コーティング専門店やディーラーなどの多くが定期メインテナンスを保障継承の条件にし有償でメインテナンスを行っているところが多いのはなぜでしょうか?
ひょっとしてあなたもその口車に乗っていませんか?
だとしたら騙されている可能性が高いかもしれません!
すべてがそうとは限りませんが、ディーラーの内製化を行っているところでの有償メインテナンスは殆んどインチキと思ったほうがいいでしょう。
たとえば車両購入時に値引きとして、またはサービスとしてコーティングを施工してもらったとしましょう。
これは確かにお客様にとってはただなのですが、販売店側の営業は非常に大きな損をしていることになります。
社内的にはコーティングを施工した場合営業からサービスに施工代金を支払わなければいけないので、サービスは売り上げとなりますが営業は持ち出しとなります。
つまりどこかでこの損を埋める必要があるのです、それが有償メインテナンスとなります。
つまりコーティングでした損はコーティングで取り戻すということです!
コーティング専門店の場合の事情はちょっと異なります。
新規やリピーターの施工だけでは予約のカレンダーは埋まってきません、そこでメインテナンス施工が定期的に必要となってきます。
殆んどの場合メインテナンスはかかって半日場合によっては待っている間に施工は終了し、料金も1~2万円程度となるはずです、粗利率的にはおいしい仕事です。
ではメインテナンスは現実的に必要なのでしょうか?
コーティング剤の種類や使用状況などコーティング膜の状態によっては必要な場合もありますが、車によりその状態はまちまちですので一年ごとにメインテナンスを受けなければ保障が継承されないというのはおかしいことです。
コーティングを点検して必要がない状態であればメインテナンスはする必要がなく、必要になったときにメインテナンスをすればいいことです。
保障継承とメインテナンスを絡めて金儲けの手段としていることが多いのです。
ではどのようなときにメインテナンスは本当に必要なのか?
親水性にしろ撥水性にしろシャンプー洗車をして汚れをきちんと落としても、親水も撥水もせず流した水がベタッとボデイに残るようでしたらコーティングの機能は残っていないのでそのときには必要となります。
親水性・撥水性ともにはじめにコーティングを施工したときはアンダーコートのシリカ膜と機能層は強固な密着をしていますので、密着の弱いもしくは機能層がやわらかいコーティング剤でも約一年は耐久性はあります。
これはシリカ膜が硬化すると同時に機能層も硬化するため分子結合するタイプでなくてもスパイク効果で強固な密着をすることができます。
しかしメインテナンスでは、硬化してしまっているシリカの膜に機能層を塗りこんでも分子結合はできませんし、スパイク効果も出てきません、つまりシリカの膜に機能層が乗っかっているだけでまったく密着はできていない状態です。
この状態では機能層は一年間の耐久性も持続することは不可能です。
一回こうなってしまうと定期的にメインテナンスをするしか方法はなくなります。
つまりコーティングの定期メインテナンスを保障継承の条件にしなければいけないのは機能層の耐久性に問題があることが根本的な理由となります。
ではこうなってしまったらどうすればいいか?
どちらかといえば二番のほうがお勧めですが、同じコーティングを施工してもまた同じことが繰り返されるだけですので、違うコーティング剤で機能層が高耐久のもので施工しなくてはいけません。
しかしここにも問題が起こることがあります!
一口にガラスコーティングといってもシリカの膜を形成する原材料や成分はいくつものパターンがあり、場合によってはシリカ膜同士が反発しあってしまい密着できないことも考えられます。
このようなことを防ぐには、はじめに施工したコーティング剤の身元がはっきりしていて再コーティングで使用するコーティング剤との相性を確認できることが必要となります。
その上でその相性を判断しうる知識があることも当然必要となります。
そうなると面倒なことはいわずに、古いシリカ膜を落として際施工すればいいのではということになりますが、これはこれでまた問題がある場合がありますが、このことについてはまた別の機会に解説いたします。
車磨き研究所では施工保証書は発行せず、代わりに施工証明書を発行しています。
これははじめに書いたように使用環境がすべて違う車に対して同じ保障をすることができるはずがないという理由からです。
ですからコーティングに対しての保障は施工後一年間はいたしますがそれ以上につきましては行ってはおりませんが、定期メインテナンスの義務化もいたしていません。
これは無責任のように取れるかもしれませんが決してそうではありません。
本当であれば保障はシリカ膜の剥離に対してするもので、機能層に対してするものではないからです。
シリカ膜はきちんと製膜し塗装と密着することができて1年間残存していれば、下地である塗装が劣化して剥離を起こさない限りシリカ膜が摩擦で磨り減ってなくなるまで剥離はしないものですので一年間以上の保障は無意味と考えるからです。
機能層のメインテナンスについても独自の考え方をしております。
車磨き研究所で使用するガラスコーティング剤は一層構造の分子結合で機能層を形成しているものが主力となります。
このタイプのコーティング剤はシリカの膜と機能層が一体となっているために、シリカ膜が存在する限りメインテナンスの必要はありません。
また二層構造のガラスコーティング剤の場合は選択いただいたコーティング剤の性能や使用環境によって時間差はありますがいずれかならず機能層は剥離してなくなります、このような状態になったときにコーティングを点検させていただいて、必要であれば機能層の復活メインテナンスか残った古い機能層を剥離しての再コーティングをするかをご提案させていただきます。
車磨き研究所ではコーティングに対しての一律に決まった定期メインテナンスはまったく必要ないと考えます。