このご相談は年に何台かはお聞きすることがあります。
弊社で施工いただいたお客様の場合には大体施工後1ヶ月以内にこのようなことで来店されることが有ります。
実は洗車の仕方によってはコーティング施工直後には未施工の場合に比べ水垢がつきやすくなる場合が有ります。
ガラスコーティングは施工直後は膜にはなってはいますがまだ完全な形とはいえません。
大体1ヶ月から2ヶ月くらいの時間をかけて完全なシリカ膜へと形成されていきます。
この期間は溶剤の含まれる不純物(副材料)が徐々にシリカ膜から排出されていきますが、その成分はキシレンなどの有機物となります。
この排出された成分に何らかの汚れが付着することで水染みなどが発生しやすくなります。
このような症状になられたお客様から聞き取りをしていくと大体原因が一致しています。
それは洗車をされた直後から確認できるようになります。
露天で放置されている状態でなることは少ないようです。
ではなぜ洗車の後に水染みができやすくなるか?
ということになりますが、これは洗車方法に問題がある場合と水質に問題が有る場合とがあります。
1.洗車方法に問題がある場合。
洗車機で洗車をした場合にはまず起こりません、手洗い洗車の場合にだけこのような症状が出てきます。
これは2つの原因があります。
一つ目はシャンプー自体の品質の問題です。
シャンプーの中にリンスやポリマーなどが配合されたもので起こりやすくなります。
これは本来コーティングは汚れの付着を防ぐようになっているものに対して膜化して艶を出すものが乗った場合、はじかれて玉のようにコーティングの上に点在する形となります。
これがコーティングから染み出す成分と結びつき染みとなってしまいます。
二つ目は洗車の方法です。
水洗いのみの場合には起こる可能性はかなり低くなります。
多くの場合シャンプー洗車を行うことにより症状が出ています。
多くの方はシャンプー洗車の際一度ボデイをぬらした後、流水を使用せずボデイ全体をシャンプーで洗われるようですが、このとき一番初めに洗ったところはすでに乾き始めています。
この段階でスポンジ等を使用せず流水だけでシャンプーをすすいでも完全にシャンプーの成分は洗い落とされてはおりません。
つまりコーティングの上にシャンプーが残存していることになりこの残存成分と、コーティングから揮発してくる成分や水道水に含まれるカルキなどの成分が結びつき水染みになると考えられます。
2.水質に問題がある場合
水洗い洗車や雨降り後などにこのような症状が出る場合は水質に問題があります。
水道水の場合には完全な真水ということはありえません、必ずカルキやカルシュウムなどを含んでいます。
このような成分量が多いとシャンプー洗車の場合と同じように、コーティングからの揮発成分と結びつき水染みが発生することがあります。
雨においても現代の雨はほとんど酸性の雨です、雨はさらに空気中に浮遊する不純物を含んできますので場合によっては水道水よりも不純物濃度は高い場合も多々有ります。
これもやはりコーティングからの揮発成分と結びつき水染みを発生させる可能性があります。
これらの症状から回避する方法
これ以外にコーティング剤を選択する際に撥水をフッ素で機能させていないものを選ぶことでかなりコーティング初期の水染みの発生は少なくなります。
シャンプー洗車しても取れないような水染みができてしまったときは、DIYでの除去は傷を入れてしまう可能性が限りなく100%ですのでおやめ下さい。
必ず専門店で施工下さい。
但しフッ素を使用しているコーティングに関しましては、水染みを除去する際にフッ素も除去されてしまいますのでフッ素は再コーティングしなければなりません。
しかし再コーティングされたフッ素はシリカとは分子結合はできないため機能寿命は半年程度となります。
完璧を期すのであれば、残存しているシリカ膜の上にダブルコートで再コーティングするしかありません。
この際にもシリカ膜同士の相性がありますので、そこのところを専門店の方にきちんと伝え説明を受けるようにしてください。