2010年02月06日|マイスターブログ
去年で一社今年の1月で一社磨きコーティングがディラーで内製化に完全に切り替えられました。
内製化とは今までは専門業者の外注先に依頼していた作業をディラーの自社工場内で社員やアルバイトを使い施工することです。
板金塗装などは早くから内製化がすすみ国産ディラーなどは今ではほとんど内製化されています、次にきたのがオーディオ関係の電装作業です、そして最後が磨きコーティングやフィルム作業です。
内製化のお客様にとってのメリットは施工内容や価格・クオリティーが平均化することです、同じ系列ディラーであれば店舗が違ってもほぼ同じサービスが受けられるようになります。
反面デメリットもあります。
専門店は何年何十年とその仕事だけで営業をしてきております、簡単な表現をすれば職人の集団です。何日か講習を受けて作業をするレベルとは当然技術・知識・経験は雲泥の差があります。
ディラーは専門店に比較して大きな会社ですので経費も多くかかりますし、時間管理された中での作業ですので施工日数も多くかかりますから人件費も高くつきますから、当然専門店に比較して料金設定は高くなります。
又クレームに関しても今までは業者にやり直しを指示すれば自分の腹は痛まなかったので比較的簡単に外注業者の作業に関してはクレームを認めましたが、内製化された場合のクレームは全部自腹となるのでなかなか認めなくなります。
ディラーと専門店の違い
ディーラー | 板金塗装屋 | |
経験 | 20代が主体 | 経験年数20年や30年はざら |
使用材料 | 会社が定めた特定の物 | 必要に応じて換える |
設備 | 最新のものが多い | 会社によりまちまち |
知識 | 低い | 高い(全部ではない) |
技術 | 低い | 高い(全部ではない) |
価格 | 高い | 安い |
サービスレベル (接客等も含む) | 高い | 低いところが多い |
施工日数 | 早い | 遅いところが多い |
経験:
特に板金塗装屋さんの場合は非常に開きがあります、単純にパネル交換のような作業だけなら問題はないでしょうが色あわせや板金作業は経験と感が勝負です。
電装屋さんは室内のパーツ等の取り外しのときに経年車ですとパーツが劣化していてもろくなったりしているのが勘でわかるそうです。
我々の業種の場合は基本的に板金塗装屋さんと同じですがそれ以上に経験に差があります、ディラーの場合昨日までスパナを握っていた整備士が2~3日の講習後いきなりポリッシャーに握り返すこともまれではありませんが、多くの磨き屋さんは新人がお客様のクルマを磨くようになるには数年かかります。
使用材料:
専門業者は多くの場合プライドを持って仕事をしておりますのでコストだけにとらわれるのではなくクオリティーを追求する為に品を買え日夜研究をしておりますので適材適所で材料を換える柔軟性があります、取引業者も特定する必要がないにで市販されているものであればほとんどが入手可能です。
ディラーですとまず取引をするにも役員と面談をし口座を開設してもらい納入する物までを決定してと言うことになりますから現場の必要性は反映されにくい構図です、材料決定も現場に決定権はない場合が多く施工性とコストだけが優先されたものが選ばれることが多いです。
設備:
ここのところは資金力の問題が大きいのでディラーのほうが相対的に優れている場合が多いですが、専門店はそこを小回りが利きますので創意工夫でカバーされているところも多いです。
知識:
専門業者の場合には横のつながりも非常に多いので同業者に限らずいろいろな業種の方から情報が絶えず入りますし、納入業者さんもいろいろなところと取引をしているのでこちらからも現場のものにまで情報が入ります。
ディーラーさんの場合には会社内の横つながり以外の外部とのつながりはほとんどありません、下請け業者もディラーに知識をつけさせると内製化されることを恐れるので深いことは教えません。納入業者の場合もほとんど役付きの人間が対応する為に敷居が高くなり現場に情報が入りにくくなっています。
技術:
ここは経験や知識と同じように専門業者に軍配が上がる所です、一倍差がはっきりしてくるところでもあります。
我々はこれだけで生業としているのでここをおろそかにしたら明日からは生活が出来ません、ましてや好きで選んだ道ですから1日1日が精進です。
方やディラーの社員は会社の人事で好むと好まざるに関係なく消化仕事として作業をされている方がほとんどですから差が付くのは当然です。
価格:
ここもはっきりした差があります。
ディラーと専門業者が同じ仕事を同じクオリティーでした場合間違いなく専門業者のほうが安いです、単純に会社の維持に掛かる経費の比率が違いますし粗利益率の設定も違います。
ただしディーラーの場合標準的な施工しか行いませんが、お客様が高いクオリティーを望まれる場合は専門店の場合それに合わせた施工をいたしますので価格はその場合はディーラー価格をはるかに超えた金額になる場合もあります。
同じ価格である場合はほとんどの場合専門店のほうがクオリティーは高いと思います。
サービスレベル:
ここもまずディーラーのほうが上でしょう、専門店の多くはディーラーの下請けがメインで営業をされてきたところが多い為、エンドのお客様の対応になれていないところが多いです、又職人気質が邪魔をしていることも多分にありますが、私の仲間の板金塗装屋さんではディーラー並のサービスをしているところもあります。
施工日数:
ここもディラーに負けることが多いです、まずは人数と設備の問題が1つ、あと専門業者の多くはエンドユーザー一本と言うところはは少なく業販仕事の占める割合が多い場合が多く納期がタイトなためにエンドのお客様の作業が後回しとなってしまうことが多いです。
どちらもいいところ悪いところいろいろありますが、数は少ないかもしれませんが不利な部分でもディラーと同等それ以外のところは圧倒的に優れていると言うところも実際私の仲間でも数社あります。
何でもかんでもディラーが一番と言うわけではありません、餅は餅屋と言う言葉があるように専門店ではのよさもありますのでたまには直接依頼されてみてはいかかでしょうか?
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