2011年01月24日|マイスターブログ
いつも施工いただいている常連のお客様が、お子様のための購入されたハリアーを施工のためにお持込いただきました。
お子様の好みが202ということだそうでお車を探されてそうですが、全体がオリジナルの202という車が無く全塗装車を購入されたとのことでした。
購入前に塗装されているためにどの程度の塗装がされているかの情報が無かったので、正直傷の量もかなりのものでしたので磨きに耐えうる塗装かどうかが不安ではありましたがとりあえず施工の準備に入りました。
当然はまず洗車です。
温水のスチームを掛け隅々まで大きな汚れを落としていきます。
溝になっている部分にはごみなどが入り込んでいるのでさらに入念なスチームがけが必要です。
しかしふと気がつくと、
ドアハンドルの付け根の部分が白くなっていくでは有りませんか!
“なんと塗装が剥離してしまっています”
剥離した部分の下地を確認して見ると、下処理もされずに塗装して有ります。
さらにクリアーすら塗装されておらず、1コートのソリッド塗装です!
これは何だ!
ということで各所を確認して行ってみると、塗装しにくい部分などはまともに色が入っておらず下地の白色が透けて見えるところまである始末です。
お客様に大急ぎでご連絡を入れて見ると、
“やっぱり”
という反応でした。
「スチームで塗装が剥離する部分を全て確認してほしい」
とのことでさらに作業を続行して行ってみると、なんと塗装剥離をしたパネル数は8パネルにもなってしまいました。
剥離の状態から見て下地の塗装にペーパーがけなどの下処理は一切せずにただ塗装をした状態のようで、当然パーツなどをはずして淵まできちんと塗料がのるような事はされてはいません。
これではスチームで塗装が剥がれてくるのは当たり前です!
この状況でお客様は自腹で塗装を補修しようと考えられていたので、仲間の車屋さんの社長たちに連絡を取りどうしたものかを相談したところ、
「そんな車商品とはいえない、その値段でそれではほとんど詐欺のレベルだ!」
「車を買った店に引き取らせ金を返してもらえ!」
と他人事ながら怒りをあらわにされていました。
そりゃー怒りますよね。
このような車屋がいるからまともな商売をしている車屋さんまで胡散臭く見られるのですから!
このような内容をお客様に伝え購入した車屋と交渉することをお勧めしました。
車屋の返答は驚くべきもので、
「そんな事始から分かっていたことジャーないか!」
といわれたそうです。
本当に人の良いお客様なので、
「そういわれたのでやはり自分で直すか、そのまま乗るようにします」
と妥協してしまいそうな雰囲気でしたので、
とにかく車を引き取ることを強く要求することをお勧めしました。
何回かの交渉の末車屋が車を引き取りお金を返していただくことになったそうです。
“当たり前ですよね”
正直この時代にまだこんな車屋が存在していることは驚きでした!
しかもぽっと出の車屋ではなく結構な年数を営業されてきているとのことでしたので、このような目に遭われている被害者は数知れない可能性があります。
まだ価格が市場に対して極端に安く、価格的にリスクがあって当たり前ならばまだ分かりますが、相場を調べたところ安いどころかかなり高い価格でした。
なぜこのように騙される事になったかというと理由がいくつかありました。
車種はハリアーと決まっていて、当然その中で予算も限定されていました。
ここまでは当たり前のことです。
しかしボデイカラーが限定車を除き無い色で、ホイルのインチや装備など車自体の程度以外のことを選択要素として重要視していることに付け込まれたのです。
本来であれば色換えされた車にはほとんど価値はありません。
しかし玉数も少なく人気も高い色を選ばれたため当然オリジナル塗装の車は高値です。
それでもどうしてもその色が好く予算の範囲内で購入しようとすると、程度を度外視した選択となってきてしまいこのような車を押し付けられることになってしまいます。
今回は納車後翌日に同業者のところで発覚したことなので何とか損をせずに非を認めさせることができましたが、これが使用されている中で数日後に起こったとしても車屋はこうなる事を承知で販売しているのですから認めることは無かったと思います。
“不幸中の幸いです”
まだまだ世の中にはこのような詐欺中古車販売店が大手を振って営業をしています。
値段や装備だけで判断されずにきちんと隅々まで確認をされて購入されるようにしてください。
“決して口車に乗り買い急がないように”
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