弊社も含め多くの施行店では、
施行された若しくはしようとされているコーティングの耐久性若しくは保障期間をご説明されていることと思います。
ではこの耐久性若しくは保障期間(以降コーティング残存期間と総称いたします)ですが、これはどなたでも一律に同じ状態が保たれるのか?
と言うと、
これは雲泥の差が出ます・・・
弊社の場合はコーティング基本耐久期間と言う表現をしておりますが、
これはコーティングを製造しているメーカーさんが、
メーカー独自の基準により促進耐候試験を行った結果の場合と、
JIS試験の結果を元に算出している場合があります。
どちらの場合もあくまで条件指標であって、
どなたにも適応される確実なものでは残念ながらありません・・・
例えば、
メーカー独自に行っている促進耐候試験では、
試験方法が屋内駐車を対象とした場合もあれば露天駐車を対象とした場合もあります。
洗車に関しましても、1ヶ月間の洗車頻度を何回と設定するのか?
手洗い洗車なのか?
洗車機なのか?
も有りますし、細かく言えばその際の水のHPはいくつなのか?
等々設定条件はまちまちです・・・
つまり、環境が様々なオーナー様方総てに当てはまる、
確実なコーティング残存期間のご提示は不可能と言うことです・・・
コーティング残存期間1年のものでも、
全く使用せず紫外線に晒されずに車庫保管されていれば、
ある意味エンドレスです!
逆に、使用頻度が非常に高く、洗車も洗車機のみでその頻度も高く、完全露天駐車であれば、
10年のコーティング残存期間のものでも3年ももたないかも知れません・・・
未だ多くの施行店で、
コーティング保障期間を設けて、
有償定期メンテナンスのご入庫されることを前提に保障継承をしていますが、
保障期間を設けてしまっている以上、
この期間内にコーティングの機能が完全喪失してはクレームとなりかねませんけれど、
上記したように施行されたオーナー様の環境はまちまちですので、
其れを期間保障するにはこの様な方法しかないのはしょうがありません。
但しこの方法は、
必要が無い方にも一律にランニングコストを強いるものとなりますので、
この方法は弊社では行なっておりません!
本題のコーティングの維持管理ですが、
その方法の一番良い方法と言う絶対的なものは無いといえるでしょう・・・
しいて言えば、
当然完全車庫保管で雨天使用後の自然乾燥はさせないことが出来、
洗車も紫外線が当たらない環境で使用する水も中性水に近いものが使え、
洗い拭き上げにおいて使用する道具も高級プロ用のものが完備されていて、
洗車自体のスキルも高くなければなりませんし、
余裕を持った時間も必要です!
現実的には、
この条件揃われる方はほとんどいらっしゃらないでしょう・・・
弊社会員様約500人の拘りの強いオーナー様の中でもこの条件を見たされていると思われる方は、
たった一人です。
つまりこれは、
一般的には非現実的・・・
他店様のことはとりあえず置いた話として、
弊社でのコーティング施行車輌では私が想定しうる条件範囲内であれば弊社が設定する基本耐久期間は、
悪条件が重なったとしても―30%に止まるでしょう。
これは、
コーティングの残存性に関してであってコーティングの機能性では全く別話となってきます・・・
コーティングの残存性に関しましては、
基本的には摩擦により消耗されていってしまい、
コーティング自体が消滅すれば残存性は0となりますが、
摩擦消耗は主に洗車により起こりえることですので、
洗車回数が増えればそれだけ消耗しますし、
手洗いよりも洗車機のほうが遥かに消耗率は上がります・・・
つまり、コーティングの残存性を上げるには、
洗車頻度を低くし、
あくまできちんとした丁寧な手洗いが出来ればそれが良いと言う事になります!
ですが、消耗率は納得の上で、
他のリスク軽減のために洗車機を使用されることは、
決して悪いことではありません!
実際私も、
使用目的によってはオンリー洗車機の車も有ります。
難しいのは残存性の保持ではなく機能性の保持です・・・
過去弊社のお客様で、
施工から半年程度でコーティングの機能が皆無になったと言って来れれた方がいらっしゃり、
洗車方法をお聞きすると、
「其れではコーティングは機能しなくなるのは当然・・・」
と言うことで、
お引渡し時にもご説明している管理マニュアルにそって更に詳しく再度ご説明いたしましたが、
正しい洗車方法の概念自体をご理解いただけてなかったようです・・・
基本的には一膜製のコーティングでは、
コーティング膜が残存している限りコーティングの機能は残存しています!
但し、
上記したように洗車管理が不適切であれば、
その残存機能も効果を失わされてしまいます・・・
大気中にはシリコンオイルなどの不純物を含んでおりますから、
特に露天駐車の場合には自然にこれ等がコーティング面に付着します。
洗車が水洗いのみである場合、
この付着物は洗車では除去されずに徐々に堆積してしまいます。
そうなると、コーティングの機能は阻害され、
機能低下をしていきます・・・
これを防ぐ為には、
洗車の際偶にはシャンプーを使用することで、
軽度の不純物付着は分解されます!
但しこの際、シャンプーの洗浄がキチンとなされなければ、
今度はシャンプーの成分である界面活性剤の膜が形成されてしまい、
更なる機能阻害を引き起こします・・・
シャンプーの洗い流しは、
多くの方の場合水を掛けて終わりとされているようですが、
これでは界面活性剤は洗い流されません・・・
ですので、
必ず流水をかけながらシャンプーをし終えた部分を再度スポンジ等で洗う必要があります。
洗車場等で、
流水使用が出来ないような場合は、
バケツに水を溜めそれにスポンジを漬け界面活性剤を洗い流すようにして、
最後に高圧スプレーでもう一回洗い流します。
但しこの方法は、
流水使用が出来ないために常にパネルが乾いていくリスクがありますので、
すばやい作業且つ日中は避けるなど工夫が必要です。
これ以外にどなたでもどのような洗車方法でも生じるリスクが、
水に含まれる不純物による水染み・水垢の付着ですが、
これ等もやはり点状や線状だけでなく面で膜化するリスクもあります・・・
このような膜化は、
雨水では黄砂や花粉の季節などでこれ等が付着している場合はリスクは高まりますが、
雨水自体は不純物はあまり含んでおりませんので、
雨水リスクはそれほど高くはありません!
ハイリスクなのは、
水道水や地下水ですが、
地域により水質は相当違いがありますけれど、
リスクがあることは確実です。
特に洗車に時間がかかってしまう方や、
水質的に問題が多いような場合には、
洗車中や洗車修了後に精製水をスプレーでかけてあげてから拭き上げを行なうことで、
相当不純物の付着を防ぐことが可能になります!
前記いたしてきています以外にも、
コーティングをまず何を選ばれるかでその後の管理の頻度や必要項目は変わってきますが、
どのようなコーティングを施工されていたとしても、
日々の扱いを適当にすることが出来るためのものではなく、
汚れにくくなることで洗車頻度を少なくすることが出来たり、
塗装を守り傷つきを犠牲皮膜となって防ぐなどとなりますが、
SFのバリアーのようなものではありませんから、
コーティングをより長期間維持したり、
機能低下を防ぐためには、
オーナー様の正しい管理が必要です!
コーティング自体の性能より、
オーナー様の維持管理の良し悪しでコーティングの耐久性や機能保持は決まると言えます!