデポジットクレターがはっきり露出してきます・・・
クレーター内に堆積していたアルキル金属基が掻き出される事で照明状態にもよりますが、
却ってクレーターがハッキリ見えます。
しかも、水染みで隠れてまったく見えていなかったですが、
ピンホール状の酸化痕が満遍なくできてしまっています・・・
見ようによってはメタリックにも見えるほど満遍なく・・・
これは、
花粉・黄砂による酸化ピンホールです。
恐らくこのお車はオーナー様が購入なさる前、
相当期間露天放置されていたのでしょう?
側面も水染みに覆われていますが、
サイドロッカーまで水染みに覆われてるお車は始めてみました・・・
トップに比べ水染みの堆積状態は薄いですので、
明らかに深い傷だけはまだ確認可能です。
いざ磨き始めてみると水染みは多少はてこずったものの何とかほぼ除去できましたが、
変なことが起きていきます・・・
意味不明な断片的な線傷やポリッシャー傷が恐ろしい量露出してくる?
シングルポリッシャーですので、
回転傷は入ることはあっても線傷は入らない・・・
ポリッシャー傷もプレスをかけて磨いている方向とは違う方向に付いた傷が出てくる?
これから判ることは、
過去に相当雑な磨きが行なわれていて、
その際付けた傷をガラス繊維素やセルロース繊維素などで埋めて隠してあるのか、
スクラッチシールドですので熱により塗装は軟化しますから、
軟化したところに大きな粒子の研磨剤で磨くとクリアー表面を切断してしまいます・・・
本来スクラッチシールドは圧縮傷は熱塑性はできても、
切断したものまでが塑性されるわけではありませんが、
まだ塗装自体が新しくフレキシビリティーがある時であれば、
急激な摩擦熱により高温状態にすると傷断面は膨張してくっ付いてしまいます。
然し、傷断面自体に不純物が有る状態でくっついていますから、
傷が無くなっている訳ではありません・・・
スクラッチシールドに限らず、
熱塑性の耐擦り塗料はその塑性力を有機物で保っていますので、
数年すると紫外線による劣化によりその効果を失います。
つまり劣化した分だけ塗装は圧縮されている状態になりますので、
無理やりくっついていた傷が口をあけるともう二度と塞がれる事はありません・・・
研磨粒子で大きいものは20~30μ位ありますが、この様な粒度のものは通常塗装屋さん位しか使いませんが、5μ程度のものは磨き屋さんでもファーストポリッシュでは使用します。
粒子単独であれば5μなら5μの傷しか入らないことになりますが、
研磨粒子がだまになってしまえば深い傷を入れてしまうことになります・・・
特に熱塑性タイプや軟らかい塗装ではバフのすべりが悪いので、
コンパウンドの絡み焼き付きが起こりやすいため、
その時一気に深いポリッシャー傷を入れてしまうことが多く有ります。
このお車も、
この様なプロセスで現在の傷が存在してしまっているのでしょう・・・
過去この様な状態に磨き壊されてしまっている車は多く見てきてはいますが、
このお車の状態はかなり酷いと言えます。
ニッサン純正コーティングの5イヤーコートのステッカーありますから、
前オーナーディーラーで施工されたのでしょうが、過去に数回ディーラー施工のクレームでディーラーから補修依頼受けたことがありますが、
どれも見事に磨き壊されていました・・・
平面部分は左程ダメージはひどくは無いですが、
出隅入り隅部分など磨く際にはプレス圧を抜いて磨かなければならない部分は、
特に酷い傷が入れられてしまっています・・・
逆に強いプレス圧をかけて磨いたかのように。
私の目から見ると、
この施工を行なった方はほとんど磨きを知らないでしょう・・・
ましてや、
熱塑性塗装に関しての知識や特性などなにも知らずに闇雲に磨いたのでしょうねー
ここまでにされてしまっているものは、
今回の施行内容では完全修復はできません・・・
とは言え、
期待・信頼頂いてのご依頼を頂いているのですから、
できるかぎりの努力はして見ます!
通常の2倍以上の時間を掛け磨きました・・・
通常バフでは歯が立たない部分は、
少しでも改善する為にスポット磨きも相当個所で併用もして見ましたが、
これが限界でした。
商売抜きで更に時間を消費して磨き続ければ、
まだ改善は可能かもしれませんが、
商売である以上、
これ以上の時間をかけるわけにはいきません・・・
次のご予約いただいているお車も有りますし。
但し、オーナー様にはお願いをいたしまして、
お引取り日程を2日遅らせていただけましたので、
その分だけは前に進むことができたのは幸いです!
これで日程がちにすることを要求されていたら、
正直さじを投げざろうえませんでした・・・
ボンネットは膜厚確認した時に、
「やけに厚いな?」
とは感じましたが、
どうやら再塗装されているようですので、
フロントバンパーも怪しいでしょう・・・
できるだけの事はやってみましたが、イオンデポジットクレーターと酸化ピンホールに関しては、
ほとんど状況改善には至りませんでした・・・
此処までの状態になるには、単に露天放置期間が長かっただけではなく、
以前のオーナー所有時に撥水コーティング(5イヤーコート)を施工しているからでしょう。
更に簡易ポリマーなども洗車時に使用していたかも?
ソリッドブラックで露天で撥水コーティング、
考ええる最悪の組み合わせ・・・
これでは逆に塗装にダメージを与える為に敢えてお金をかけて施工したようなものです。
プロであればこのようなことは判りきっている事のはずなのに、
巷ではディーラーや簡易施行店でもプロ店と謳っている所でも、
9割方は撥水コーティングをオーナー様方にお勧めしているのは、
正直意味が判りません・・・
百歩譲ってまだガラス系コーティングであるなら、
堆積していくイオンデポジットにとってガード機能を持ちますので、
この様なイオンデポジットクレーターになることを遅延させられるでしょうが、
これがポリマーとなれば逆にイオンデポジットに餌を上げているようなもので、
イオンデポジットクレーターへの進行促進をしているようなものです・・・
これは、
洗車機で簡易的に施工できる撥水もそうですし、
WAXでも同じことです。
一般の方まで含めると、
ほとんど方はGSなどでこの様な簡易的な撥水をされているでしょうが、
ご本人からすれば大事な車だから大事にしているつもりが、
致命的なことを日々繰り返していることになります・・・
いい加減、
GSもディーラーもプロ施行店も考え方を改めるべきでしょう!
NISSAN ニッサン フーガ 370GTタイプS(KY51)
数年ぶりに完全に嵌りました・・・
堆積していたイオンデポジット(水染み)の下にこの様な事が隠されていたとは。
できるだけ他店施工車両のご依頼は避けては来ていましたが、
今回のように中古車でご購入されている場合は、
オーナー様すら前歴は把握できていませんから、
施工してみてから、
「何この状態は?」
と言うことは、
今回の場合は水染みで塗装の素の状態が見えなかったことも悪条件として重なりました・・・
更には、
まさか此処まで以前にポリッシャー傷が入れられていることも予想外でした・・・
10年ほど前までは傷を隠すにも油脂系の傷隠し剤位しか無かったですので、
此処まで長期的若しくは綺麗に隠蔽はできませんでしたが、
この10年程でガラス繊維素・セルロース繊維素・ポリウレタン系等、
隠ぺい力が強く且つ長期的に隠す能力のあるものが巷にあふれていますので、
見ただけでは判断が付かない車が増えているのは事実です。
更にこれ等の上に、
油脂を塗られてしまえばほとんど判断は付かなくなります・・・
前記したように、このお車のように熱塑性型の耐擦り塗装車両を新車に近い状態でむちゃくちゃに傷を入れられてしまっている場合、
施工直後であればそのダメージレベルにもよりますが、
ある程度の回復は可能ですが、
何年も経過した後の塗装自体が経年劣化して塗装自体のフレキシビリティーが失われてからでは、
今回のように根本的修復は不可能になってしまいます・・・
特に国産車に多いですが、
未だに“百害あって一利無し”と言われる熱塑性塗装に拘り、
その対象車種を広げていくのか?
メーカーはその効果を声高々に謳っていますが、
実際その効果を実感されてるオーナー様はいらっしゃるのでしょうか?
同業にきいてみても、実際お乗りになっているオーナー様にお聞きしてみても、
未だかつてその効果を体感したという話は聞いた事はありません・・・
以前はスバルなどは高硬度耐擦り塗装も行っていましたし、
ニッサンも似たようなフッ素塗装がありましたが、
私はこの廃盤になったしまった塗装のほうがはるかに耐擦り能力は高かったと感じます!
欧州車ではBMWが2013年より全車熱塑性型耐擦り塗装を導入していますが、
国産車の熱塑性型耐擦り塗装のような問題は出ていません。
そもそも、BMWは別として欧州車の耐擦り傷の考え方の方向性は熱塑性ではなく、
高硬度クリアーによって傷を跳ね返す的な考え方が主流と言うかほとんどですが、
この方が単純で理にかなっていると思うのですがねー
実際弊社にお持込される弊社施工されていない使用過程車を見ても、
国産の耐擦り傷塗装で傷が少なく程度良好と言うお車を見たことはありません・・・
逆に通常塗装のお車のほうがダメージは少ないような印象すらあります。
然し、欧州車では程度良いお車は結構あります!
これで判断すれば、ほとんど熱塑性型耐擦り塗装は効果は無く、
害にしかなっていないことになります・・・
今回は、予算上の制約から選べるコーティングはありませんでしたので、
迷うことなく“マーベラスフィニッシュ・スノーガード”で決定です!
当然これは親水性コーティングですが、
これをディーラーやGSなどで施工相談すれば、
撥水を施工してしまうのですから私からすれば、
何を考えているやら?
です。
但し、
親水と言っても常時いかなる時でも親水をするわけではありません・・・
少量の水では弱撥水で、
水の質量が増えることで、
水の接触角が撥水角から親水角(造語です)に自然に切り替わります。
ですので、
雨の降り始めや降り終わりなどには撥水水滴はできてはしまいます。
特に、手入れをされずに汚れた状態の時は、
汚れが水の流れを阻害しますので水玉残りしやすくなりますので、
コーティングを施工いてあるからと言って雑な管理は駄目です・・・
コーティングの施工経験の少ない方に多い勘違いですが、コーティングを施工したからと言ってメンテナンスフリーになるわけではなく、
洗車管理はキチンと定期的に行なったいただく必要はあります!
当然今回は“レジントップコート・コクーンSTD”の施工はお願いいたしました!
ソリッドブラック スーパーブラックのボディ色で、
且つカーポートではほとんど露天駐車しているのと変わりがありませんから、
コクーンの施工は必須です。
これもメインのコーティングと同じで、施工してあるからと言って、
雑な洗車や放置などではそこまで完全にガードしてくれる訳ではありません・・・
軽度な水染みが付いたり、埃がのっていたり、花粉・樹液・虫糞の付着が確認された場合には、
なるべく早い段階でそれらを除去する為に洗車は必要です!
この度は、弊社の都合によりお引取り日程の延長に快くお応じていただき、大変助かりました。
ありがとうございました。
今回施工をさせていただきましたが、イオンデポジットクレーターも以前施工で入れられてしまっていた傷も含め、オーナー様にとり満足のいく仕上がりになったのかは、正直不安です。
情けない話ではありますが、現状状態において施工可能なことは総て試し出来る限りの努力をしてみた結果ですので、ご了承いただければありがたいです。
但し、今回の車両購入は、恐らく低走行距離と価格に釣られてのご購入だったと推測されますが、傷に関しては確認は不可能だったとしても、水染みの状態はキチンと確認をされて購入なさるべきだったと思います。
又選ばれたボディ色の、スーパーブラックも傍目でカッコイイと思い見るのと、実際オーナーとなって管理していくのでは印象は逆転してしまいますので、ご自身の駐車環境や洗車でできうることなどを考慮なされて今後は決められたほうが宜しいかとも思います。
このお車、今後まだ長くお乗りになられるご希望であられましたら、トップ部分のボンネット・ルーフ・トランクは再塗装はされたほうが良いでしょう。
ご期待に沿える施工ではなかったかもしれませんが、ご利用いただきましてありがとうございました。
車輌クラス:クラスL
施工コース:
コーティングコース=マーベラスフィニッシュ・スノーガード ガラスコーティング
磨きコース=03スタンダード磨きコース(水染み除去優先=傷取り・鏡面仕上げ)
オプション施工=レジントップコート・コクーンSTD
物販=拭取り専用超大判クロス
施工料金:212.220円税込み(代車使用なし割引-5%・ソリッド塗装割増磨き+10%・濃色車割り増し磨きランク1+20%・耐擦り傷塗装割増磨き+20% 適応・高速料金バック別途・物販含む)
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