これは非常に難しい質問となります。
施工されているコーティングによりまったく方法は変わってきます。
が主なものとなるでしょう。
1.ポリマーコーティング
メインテナンスを必要とするほどの耐久性を持たないので、撥水などの機能が低下した段階でほとんど寿命と考えていいと思いますので再施工をする必要があると思います。
ただしポリマーの基本成分はほとんど有機物となりますので、古いコーティング膜が残った状態で際施工を繰り返すと下の古いポリマーが劣化していくことでくすみを起こしていきますので、連続での上掛けはせいぜい1年ほどにとどめることがお勧めです。
1年経ったら古いポリマーを落とし塗装面を出してからの施工が必要です。
この古いポリマーを落とすのも施工されているポリマーコーティングの種類により異なってきます。
油脂系のポリマーであれば専用クリーナーで落とすことができますが、DIYで施工する場合傷をいれてしまうリスクは発生してきます。
ガラス繊維系ポリマーの場合はクリーナーで落とすことはまず無理ですので専門店での磨きに因る処理が必要になってくると思います。
車磨き研究所の場合はポリマーコーティングの水垢落としがこれに当たりますが、あくまで古いコーティング層の剥離を目的としたものなので傷の処理はいたしません。
2.テフロンコーティング
本来はデュポン社の認可を受けたものだけが使える名称ですが、現実にはフッ素によるコーティングなどを総称して呼んでいるようです、一番有名なのがトヨタなどで使用しているCPCコーティングです。
ここではポリマーコーティングとは別にしていますが大きな枠組みで見るとポリマーコーティングの一種ですが耐久性は一般的ポリマーコーティングに比べ大幅に高いので別にしています。
商品により耐久性能はかなり違いがあるように謳われていますが、現実的にはそれほど高い耐久性はありませんし耐磨耗性もそれほど高くないため現実的使用限界は2年持てばいいほうだと思います。
テフロンコーティングの場合撥水性と親水性のコーティングが存在しますがどちらの場合もフッ素の特徴として酸によわいという弱点があります。
つまり露天駐車の場合など常に酸性雨にさらされる条件ですと早ければ1年ほどでコーティング自体が無くなってしまう可能性もあります。
コーティングはあくまでコーティングの表面が露出していることで機能していますので油脂など汚れが乗ることで機能が失われていきますからこの汚れを落とすことでかなり機能回復することができます。
汚れを落とすには研磨剤などが入っていないクリーナーを使用して行うことがDIYでも可能ですがポリマーコーティングと同じで傷を入れてしまうリスクは発生してしまいます。
これで機能化回復しない場合にはすでにフッ素のコーティング膜が剥離や摩擦などでなくなってきていることになります、こうなってしまうと新たなフッ素の膜を上乗せすることになりますが、古いフッ素のコーティングと分子結合できるわけではないので密着性は低いので剥離の可能性が高くなり1年以上の耐久性は望めません。
塗装に直接コーティングするのと今あるフッ素に対してコーティングするのでなぜ密着性が違ってくるのかは不思議な感じがするかもしれませんが非常に単純なことです。
塗装というのは非常に多孔質な表面ですのでフッ素の分子が孔に入り込みスパイク効果を生み出しますが、既存であるフッ素膜は非常に緻密な膜を形成しているためにスパイク効果が非常に弱くなるために密着性が上がりません。
ディーラーなどで保障継承のためのメインテナンスを有償で受けても効果が長持ちしないのはこのような理由によります。
再コート自体はそれほど難しいことではありませんのでDIYでの施工も可能ですが、した処理でのクリーナーに因る作業は必ず必要となりますので先にも触れた傷を入れてしまうリスクは発生してきてしまいます。
この部分さえクリアーできればコーティング自体はそれほどシビアなものではありませんので最低の施工環境さえ確保できれば、何も高いお金を払ってまでディーラーや専門店でのメインテナンスは必要なくDIYでも十分施工可能だと思います。
3.ガラスコーティング
一番厄介何はこのガラスコーティングのメインテナンスです!
ガラスコーティングにはメインテナンスが必要なものと必要でないもの又はできないものとが存在します。
それでは各項目によりご説明いたします。
1.メインテナンスが必要なコーティング
主に撥水性のコーティングとなり現在主流となっているフッ素による撥水をしているものになりますが、使用しているフッ素の種類によってはいわゆる定期メインテナンスは必要ないものも存在します(ハイモースコートなど)。
ガラスコーティングにおいてのフッ素の形は剣山のような形で製膜しているため、洗車など摩擦が発生していく中でフッ素の針が折れて機能が弱まったり、剣山の隙間に汚れが詰まることで機能低下をしていきます。
フッ素の針が折れてしまっている場合にはフッ素を再コーティングしてあげることで機能は回復しますが、テフロンコーティングと同じで既存のコーティングと分子結合をするわけではないので1年程度で剥離してしまうこととなります。
コーティングを施工された再についてくるメインテナンス剤はこのようにフッ素膜を再生するものではなくポリマーにより撥水を強化するためのものですので数ヶ月で効果は低下してしまうものがほとんどですので、あえてディーラーや専門店で施工する必要は無いと思います。
テフロンコーティングと違いコーティングの下地にガラス膜があるのでクリーナーによる下地処理も傷が入るリスクはかなり低いこともDIYで施工可能と考える理由です、但し施工されているガラスコーティングが膜硬度5H以上あることが条件とはなります。
かえって厄介なのはフッ素の隙間に汚れが詰まってしまった場合です、これはクリーナーなどで掻き出すようなわけにはいかず、弱酸の薬品でフッ素を溶かさないように汚れだけを溶かすメインテナンスが必要なためDIYでのメインテナンスは不可能です。
ほとんどのディーラーでの施工も無理ですのでこの場合は専門店でのメインテナンスが必要ですが、施工されているガラスコーティングの種類と情報がはっきりしない場合には施工されないほうがいいと思います。
2.メインテナンスが必要でないコーティング
フッ素以外の無機物をシリカ膜の中に分子結合させることで撥水性を持たせているものや、シリカ・チタンなど無機物の親水基により親水性も持たせているものの場合、機能の基本構造は金太郎飴と同じ理屈となるためコーティング膜が存在する限り基本性能に変化は発生しませんのでメインテナンスの必要はありません。
ただしコーティング膜の表面に油脂などの汚れがこびりついて機能低下することは起こりますので、この際はクリーナーにより汚れを落とし機能回復させる必要はあります。
この作業もガラスコーティングの膜硬度が5H以上ある商品でしたらDIYでのメインテナンスは可能となります。
また現状の機能に不満がありより強い機能を付加させるために撥水剤や親水促進剤などで機能強化することは可能ですが、これは使用する溶剤によっては既存のコーティングと化学反応を起こす可能性がありますので、施工された施工店に問い合わせするか依頼されることが必要となります。
ハイモースコートの場合は施工されたときにお渡しする専用メインテナンスクロスで洗車の拭き上げ後に軽く拭く取りをすることで、フッ素の隙間に特殊なシリコンを充填することでメインテナンスの役をしてしまうので、いわゆるメインテナンスといわれる行為は必要ありません。
3.メインテナンスできないコーティング
樹脂系ポリマー配合のガラス系コーティングやガラス繊維系ガラスコーティングに関しましてはメインテナンスはすることはできません。
というよりポリマーコーティングと同じように寿命が短いためあえてメインテナンスをして一時的に機能回復をしてもお金と労力の無駄になりますのでお勧めはできません。
この種類のガラスコーティングは膜硬度も低いためにクリーナーなどを使用したクリーニングを行うことで逆にコーティングをすり減らし寿命を短くしてしまう可能性が高くなるため、汚れに因る機能低下をしてきたとしてもシャンプー洗車でのクリーニングにとどめるのが無難です。
またほとんどの商品は有機系物質がポリマー形成されることで膜を形成していますので、機能強化剤などを使用したメインテナンスを行うことで既存のコーティング膜の有機物と化学反応を起こす可能性がありコーティングの寿命を短縮してしまう可能性のほうが高くなります。
このようなコーティング剤は主に艶に特化した商品が多いので、シャンプー洗車をされても機能回復しない場合にはコーティング自体の寿命と考え再施工することが必要です。
コーティングメインテナンスに関しては車磨き研究所ではこのように考えております。
現在でもコーティングに関して保証書を発行することで保障期限を決め、1年ごとの有償メインテナンスをすることで保障継承をするやり方がまかり通っておりますが、これに関してはおかしいと考えております。
全ての車は塗装の質や程度に差があり同一条件はありえません。
さらに施工後の保管環境・使用状況・管理方法に至ってはまったく把握することは不可能なものに対して、同じ条件の有償メインテナンスを受けないと補償継承できないということは理屈になっていません。
メインテナンス自体を否定はしませんが、必要ない車に対してもそれを強制することはただの金儲けでしか有りません。
メインテナンスは必要な車に対し必要と思われる方だけが、最も適当と思われる方法で行いより少ないランニングコストでよりいい状態でお車にお乗りいただくために行いご案内するものだと考えます。
車磨き研究所では全てのお客様に対しメインテナンスのご案内はいたしておりません。
お客様がコーティングの変化に気づかれ、お問い合わせをいただいた場合にだけその状態に応じ必要な時にだけメインテナンスのご案内をいたしております。
注)
1.メインテナンスで使用されるクリーナーはできるだけ各コーティング剤の専用のものを使用されることをお勧めします。
2.市販品をご購入の際は必ず研磨剤が入っていないことをご確認下さい。
3.水垢落としなどは研磨剤が入っていなくても弱酸性のものがありますのでこのような商品も使用しなようにしてください。