2020年11月11日|マイスターブログ
コロナ禍の影響は自動車関連業界では急速に広がりつつあります・・・
尤もディーラー再編成の動きはコロナ禍以前から全国的に見られ、
国産車ではメーカー資本の入ったメーカー直営系に統廃合が進みつつあり、
輸入車でも巨大資本のある会社にディーラー権が集中してきています。
これは以前に比べ新車の売れ行きが悪いことと、
仕入れと販売価格差額の粗利率が相当減少している上に、
メーカーからのディーラー店舗へのCIの縛りがきつくなっている中で、
資本の小さな企業では経営が難しくなっているためだそうです・・・
ディーラー網が集約されることで、
余剰人員も生まれ、資金力もありますから、
今まで外注作業としていた内容もどんどんと直営内製化されて行っています。
これによりディーラーは確実に利益率を上げることが可能になります!
例えばお客様から10万円の料金を頂いて、
今までは外注業者に3万円で外注していたとすれば利益は7万円ですが、
内製発注を同じく3万円とすればディーラー利益は同じく7万円が確保されたうえで、
直営内製工場が施工原価2万円とすれば1万円の利益が出ますから、
ディーラーグループ本部に集まる利益は8万円と利益率は12.5%高くなります。
これが1ディーラー店舗で月100件あれば100万円粗利が増え、10店舗あれば1、000万円ですので、
1年間で12,000万円もの粗利増加になります!
また新車や中古車販売でも、
この不景気ですから値引き合戦が熾烈ですので、
車両の実値引きを少なくする為に、
オプションやディティーリングを、
サービスすることであたかも総体値引きがなされているように見せかければ、
車体値引きを10万円したことと比較すると、
実質値引き額は2万円で済みますから、
8万円分も浮きますから、
上記と同じ計算をすれば96,000万円も値引きを少なく済ませることが可能になります!
オーナーにとって得した気分になるかもしれませんが、
実は一番得しているのはディーラーでしかありません・・・
が、
多くのオーナー様はこのトリックにまんまと乗せられちゃうんですよねー
今までの板金塗装や磨き&コーティング業の会社・店舗の大半は、
7~10割をディーラーや大手中古車屋からの業販に依存してきていましたから、
コロナ禍以降この動きは活発化されていますので、
今後更にディーラー内製化の動きは早まるでしょうから、
廃業・倒産店舗は急増していくことでしょう・・・
結果民間の経験者の従業員たちは仕事を失いますから、
内製化工場に経験者が移動することになりますので、
人員不足も起こりません。
既に長野県下でも、代表的なのはトヨタ系のNTPグループや某商社系輸入車ディーラーグループでは、
そのような内製システム化が急速に進行しています・・・
先日聞いた話では、
京都でもポルシェセンターとBMWディーラーが合併をして、
完全内製化したことで、
某ディティーリング会社では5名の従業員を解雇したそうです。
兵庫県の多少お付き合いのある会社さんも、
どうやら今月より店舗縮営業内容の整理を始めたようですが、
今まで外注依存で安穏と経営をされてきた会社さんは、
ここで厳しい岐路に立たされることになっているようです・・・
弊社は10年くらい前から、
基本的には業販施工は撤退してエンドユーザーオンリーにしてきていますから、
内製化の影響はまだ少ないですが、
とは言え前記しましたように、
車の購入時のサービス施行でディティーリングをされてしまいますから、
今まで車両購入時には必ず弊社に施工ご依頼を頂いていたお客様も半数位に減少しているような感じです・・・
中小零細企業の経営者の方や、
一部上場企業にお勤めの方なども、
経営難で資金繰りが厳しくなっていたり、
残業ボーナスの減少により支出を抑える動きが顕著のようで、
実際車の替え替えなどは我慢されたりされているようですし、
増車などと言う話はほぼ皆無です。
更には今までは車趣味で、
車にお金の消費をしていた方々も、
今どきの新車に興味を失い所謂車離れも増えているようですし、
買い替えするにも既に拘って車を選ばれているのでは無く、
単に足車として選択されているので、
趣味車のようにはお金もかける気にもならないようなお話も頻繁に聞くようになりました・・・
ですので結果弊社のような、
エンドユーザー専門に営業してきた店舗も相当の経営難になることは必然です。
弊社ケミカル等のメーカーの話では、
弊社のようなスタイルの店舗さんたちも関東・関西圏で相当苦戦されているそうですが、
トータルリペアのような店舗を持たず格安出張施工やキーパープロのような簡易施工店は、
逆に業績を伸ばしているそうです!
市場の生活様式の変化や、
コロナ禍による世界経済の低迷は、
過去のようなレベルまでの回復は望めないか?
回復するにしても数年はかかるでしょうから、
自動車関連産業に関わらず、
殆んどの業態・業種の大きな転換点となりますし、
その転換・改善についていけなければ淘汰の波にさらわれることになるでしょう・・・
当然弊社にも同じことが言えますが、
正直なところ生い先も見えている中で、
じたばたしてもしょうがないですし、
なるようにしかならない開き直りで、
現状の様に建築事業部が安定受注確保が可能であれば、
現状維持も体力的には可能ですが、
それもおぼつかない状態に陥れば、
長野本店or京都店の今後の受注数動向により閉店若しくは、
ディテーリング事業自体からの撤退・全店舗閉店も現状を鑑みれば覚悟の必要があるのかもしれません・・・
とある京都の知り合いも、
「ほとんど仕事もなく収入もおぼつかないし、今後の急速な回復も望めないでしょうから、
購入した分譲マンション(約1億円)も手放し、
生活可能なレベルへの転換を考えています・・・」
との話もありましたが、
この方相当の貯蓄もあり今まで年収も数千万円もあられていてすら、
このような決断をされようとしているのは、
しがみつきあがくことが良いのか?
見切りを早くして身の丈を縮めるか?
の方向選択は、
人生や社運を左右するでしょうねー
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