2018年03月17日|マイスターブログ
毎年東京ビックサイトで3月に開催されている、オートアフターマーケットに行ってまいりましたが、この10年くらいは欠かさず訪れていましたけれど、
今回は1点を除いて殆ど収穫はありませんでした・・・
この展示会は、エンドユーザーを対象としたものではなく、
施工店や商社などへの業販を目的としたものです。
大企業のメーカーから全く無名の施工店がメーカーになろうとする野望を持って参加していたり、
輸入商社などが軒を連ねていますが、
此処のところ新規参加は減少し、
古参の撤退も目に付きます・・・
実際、
弊社取引先でも最盛期に比べると出店社は半減しています。
というのも、撤退した企業にお聞きしてみたところ、
かかる経費に比べその費用対効果がないとのことです・・・
私からみて、
撤退していく企業ほどその商材は確かな物で、
いんちき的要素は少ないと感じます。
逆に、新規参入して来ているところの零細企業の商材は、
明らかに胡散臭い・・・
今回は何時もに比べ、
零細企業によるヘッドライトカバーのコーティングを売りにしているところが多かったですが、
総てのブースで話をお聞きしてみましたけれど、
すべて胡散臭い・・・
弊社のブログでも何回も解説してきておりますが、
ヘッドライトカバーのクリアを完全除去したあとは、
素材であるポリカーボネイト(PP)となりますが、
シリカやクリスタルは素材に対して直接密着は化学原理的に不可能なはずです。
つまり、
スパイクも出来ない素材で官能基の存在すら無いとなれば、
密着が起こりえる理由が必要となりますが、
其処は何も説明が出来ない・・・
ただただ、
「弊社の試験では5年は密着しています!」
と皆さん言いますが、
その促進耐候試験データーの提示がない上に、
その化学原理も説明できないのでは何を根拠にしているのかが?
しかも、
「下地はポリカーボネイト!」
に対して、
「つまりPPですよね?」
と聞くと、
「PPって何ですか?」
素材呼称すらろくに解かっていないで開発など出来るのでしょうか?
このようなブースを観察していると、
それほど曖昧な物を購入していたり施行代理店契約していたりと、
本来プロの目で吟味した上でエンドユーザー向け商材とする商品を選ばなければならない筈なのに、
多くの施工店さんが眉唾話に丸め込まれています・・・
それを鵜呑みにして、
自社の施行商材としてエンドユーザーさんに販売や施行をしていくのですから、
私からみると恐ろしすぎる。
上記したような胡散臭いメーカばかりではなく、
今回感銘を受けた輸入商社さんがありました!
メンッエルナと言うヨーロッパでは1・2を争うコンパウンドの有名メーカーさんですが、
一時弊社も使用はしていましたけれど、現在は使用はしておりません。
此処で感心したのは、その商材のコンパウンドではなく、そのデモ施行をされていたドイツのポリッシャーメーカーの、
ドイツ人のインストラクターの方の磨き方法とポリシーです!
ソリッドブラックの塗装にペーパーを掛け傷だらけにして、
シングルポリッシャーのみで最終仕上げまで持ち込むのですが、
まずこれが可能な技術を持つ日本のポリッシャーマンは片手いるかどうか?
と言うのも、現在日本のポリッシングの方向は、
知識・技術・施行経験が浅いものでも、
何とか磨きが出来るようにと、
市場の求めるものはギヤポリッシャーやダブルアクションポリッシャーとなってしまい、
シングルポリッシャーに拘られているメーカーは1社のみですが、
そのメーカーさんすら仕上げ工程ではダブルアクションポリッシャーを勧めています・・・
何故感銘を受けたかは2点ありますが、
その1点が常々私も持論にしてきている仕上がりの究極はシングルポリッシャーに依るもの!
と言う点で、
意見が同一だったことです。
但し、
これは誰にも出来得る事ではなく、
相当の熟練者にしか到達し得ないある意味神業です!
もう1点は、
私も目からうろこが剥がれた的ショックを受けました!
日本のシングルポリッシャーはモーターが縦型についているものが殆どで、
その結果ポリッシャーが摩擦抵抗で暴れやすくなる為に、
斜めにしてバフの1/3~2/3位だけを接触させて磨きますが、
ドイツのインストラクターはバフ全面を接触させたべたな状態で磨いていきます。
これが可能な理由は、
ヨーロッパのシングルポリッシャーはモーターが横向きについている為、
重心位置が非常に低いのでベタ置きしてもポリッシャーが暴れない!
又日本のポリッシャーマンの殆どは、
研磨力を稼ぐ為初期研磨は中速回転で磨き始めますが、
この方は極低速回転で磨き始め、
仕上げ工程に近づくほど高速になって行きます。
これにより、初期研磨で磨き傷を入れてしまい、
その磨き傷を又研磨しなければならなくなると言う無駄を発生させていません!
つまり、
初期研磨を時間を掛けゆっくり磨くことにより、
次工程の手間を省くと言う施行方法です。
正直な所、
今までヨーロッパ製のシングルポリッシャーはモーター能力も低く、
構造的にもまともに磨けないものと思い込んでいましたが、
其れは日本形式の構造による其れに合った磨き方を当てはめて考えていましたから、
使えないポリッシャーと思い込んでいましたが、
磨き方の発想を変えればもしかしたら日本製よりも優れているかもしれません?
とりあえずは、デモ機を借りて試してみて、
結果がよければ弊社も導入をするつもりです!
此処でもう一点気づいたことが、
このブース殆ど人が立ち寄りません・・・
内容的に言えば、
今回の出店ブースの中で磨き屋やコーティング屋にとって、
一番興味を持つべきデモをしているのに、
派手な部分にばかり目が行き、
必要な事柄は何なのかの判断が出来ないないようです。
来場している方の殆どが業界人所謂プロでありながら、
プロとしての目ではなく目新しさや儲かる商材ばかりを探しているだけの、
商売人の集団でしかない・・・
これが、現状のこの業界のインチキ臭いと言われる根本でしょうねー
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